比較記事 営業許可と営業届出の違いとは?飲食店開業前に必ず確認を

 

「自分のお店を出したい!」そう思って保健所に行くと、パンフレットに2つの言葉が出てきます。

 

「営業許可」と「営業届出」。

 

 

「どっちも届け出るだけでしょ?」

 

そう軽く考えてしまうと、あとで大変なことになりかねません。

 

「無許可営業」として指導を受けたり、高い工事費用が無駄になったりするリスクがあります。

 

この記事では、飲食店の許可申請に詳しい行政書士が、初心者の方にもわかりやすく、2つの違いをまるごと解説します。

 

【この記事でわかること】

 

・「営業許可」と「営業届出」を分ける基準は何か

 

・手続きの重さと、設備のルール(施設基準)の有無の違い

 

・どちらの場合でも、必ず守らなければならない2つのルール

 


1.ご相談内容


 

先日、初めて飲食店を開こうと準備中の方から、こんなご相談をいただきました。

 

「保健所のパンフレットを読んだのですが、『営業許可』が必要な場合と、『営業届出』で済む場合があると書いてありました。カフェを始めたいのですが、私はどちらになるのでしょうか?

そもそも、この2つは何が違うのですか?」

 

じつは、2021年に法律が大きく改正されました。

 

以前よりも判断しやすくなってはいます。

 

ただ、初めての方には馴染みのない言葉ですので、丁寧にご説明しました。

 


2.結論(要するに何が違うの)


 

結論からお伝えします。

 

この2つの違いは、ひと言でいうと、「食中毒が起きるリスクの高さ」によって決まります。

 

 

営業許可とは…

 

飲食店や食品メーカーなど、食中毒のリスクが比較的高い業種が対象です。

 

法律で定められた「32業種」が該当します。

 

保健所の厳しい施設チェックをクリアしないと、営業を始めることができません。

 

 

 

営業届出とは…

 

包装済みの食品を販売するだけ、など、リスクが比較的低い業種が対象です。

 

設備のチェックはありません。

 

必要な情報を登録するだけで、営業を始められます。

 

 

一般的な飲食店(レストラン、カフェ、居酒屋など)は、「営業許可」が必要な業種です。

 

 


3.比較


 

初心者の方でもイメージしやすいよう、主な違いをまとめました。

 

 

【営業許可(飲食店など)の場合】

 

・施設基準(ハード):あり

 → シンクの数や仕切りなど、細かいルールがある

 

・保健所の検査:あり

 → 工事完了後に担当者が店に来てチェックする

 

・手数料:必要

 → 自治体や業種により数千円〜数万円

 

・有効期限:あり

 → 通常58年ごとに更新手続きが必要

 

 

 

【営業届出(包装食品販売など)の場合】

 

・施設基準(ハード):なし

 → 特定の設備要件は求められない

 

・保健所の検査:なし

 → 書類(オンライン含む)を出すだけで完了

 

・手数料:無料

 → 届出に手数料はかからない

 

・有効期限:なし

 → 一度出せば廃業まで有効

 

 

 

【重要】どちらにも共通する2つの義務

 

「届出で済むなら、ルールも少ないはず」そう思われる方も多いのですが、実はそうではありません。

 

許可・届出のどちらであっても、全ての事業者に共通して義務付けられているルールがあります。

 

 

①食品衛生責任者の設置

 

各店舗に、必ず1名の責任者を置く必要があります。

 

調理師などの資格を持つ方、または指定の講習を受講した方が対象です。

 

要するに、「衛生管理を担当する責任者」を1人必ず決めてください、ということです。

 

 

 

HACCP(ハサップ)の実施

 

HACCP(ハサップ)とは、食品の安全を守るための衛生管理の仕組みのことです。

 

「どのように衛生管理をするか」を事前に計画として書き出し、毎日の実施状況を記録・保存する必要があります。

 

 

要するに、「やった衛生管理を記録に残してください」ということです。

 


4.よくあるミス・注意点


 

ミス① 「テイクアウトだから届出でいい」という勘違い

  

「うちは弁当を並べるだけだから、届出で済むよね?」そう思いこむのは危険です。

  

店内で少しでも「カットする」「温める」「盛り付ける」といった調理の工程があれば、飲食店営業の「許可」が必要になります。

  

自己判断で始めると、「無許可営業」として保健所から指導を受けることになります。

  

 

 

ミス② 「居抜き物件だからそのまま使える」という過信

  

居抜き物件とは、前のテナントが使っていた設備をそのまま引き継ぐ物件のことです。

 

 「前の店も飲食店だったから、今のままで許可が出るはず」これも危険な思い込みです。

  

2021年の法改正後は、手洗い場の蛇口が「センサー式やレバー式など、手を触れなくて済む非接触型」であることが求められるようになりました。 

 

古い物件のままでは、現在の基準をクリアできないケースが増えています。 

 

 

 

ミス③ キッチンカーの水タンク容量の見落とし

  

キッチンカー(移動販売)にも、飲食店営業の「許可」が必要です。 

 

さらに、車に積んでいる水タンクの容量によって、「作れるメニュー」が厳しく制限されます。 

 

これを知らずに車を完成させてしまうと、「許可が下りない」という最悪の事態になりかねません。  

 


まとめ・次のステップ


 

いかがでしたでしょうか?

 

飲食店を開く前に、まず確認すべきことがあります。

 

「自分のやりたいことは、許可が必要なのか、届出で済むのか」これを正確に見極めることが、失敗しないための第一歩です。

 

多くの方は「営業許可」が必要になります。

 

そのためには、内装工事を始める前に保健所へ「事前相談」に行くことが何より大切です。

 

 

こんなお悩みはありませんか?

 

・「自分のメニューで、どの許可が必要?」

 

・「この居抜き物件の図面で、今の基準をクリアできる?」

 

・「オンライン申請やHACCPの書類作成をプロに任せたい」

 

 

そんな方は、ぜひ当事務所へご相談ください。

 

食品営業許可の手続きを専門とする行政書士が、スムーズな開業を全力でサポートいたします。

 

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