「許可申請書に書いてある『HACCP(ハサップ)』って何ですか? 難しい計算や、高い機械を買わないといけないんですか?」
はじめて飲食店を開こうとしている方にとって、「HACCP」という聞き慣れない言葉は、大きな不安のタネになりがちです。
でも、正しく知れば、決して怖いものではありません。
この記事では、実際に当事務所にご相談いただいた、小さな飲食店のオーナー様の事例をもとに、HACCPとの上手な向き合い方と、許可取得後の経営のコツをわかりやすく解説します。
【この記事でわかること】
・小さな飲食店に求められる「HACCP」の本当の中身
・許可を取るだけで終わらせない「毎日の記録」の大切さ
・「1日分の売上」で考える、失敗しない家賃設定の目安
1.ご相談内容
先日、小さな飲食店の開業を検討されている方から、営業許可申請についてご相談をいただきました。
そのとき、お客様が一番気にされていたのが、申請書にある「HACCPに沿った衛生管理の取組」という項目です。
「HACCPって、大きな工場がやるような難しいものじゃないの?」
このご質問に対して、私は保健所が配布している「手引書(マニュアル)」をお渡しして、具体的な内容を一緒に確認しました。
2.課題
(1)よくある誤解
「HACCP」という横文字の響きだけで、「高度な科学的分析が必要だ」「高価な殺菌設備を買わないと許可が下りない」と思い込んでいる方が少なくありません。
今回のご相談者も、まさにそのような誤解をされていました。
(2)ご相談前に悩まれていたこと
「自分のような小さなお店で、そんな難しいことができるだろうか。保健所の検査に落ちてしまったらどうしよう……」
そんな不安を、一人で抱えていらっしゃいました。
(3)実務上の注意点
小さな飲食店の場合、高価な設備投資は一切必要ありません。
ただし、「衛生管理の計画を立てて、毎日記録する」という習慣が身についているお店は、実はまだ多くないのが現状です。
この「毎日続けること」こそが、実務上の最大のハードルと言えます。
3.対応
私は、保健所の手引書を一緒に見ながら、次の2つのポイントをお伝えしました。
「見える化」が基本です。
冷蔵庫の温度チェックや、スタッフの健康確認など、日頃から当たり前にやっていることを「記録に残す」だけです。
特別な資格や機械は必要ありません。
継続することが大切です。
難しいことを一度やるより、簡単なことを毎日続けることが、食品衛生法で求められています。
この説明を聞いて、ご相談者はとても安心された様子でした。
4.結果
その後、ご相談者は手引書のひな型を使って、自分のお店に合った衛生管理計画を作成されました。
保健所の実地検査もスムーズにクリアし、無事に飲食店営業許可を取得。
念願のお店をオープンすることができました。
5.注意点
HACCPは、「一度計画を作って記録を始めれば終わり」ではありません。
定期的に内容を見直すことが、法律上の義務として求められています。
これができていないと、万が一お店で食中毒が起きてしまったとき、「法律通りにきちんと管理していた」という主張が認められにくくなり、お店を守ることが難しくなります。
記録は、いざというときの「お店の盾」になるものです。
6.行政書士としての視点
これまで多くの方の開業をお手伝いしてきて、感じていることがあります。
飲食店営業許可のハードル自体は、実はそれほど高くありません。
本当に大変なのは、オープンした後に「収益を継続して出し続けること」です。
当事務所では、許可申請の手続きだけでなく、補助金の活用や、銀行融資のための「事業計画書」の作成など、経営を軌道に乗せるためのサポートも行っております。
7.食品商社勤務時代の経験から見た注意点
前職の食品商社時代、多くの飲食店の収益状況を見てきました。
その経験からお伝えしたいのが、「家賃の比率」の話です。
賃貸物件でお店を開く場合、家賃が売上に対して重すぎないかどうかが、経営の明暗を分けます。
一つの目安として、「1か月分の家賃を、1日分の売上でまかなえる水準かどうか」という考え方があります。
コンビニ経営などではよく言われる話ですが、飲食店でも参考になる指標です。
物件を選ぶ段階から、こういった視点を持っておくことをお勧めします。
まとめ・次のステップ
いかがでしたでしょうか?
HACCPは、単なる事務作業ではありません。
万が一のトラブルからお店とスタッフを守るための、「経営の自衛策」です。
毎日の記録を積み重ねることが、長くお店を続けていくための土台になります。
こんなお悩みはありませんか?
「許可申請と一緒に、しっかりした事業計画も作りたい」
「HACCPの記録、うちの店では何を書けばいい?」
そのような方は、ぜひ当事務所へご相談ください。
行政書士が「相談役」として、手続きから経営のサポートまで、全力でバックアップいたします。
飲食店営業許可・HACCP対応・事業計画書の作成でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
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