「アメリカのバイヤーと、日本酒の輸出商談がまとまりそう!」
「でも、FDA登録の手続きは、メーカー(酒蔵)がやるべき?それとも、商社である当社がやるべき?」
「メーカーは英語が苦手。なんとか当社で、手続きや連絡の窓口を引き受けられないか……」
初めてのアメリカ輸出に挑む、輸出商社の販売部長様。
商流づくりに加えて、英語の手続きも重なり、ご苦労されていることとお察しします。
この記事では、自社で施設を持たない輸出商社が、英語に不慣れなメーカーに代わってFDA登録をスムーズに進めるためのノウハウをお伝えします。
読み終えるころには、メーカーの負担を減らしながら、商社が手続きの主導権を握る方法がわかります。
【この記事でわかること】
・施設を持たない輸出商社が、FDA登録にどう関わるべきか
・英語が苦手なメーカーに代わって、商社がFDAからの連絡を受け取る方法
・初めてでも迷わない、FDA登録の入力フローチャート(6ステップ)
1.結論:FDA登録名義はメーカー、連絡窓口が商社
結論から申し上げます。
① 商社を「施設」として登録する義務はありません。登録するのは、あくまで日本酒メーカー(酒蔵)です。
② ただし、申請書の「公式連絡先」と「提出者」の欄に商社の情報を書けば、FDAからのメールを商社が直接受け取れます。
③ 手続きは、オンラインの「6つのステップ」で進めます。
要するに、「登録の名義はメーカー、連絡の窓口は商社」という形にできる、ということです。
2.概要・手続きの流れ
■概要 〜なぜ商社の登録は不要なのか〜
FDA(アメリカの食品・医薬品を監督する役所)のルールでは、登録が必要なのは「実際に食品を製造・加工・梱包・保管する場所」です。
そのため、倉庫を持たず、仕入れた日本酒をそのまま輸出する商社は、自社を「施設」として登録する必要はありません。
しかし、ここに落とし穴があります。
「登録はメーカーの義務だから」と手続きを丸投げすると、英語が苦手なメーカーの現場では対応が遅れがちです。
その結果、せっかくの商談がストップしてしまう危険があります。
そこで、商社が連絡窓口を引き受けることが、輸出成功のカギになるのです。
■手続きの流れ 〜6つのステップで完了〜
初めてのFDA登録(オンライン申請)の流れを、順番に見ていきましょう。
〜事前準備フェーズ〜
STEP 1:製品カテゴリーの判定
まず、輸出するお酒の種類を確認します。通常の「清酒」なら問題ありません。
ただし、果汁などを含む「リキュール」や「スパークリング日本酒」は要注意です。
追加の手続き(FCE/SID登録。要するに、加工食品の製造工程をFDAに届け出る手続きのことです)が必要になる可能性が高いためです。
STEP 2:DUNS(ダンズ)番号の取得・確認
DUNS番号とは、世界共通で使われる「9桁の企業コード」のことです。
メーカー(酒蔵)の施設を特定するために使います。
日本の代理店を通じて、取得・確認できます。
ここで大事な注意点がひとつ。
登録した「英語の社名・住所」は、大文字・小文字、ピリオドひとつまで、一文字も違わないように控えてください。
のちほどのSTEP 5で、まったく同じ表記を入力する必要があるためです。
STEP 3:米国代理人(U.S. Agent)の選任
米国代理人とは、アメリカ国内に住んでいて、FDAとの緊急連絡窓口になってくれる人のことです。1名指定することが必須です。
〜オンライン入力フェーズ〜
STEP 4:FDAシステムでのアカウント作成
FDAのオンラインシステム(FIS)にアクセスし、アカウントを作ります。
メニューから「Food Facility Registration(食品施設登録)」の画面へ進みます。
STEP 5:登録情報の入力(★ここが最大のポイント!)
英語で情報を入力していきます。
商社がメールを受け取るための設定は、ここで行います。
・「施設情報」の欄
→ 必ず【日本酒メーカー(酒蔵)の社名と住所】を入力します。
ここに商社の情報を入れると、エラーになります。
・「公式連絡先(Official Contact)」の欄
→ ここに【商社のご担当者の氏名・電話番号・メールアドレス】を入力します。
・「提出者(Submitter)」の欄
→ 商社が代理で入力する場合は、ここにも【商社の情報】を記載します。
要するに、「施設はメーカー、連絡先は商社」と書き分けるのがコツです。
これで、FDAや米国代理人からの重要なメールが、商社に直接届く仕組みが完成します。
〜完了フェーズ〜
STEP 6:米国代理人による「承認」と番号発行
入力を終えて送信すると、米国代理人あてにFDAから確認メールが届きます。
米国代理人が30日以内にシステム上で「承認」すると、11桁の「FDA施設登録番号」がすぐに発行され、登録完了です。
3.よくあるミス・注意点
① 施設情報に「商社の住所」を書いてしまう
連絡先を商社にするのは正解です。
しかし、「施設の名称・住所」の欄に商社の情報を入れるのはNGです。
DUNS番号に登録されたメーカーの情報と1文字でも違うと、エラーで登録できません。
② 事前通知(Prior Notice)での入力ミス
事前通知とは、貨物がアメリカに到着する前に、FDAへ「これから食品を送ります」と知らせる手続きのことです。
この手続きでも、製造者(Manufacturer)の欄には、商社ではなく「登録した日本酒メーカーの正確な名称と11桁の登録番号」を入力します。
③ 2年に一度の「更新」忘れ
FDA登録は、西暦の偶数年の年末(10月〜12月)に、必ず更新手続きが必要です。
忘れると、翌年1月1日に登録番号が自動的に消滅し、出荷が止まります。
商社が主導して、期日を管理しましょう。
まとめ・次のステップ
いかがでしたでしょうか?
・商社自身を「施設」として登録する必要はない
・「公式連絡先」と「提出者」に商社を記載すれば、メールの窓口になれる
・6つのステップに沿って進めれば、初めてでも登録できる
「英語のシステムに自分で入力するのは、やはり不安だ」
「メーカーの情報を正確にひも付けできるか、自信がない」
そのようなお悩みはございませんか?
当事務所では、アメリカ食品輸出に詳しい行政書士として、FDAオンライン登録の代行から、DUNS番号の取得サポートまで、輸出商社様をトータルで支援しております。
販売部長様が本来の「販売・営業活動」に専念できるよう、複雑な手続きはプロにお任せください。
まずはお気軽にお問い合わせください。
貴社の大切な日本酒がアメリカ市場へスムーズに届くよう、全力で伴走いたします。
お問い合わせは、下記からお願いします。
24時間以内に回答いたします。
行政書士には守秘義務がありますので、お問い合わせが公開されることはありません。
コメントをお書きください