· 

事例記事「食品補助金ありき」は失敗の元? 試される経営者の本気度

  

食品業界の経営者の皆様、こんにちは。


食品補助金の申請から、受給後の手続きまでをサポートしている行政書士です。

  

これまで、補助金全体の仕組みや、お金の管理ルールについてお伝えしてきました。

 

今回は少し視点を変えて、「補助金を申請しなかった」という事例をご紹介します。

  

「補助金は、もらえるならもらった方がいい」

 

そう思う方は多いと思います。

  

しかし、「補助金がもらえるから」という理由だけで進めてしまうと、思わぬ落とし穴にはまることがあります。


今回は、その理由を一緒に見ていきましょう。  

 

この記事を読むと、次のことがわかります。 

 

【この記事でわかること】

 

・「補助金ありき」で計画を進めると、なぜ途中でうまくいかなくなりやすいのか

 

・補助金が決まった後に待っている「事務作業の大変さ」とは


・自社に本当に合う補助金を見つけるための考え方

 


1.ご相談内容


 

 ■  自社に合う補助金を探してほしい

 

ある食品メーカーの経営者様から、こんなご相談をいただきました。

 

「会社の経営をもっとよくするために、食品関係の補助金を使いたい。ネットで調べると、農林水産省や国税庁など、いろいろな種類があってどれが自社に合うのかわからない。うちの規模や業種で、一番お金がもらえる補助金を教えてほしい」

 

経営者様は、新しい設備を入れたいという気持ちはお持ちでした。


ただ、どの補助金が自社に合っているのか、選ぶこと自体に悩んでいらっしゃいました。 

 


2.課題


 

■  目的が「補助金をもらうこと」になっていた

 

今回のご相談で一番気になったのは、「何のために補助金を使うのか」という目的より、「補助金をもらうこと」自体が目的になっていた点です。

 

これを、「補助金ありき」の状態と呼びます。

 

 

補助金は、会社の課題を解決するための「道具」です。


道具を使う目的がはっきりしていないと、審査をする人にも「なぜこの会社にお金を出すべきか」が伝わりにくくなってしまいます。 

 


3.対応


 

 ■ 自社の「弱み」に向き合うヒアリング

 

私はまず、補助金の一覧をお見せする前に、経営者様とじっくりお話をしました。

 

「今、会社の経営で一番困っていることは何ですか?」
「5年後、10年後、この会社をどうしていきたいですか?」

 

こうした質問を通じて、特に会社の「弱み」(人手不足、古い設備、特定の取引先への依存など)について、詳しくうかがいました。

 

補助金とは、こうした弱みを克服するための投資を後押ししてくれる仕組みだからです。

 


4.結果


 

■  あえて「申請を取りやめる」という決断

 

いくつかの補助金の候補(省力化補助金や新市場開拓の枠など)をご紹介し、それぞれの条件(賃上げの目標や、利益を増やす目標など)を詳しく説明しました。

 

すると数日後、経営者様から次のようなご連絡をいただきました。

 

「今のうちの体制では、補助金が求める高い目標を約束して、その後の大変な事務作業をやりきる自信がない。今回は申請をやめることにした」

 

 

これは、残念な結果に見えるかもしれません。


しかし私は、これは経営者として、とても誠実で正しい判断だったと感じています。

 


5.注意点


 

■ 「補助金ありき」で進めてはいけない理由

 

補助金は、基本的に「後払い」です。

 

つまり、最初に自社のお金で全額を支払い、事業が終わったあとに厳しいチェックを受けて、ようやくお金が支払われる、という仕組みです。

 

さらに、補助金が決まった後には、いつもの経理とは別に「補助金専用の帳簿管理」や「証拠となる書類のセット管理」といった、とても細かい事務作業が必要になります。

 

 

「もらえるならもらいたい」という気持ちだけでは、こうした作業のどこかで、必ず息切れしてしまいます。

 


6.行政書士としての視点


 

■  最後は「本気度」が試される

 

今回、結果として補助金申請のお手伝いはできませんでした。


ただ、改めて感じたのは、補助金の申請とは、申請する人の「本気度」が試される場である、ということです。

 

「本気で会社を良くしたい」「この投資で従業員にも喜んでもらいたい」という強い気持ちがないと、補助金が決まった後の大変な事務作業に、社員の協力を得ることも難しくなります。 

 

経営者ご自身が「自分のこと」として向き合っていない事業は、現場で必ず疲れを生んでしまいます。

 


7.食品商社勤務時代の経験から見た注意点


 

■  甘えが招いた失敗

 

私は行政書士になる前、食品を扱う商社で、海外の展示会に出展する仕事を担当していました。

 

当時、補助金を使って海外の展示会に出たことがありますが、振り返ってみると、新しい取引先(バイヤー)を見つけるという結果には、つながりませんでした。

 

「費用の半分は補助金でカバーされる」という安心感が、心のどこかにあったように思います。


そのため、全額自分のお金で出すときに比べて、ターゲットの選び方や、宣伝の準備が甘くなっていたのかもしれません。

 

 

「補助金があるから大丈夫」という気持ちが、ビジネスへの「本気度」を下げてしまうことがあるのです。

 


まとめ・次のステップ


 

いかがでしたでしょうか?

 

補助金は、正しく使えば、会社の成長を後押しする心強い味方になります。

 

しかし、その土台になるのは、皆様が持つ「ぶれない経営の計画」と「最後までやり抜く覚悟」です。

 

 

「補助金に振り回されるのではなく、本気で自社の課題を解決したい」


「そのためにどの制度が最適か、実務の面も含めて相談したい」

 

 

そんな経営者様は、ぜひ当事務所へご相談ください。


食品補助金の専門家として、皆様の「本気」に寄り添い、確実な成果につながるようサポートいたします。

 

御社の未来を切り拓く、本当の「一歩」を一緒に踏み出しましょう。

 

お問い合わせは、下記からお願いします。

 

24時間以内に回答いたします。

 

行政書士には守秘義務がありますので、お問い合わせが公開されることはありません。