実務記事 惣菜半製品の落とし穴!表示と許可の2大鉄則

  

「お店で揚げたてを出しているコロッケ。お客様から『家でも揚げたてを食べたいから、揚げる前の状態で売ってほしい』と言われた。これってそのまま売っても大丈夫?」

 

「パック詰めして他のお店に卸すとき、ラベルには何を書けばいいの?」

 

そうざい製造業を営む経営者のかたから、こうしたご相談が急増しています。

 

コロナ禍を経て、テイクアウトや家での食事の需要が高まりました。

 

その結果、これまでは想定していなかった販売のしかたに挑戦するお店が増えてきたためです。

 

しかし、この「そうざい半製品(揚げるだけ・焼くだけの状態の商品)」は、法律的にはとてもデリケートな存在です。

 

ルールを誤解したまま販売を続けると、保健所からの指導や行政処分の対象になります。

 

積み上げてきたお店の信用を、一瞬で失いかねません。

 

この記事では、実務でよく間違えやすい「そうざい半製品の定義」と、お店のブランドを守るための「正しいラベル表示」について、わかりやすく解説します。

 

【この記事でわかること】

 

「揚げる前のコロッケ」を売るために必要な営業許可の正解

 

パッケージ販売をするときのラベルに書くべき必須項目

 

卸売りやネット販売を始めるときに変わる「表示責任者」とは何か

 


1.結論:そうざい半製品には「そうざい製造業」許可が必要


 

 ■ 結論(まず答えをお伝えします)

 

「そうざい半製品(衣をつけただけのコロッケなど)」を製造・販売するには、原則として「そうざい製造業」の許可が必要です。

 

また、袋や容器に入れて販売する場合は、加工食品としての厳しいラベル表示のルールが適用されます。 

 

「まだ調理が終わっていない商品だから、惣菜ではないのでは?」と思っているとしたら、それは法律上の誤解です。

 

その理由を順番に説明します。

 

 


2.実務での盲点・現場のホンネ


 

盲点 「そうざい半製品」は立派な「惣菜」です

 

2021年に食品衛生法が改正され、「そうざい製造業」の定義がはっきりと明確になりました。

 

そこには、こう書かれています。

 

「衣をつけるなどの加工はされているが、食べるには購入者による最終的な調理(揚げる・焼くなど)が必要な商品(=そうざい半製品)も含む」と。

 

以前は「中間製品」として曖昧に扱われていた時期もありました。

 

しかし現在は、「半製品を作って売るならそうざい製造業の許可が必要」という鉄則が定まっています。

 

要するに、「まだ生だから惣菜じゃない」という考え方は、法律上は通用しないということです。

 

 

 

盲点 飲食店の許可と、そうざい製造業の許可は別物です

 

お店の中でお客様にその場で提供するだけなら、「飲食店営業」の許可で対応できるケースがあります。

 

しかし、次のようなケースでは話が変わります。

 

・あらかじめパック詰めして陳列・販売する

 

・他の店舗へ配送・卸売りする

 

このような場合には、「そうざい製造業」の許可が別途必要になります。

 

わかりやすい例を挙げると、精肉店が「未加熱のとんかつ」を販売する場合、食肉販売業の許可があっても、揚げた完成品を販売するなら飲食店営業の許可が必要です。

 

工程や販売形態によって、必要な許可の種類が細かく変わるのです。

 

 

 

盲点 表示ラベルは「消費者の安全」を直接左右します

 

店内でお客様に手渡しするときは、口頭での説明で済む場合もあります。

 

しかし、容器や袋に入れて棚に並べる場合は、「加工食品」としての正式な表示が義務となります。

 

特に半製品の場合、「必ず加熱してから食べてください」といった注意書きや、アレルギーの原因となる原材料(アレルゲン)の表示は、食中毒やアレルギー事故を防ぐための最後の砦です。

 

「ラベルなんてなんとなく書いておけばいい」という感覚は、大きなリスクにつながります。

 


3.よくあるミス・注意点


 

ミス アレルギー表示の漏れ

 

半製品であっても、原材料に「卵」や「小麦」が含まれていれば、必ずアレルゲンの表示が必要です。

 

また、「パン粉」や「醤油」などの複合原材料(複数の原料を混ぜて作られたもの)を使っている場合は、その中身まで確認して表示しなければならないケースがあります。

 

「パン粉の中に小麦が入っているから、小麦のアレルゲン表示が必要」というイメージです。

 

 

 

ミス「製造者」と「販売者」の書き間違い

 

自社で作って自社で売るなら、「製造者」として自社の名前と住所を書けば問題ありません。

 

しかし、他社のブランド名で製造する(OEM)場合や、複数の店舗を展開している場合は、「表示内容に責任を持つ人(表示責任者)」を明記し、必要に応じて「製造場所の住所」も併記しなければなりません。

 

「誰がこの商品の表示に責任を持つのか」を、ラベルで明確にするというルールです。

 

 

 

ミス 猶予期間はすでに終わっています(重要です!)

 

法改正により、「そうざい半製品」が許可の対象に正式に加わりました。

 

その際、令和3年(2021年)6月時点ですでに営業していた事業者には、3年間の移行猶予期間が設けられていました。

 

しかし、その期間は令和6年(2024年)531日で終了しています。

 

「まだ猶予があると思っていた」という場合は、すでに許可を取得していない状態が続いていることになります。早急な対応が必要です。

 

 

 

ミス 自主回収(リコール)の報告体制がない

 

もし、表示の漏れや異物の混入が発覚した場合、現在は国への報告(リコール報告)が義務化されています。

 

この手続きを怠ると、行政処分がさらに重くなるリスクがあります。「万が一のときにどう動くか」を、あらかじめ社内で決めておくことが大切です。

 


まとめ・次のステップ


 

いかがでしたでしょうか?

 

「半製品だから、許可も表示も緩くていい」という時代は終わりました。

 

むしろ、お客様の手元で最終調理が行われる半製品こそ、正確な情報の伝達(=表示)と、徹底した衛生管理(HACCP)が求められる分野です。

 

もし、こんな不安を感じているとしたら——

 

・「今のラベル表示は、本当に法的に正しいのか?」

 

・「新しい販売形態に、今の許可で対応できているのか?」

 

まず、次のワンステップから始めてみてください。

 

 

「今使っているラベルを、原材料の配合表と一緒に専門家にチェックしてもらう」

 

これだけで、将来的な行政処分のリスクを大きく減らし、お店のブランドを守ることができます。

 

当事務所では、そうざい製造業の許可申請をはじめ、法改正に対応したラベル表示の作成支援、現場に合ったHACCP導入のサポートまで、実務に特化したご相談を承っております。

 

「うちのラベル、これで大丈夫?」と思ったら、どうぞお気軽にお問い合わせください 

 

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