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比較記事 補助金・省力化技術導入支援と酒類振興の違いと使い分け

 

 日本酒メーカーの経営者の皆様、こんにちは。

 

食品・酒類業界の補助金申請を専門にサポートしている行政書士です。

 

これまで、補助金の全体像や、実際に採択された事例(ケーススタディ)についてお伝えしてきました。

 

そんな中、多くの社長様からこんなご質問をいただきます。

 

「農水省の省力化補助金(人手を減らすための機械導入を支援する制度)と、国税庁の酒類振興補助金、結局うちにはどっちがいいの?」

 

どちらも日本酒メーカーが使える、心強い制度です。 

 

ですが、中身は全くの別物です。

 

今回は、この2つの違いを、実務の視点でわかりやすく比較していきます。

 

① はじめに

 

この記事を読むことで、自社の投資計画に最適な補助金がどちらか、一目で見極められるようになります。

 

【この記事でわかること】 

 

・農水省は「工場の自動化」、国税庁は「ブランド化・輸出」と、目的が根本的に違うこと 

 

・最大4,000万円と最大1,000万円。もらえる金額と補助率(経費のうち補助金がカバーしてくれる割合)の「損をしない選び方」 

 

・「同時に2つとも申請できるのか?」という疑問に対する、実務上の回答

 


1.ご相談内容


 

「新しく性能の良い瓶詰めライン(お酒を瓶に詰める機械の一式)を導入して、人手不足を解消したい。それと同時に、海外にもどんどん売り出していきたい。

 

調べてみると、農水省の『省力化技術導入支援』と、国税庁の『酒類業振興支援事業費補助金』の2つがあるようだ。

 

うちのような酒蔵の場合、どちらに申請するのが得なのか? 

 

また、欲張って2つとも同時に申請することはできるのか知りたい」

 


2.結論(要するに何が違うの)


 

一言でいうと、こう考えてください。

 

・工場の中を効率化したいなら 農水省

 

・お酒を海外に売りたいなら 国税庁

 

 

農水省の補助金は、最新の機械を導入して「人手不足」を解消することが主な目的です。

 

一方、国税庁の補助金は、新しい市場を開拓したり、海外での「ブランド価値」を高めたりすることが主な目的です。

 

要するに、「機械を入れること」がゴールなのが農水省、「機械を使って売ること」がゴールなのが国税庁、というイメージです。

 


3.比較


 

主要な項目を比較しました。

 

自社の計画と照らし合わせながら、読んでみてください。

 

 

【農水省:省力化技術導入支援】

 

・主な目的:人手不足の解消、生産効率の向上

 

・補助上限額:最大4,000万円

 

・補助率:1/2以内(経費の半分まで補助)

 

・対象経費:機械装置、システム構築費、エンジニア費

 

・最大の特徴:リースやレンタルは対象外(自社で購入する必要あり)

 

 

 

【国税庁:酒類業振興支援】

  

・主な目的:輸出拡大、ブランディング、新市場開拓

  

・補助上限額:最大1,000万円(海外展開枠の場合)

  

・補助率:1/2(小規模事業者は2/3になる特例あり)

  

・対象経費:設備費、広報費、委託費、展示会出展費など

  

・最大の特徴:機械導入「だけ」の計画は評価が低い(売る計画とセットが必須)

 

 

 

Q. 同時期に2つとも申請できる?

 

結論からお伝えします。

 

「別の取り組みであれば可能。ただし、同じ機械(同じ経費)で両方からお金を受け取ることは絶対にできません」というルールがあります。

 

農水省の申請書には、「他の補助金と同じ経費で申請していない」というチェック項目があり、重複してお金を受け取ること(重複受給)は厳しく禁止されています。

 

 

ただし、たとえば

 

・農水省 瓶詰め機の導入

   

・国税庁 海外向けの販路開拓

 

 

というように、目的と経費がはっきり分かれている場合は、両方を戦略的に活用することも検討の余地があります。

 


4.よくあるミス・注意点


 

比較検討する際、酒蔵が特に陥りやすい落とし穴が3つあります。

 

 

・国税庁の補助金で「機械だけ」買おうとするミス

 

国税庁の補助金は、タンクや冷蔵設備を買うだけでは審査に通りません。

 

その設備を使って「どう売るか」というマーケティング戦略がセットになっていないと、採択は難しいのが実務上の現実です。

 

 

 

・リース契約を考えている場合のミス

 

農水省の省力化補助金は、リースやレンタルが一切認められていません。

 

自社で購入(取得)することが条件となりますので、資金計画には注意が必要です。

 

 

 

・「交付決定」前のフライング注文

 

どちらの補助金も、採択(内定)が出たからといって、すぐに発注してはいけません。 

 

事務局からの正式な「交付決定」(補助金を出しますという最終的な通知)が届く前に契約や発注をしてしまうと、補助金が1円ももらえなくなってしまいます。

 


まとめ・次のステップ


 

いかがでしたでしょうか?

 

今回の比較を参考に、「今、自社が最優先すべき投資は何か」を考えてみてください。

 

 

・人手不足が深刻で、とにかく製造ラインを自動化したい 農水省

 

 

・海外市場を狙いたい、または高級ラインのブランド化を進めたい 国税庁

 

 

 

「うちのこの計画は、どちらの補助金のほうが採択されやすいだろうか?」

 

「両方の補助金を組み合わせて使うスケジュールを組んでほしい」

 

そんなお悩みをお持ちの蔵元様。

 

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