1.ご相談内容
「食品を輸入するには『検疫所』と『保健所』、両方のOKが必要だと聞いたけれど、何が違うの?」
「添加物のチェックは検疫所? ラベルの相談は保健所? どっちに行けばいいか、よくわからない……」というご相談でした。
商工会議所などのセミナーでは「検疫所を通しましょう」「保健所の確認も必要です」とサラッと説明されることが多いのですが、この2つの役所、実はまったく別の組織で、チェックする目的も内容もがらりと異なります。
この記事を読むと、次の3つがスッキリと整理されます。
・「水際の安全」を守る検疫所と、「国内の営業」を管理する保健所の違い
・輸入のたびに必要な「届出」と、事業開始前に必要な「許可」とは何か
・日本語ラベルや加工・保管の相談は、どちらの役所にすればよいか
それでは、詳しく解説していきます。
2.結論(要するに何が違うの)
まず結論からお伝えします。
「検疫所」は、食品が日本に届くたびに「この商品の中身は安全か」をチェックする、いわば国の水際ゲートです。
一方、「保健所」は、日本国内で「どんな施設で、どのように販売・加工するか」という事業者の活動を管理する、地方自治体(都道府県や市区町村)の窓口です。
ひと言でまとめると、
・検疫所は「モノ(食品そのもの)」を診る
・保健所は「ヒト(事業者)とハコ(施設・ラベル)」を診る
こう覚えておくと、ぐっとイメージしやすくなります。
3.比較
【検疫所(国の機関)】
チェックの目的:輸入食品が日本の安全基準に合っているか
主な手続き:食品等輸入届出書の提出
手続きのタイミング: 荷物が届くたびに
チェックの内容: 原材料・添加物・残留農薬・カビ毒・製造工程など
【保健所(都道府県・市区町村)】
チェックの目的:国内の施設・販売方法・ラベルが適切か
手続きのタイミング:毎回事業を始める前に一度(許可は数年ごとに更新)
チェックの内容:施設の衛生状態・保管温度・日本語ラベルの表示内容など
4.よくあるミス・注意点
■ 初心者が特に注意すべき3つのポイント
ポイント① 「輸入業」そのものには、保健所の許可は原則不要
意外に思われるかもしれませんが、食品を輸入して「そのまま」販売するだけであれば、保健所の営業許可や届出は原則として必要ありません。
ただし、これはあくまで「常温で保存できる、パッケージ済みの食品(お菓子・茶葉など)」に限った話です。
ポイント② 冷蔵・冷凍や「小分け」をするなら保健所への手続きが必要
輸入後に自社で「要冷蔵の食品を保管する」「大袋から小袋へ詰め替え(小分け)する」といった作業を行う場合は、保健所への届出や許可が必要になります。
この判断を誤ると、国内で「無許可営業」になってしまうため、事前に必ず確認しましょう。
ポイント③ ラベル表示の相談は「保健所」がメイン
検疫所でも原材料名の確認は行いますが、それは「禁止された添加物が使われていないか」を調べるためです。
フォントの大きさ、アレルギー表示、商品名の書き方といった「食品表示法」のルールについては、事業者の所在地を管轄する保健所(または都道府県の担当部署)が正式な相談窓口です。
まとめ・次のステップ
いかがでしたでしょうか?
初めての食品輸入では、次の「2段構え」で準備を進めると、手続きがスムーズに進みます。
ステップ1(検疫所への準備)
海外メーカーから「原材料表」と「製造工程表」を取り寄せ、日本の安全基準に合っているかを事前に確認する。
ステップ2(保健所への確認)
国内での販売形態(温度管理・小分けの有無)を伝え、営業許可が必要かどうか、日本語ラベルの表示に問題がないかを相談する。
「自分の商品は、保健所の許可が必要な業種に入るの?」
「検疫所に提出する書類、これで足りているか不安……」
「役所とのやりとりをまとめてプロに任せたい」
そんなお悩みがあれば、食品輸入専門の行政書士にお気軽にご相談ください。
当事務所では、検疫所への輸入届出から保健所への営業許可申請、さらにHACCP(ハサップ:食品の安全管理の国際ルール)に沿った衛生管理計画の作成まで、トータルでサポートいたします。
複雑な手続きを「安心」に変えて、自信を持って海外の食品を日本市場へ届けましょう!
お問い合わせは、下記からお願いします。
24時間以内に回答いたします。
行政書士には守秘義務がありますので、お問い合わせが公開されることはありません。
コメントをお書きください