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比較記事 原産地証明書、商工会議所発行と自己証明の違いとは?

  

「ベトナムへの輸出で関税を下げたいけれど、書類の取り方が2種類ある?」

  

「商工会議所を通さない『自己申告』って、本当に海外の税関で通用するの?」 

 

ベトナム向けに食品を輸出しようとしている方、書類の種類が多くて、どれを使えばいいか迷っていませんか?

  

実は、ベトナムは日本と複数の経済連携協定(EPA)を結んでいます。 

 

EPAEconomic Partnership Agreement)とは、国と国の間で「お互いの商品に対する関税を下げましょう」という取り決めのことです。 

 

そして、EPAを使うときに必要な書類が「原産地証明書」です。 

 

これが「商工会議所に発行してもらうもの」と「自社で作成するもの」の2種類あるため、混乱が生じやすいのです。 

 

この記事では、その違いをわかりやすく整理します。 

 

【この記事でわかること】 

 

・「商工会議所発行」と「自己申告」は、何がどう違うのか 

 

・ベトナム輸出で使える協定と、それぞれの証明方式のルール 

 

・「自己申告=自由」ではない! 虚偽申告が発覚したときの重い法的責任

 


1.ご相談内容


 

先日、ベトナム進出を計画中の食品メーカー様から、こんなご相談をいただきました。

 

「ベトナムでの関税を安くするためにEPAを使いたいのですが、調べてみると書類の取り方が2通りあるようで……。商工会議所の手続きは面倒そうなので、できれば自社で作成したいのですが、本当に通用するのでしょうか? また、自社で証明するとなると、虚偽の申告もできてしまうのでは……と不安です」

 

この疑問、とても大切なポイントを突いています。 

 

ひとつずつ解説していきます。

 


2.結論(要するに何が違うの)


 

ひと言で言えば、「誰が責任を持って証明するか」の違いです。

 

 

商工会議所発行(第三者証明)

 

→ 日本商工会議所が審査をして「この商品は日本産です」とお墨付きを与えます。

 

 

 

自己申告(自己証明)

 

→ 輸出する会社や生産者が「自分の責任で、この商品は日本産です」と宣言します。

 

 

どちらの方式を使えばいいかは、「どのEPAを使うか」によって決まります。

 

たとえば、AJ-EPA(日本とASEAN諸国の協定)を使う場合は商工会議所の証明書が必要です。

 

一方、CPTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を使う場合は自己申告が認められています。

 

つまり、「どちらが便利か」で自由に選べるわけではなく、使う協定によって方式が決まっているのです。

 


3.比較


 

実務上の違いを整理しました。

 

 

【商工会議所発行(第三者証明)】

 

・対象の協定:AJ-EPA、日ベトナムEPAなど

 

・手続きの流れ:原材料表などの書類を商工会議所に提出 審査 「特定原産地証明書」が発給される

 

・費用:数千円程度(手数料がかかる)

 

・所要時間:発給まで数日かかる場合がある

 

・メリット:公的機関のお墨付きがあるため、ベトナム税関での信頼度が高い

 

・デメリット:費用と時間がかかる

 

 

 

【自己申告(自己証明)】

 

・対象の協定:CPTPP、日欧EPARCEPなど

 

・手続きの流れ:輸出者や生産者が自ら「原産品申告書」を作成する

 

・費用:無料

 

・所要時間:自社で即日発行が可能

 

・メリット:コストゼロで、スピーディーに対応できる

 

 

・デメリット:証明の根拠をすべて自社で管理しなければならない

 


4.よくあるミス・注意点


 

◎「自己申告はバレないから適当でいい」は最大の落とし穴

 

「自社で作るだけなら、多少いい加減でも大丈夫だろう」という考えは、非常に危険です。

 

自己申告であっても、証明の根拠となった書類(原材料の配合比率、製造工程図など)は通常5年間の保管義務があります。

 

輸出から数年後に、ベトナム税関が「本当に日本産ですか?」と調査に来ることがあります。

 

このとき証拠を出せなければ、バイヤーは免税分の関税を遡って徴収され、自社の信用も失われます。

 

最悪の場合、行政処分の対象になることもあります。

 

自己申告は「簡単な方式」ではあっても、「責任が軽い方式」ではありません。

 

 

 

HSコードのズレに要注意

 

HSコードとは、商品を世界共通の番号で分類する仕組みのことです。

 

この番号が日本とベトナムでズレていると、商工会議所の証明書があっても関税減免が認められないことがあります。

 

事前にバイヤーと番号をすり合わせておくことが鉄則です。

 


まとめ・次のステップ


 

いかがでしたでしょうか?

  

ベトナム向けの食品輸出では、「AJ-EPA」「JV-EPA」「CPTPP」「RCEP」という4つの協定が使えます。

 

商品の種類(HSコード)によって、「どの協定が一番関税を下げられるか」と「どの証明方式が自社に合っているか」をセットで考えることが重要です。

 

まずは、次の2つから始めてみてください。

 

・商品のHSコード(上6桁)を特定し、各EPAでの税率を比較する

 

・その商品が「日本産である」と説明できる、原材料の一覧表を1つ作ってみる

 

 

「どの協定を使えばいいかわからない」

 

「自己申告書のフォーマットをどう作ればよいか不安だ」

 

「原産地の判定をプロに任せたい」

 

そのようにお悩みの食品メーカー様、ぜひ当事務所へご相談ください。

 

ベトナム向けEPAの選定から、商工会議所への手続き代行、自己申告制度の社内体制づくりまで、食品輸出専門の行政書士として実務面からサポートいたします。

 

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