「理想の物件が見つかった! でも、ここで本当に焼肉屋の許可が下りるのかな?」
「オーナーから『早く契約しないと他の人に貸す』と言われているけれど、焦って契約して大丈夫?」
これから飲食店を開業しようとしている方、特に焼肉店のように特殊な設備が必要なお店を考えている方にとって、「物件の契約」と「保健所への相談」のどちらを先にするか、は非常に大きな悩みどころです。
この記事では、実際に当事務所に寄せられたご相談をもとに、無駄なコストを抑えながら確実に「飲食店営業許可」を取得するための、実務的な進め方を解説します。
この記事を読むことで、物件選びの失敗を防ぎ、最短ルートで開業準備を進めるためのヒントが得られるはずです。
1.ご相談内容
ご相談者は、念願の焼肉店をオープンさせるべく物件を探していた個人事業主の方です。
ようやく理想的な条件の物件を見つけ、オーナーに相談したところ、「すぐに決めるなら貸す」との返事でした。
ところが、焼肉店には強力な煙対策(排気設備)が欠かせません。
その物件で焼肉店の「飲食店営業許可」がそのまま取れるのか、それとも多額の改修費用がかかるのか、保健所への事前相談はまだの状態でした。
「オーナーを待たせて物件を逃したくない。でも、許可が下りなかったら……」という板挟みの状態でご相談に来られました。
2.課題
■ ニワトリが先か、タマゴが先か
ここでの最大の課題は、いわゆる「ニワトリが先か、タマゴが先か」というジレンマです。
具体的な物件が決まらないと、図面がないため保健所に詳細な事前相談ができない。
一方で、保健所の事前相談で良い感触を得る前に物件を契約してしまうと、もし「許可の要件を満たせない物件」だった場合に、契約金や家賃が無駄になってしまう。
このリスクをどうコントロールするかが、実務上の大きな壁となります。
3.対応
■ まず保健所の事前相談を優先する
私は、物件の契約と保健所の相談を並行して進めることを前提としつつ、「どちらか一つを優先するなら、必ず保健所との事前相談を先にすべき」とアドバイスしました。
理由はシンプルです。
焼肉店は、排気ダクトの設置など大がかりな工事が必要になるケースが多いからです。
もし契約後に「この構造では許可が出ない」と判明した場合、壁を壊して作り直す多額の損失や、そもそも営業できないという最悪の事態を招きかねません。
4.結果
アドバイスに従い、ご相談者は契約を数日待ってもらい、まず候補物件の図面を持って保健所へ事前相談に行きました。
その結果、やはり煙対策の排気口の位置について、保健所から改善のアドバイスを受けることになりました。
しかし幸いにも、軽微な設備変更で対応できる範囲であることが分かり、改修後の許可取得に確信が持てました。
結果として、安心してその物件を契約し、無事に焼肉店の営業許可を取得することができたのです。
5.注意点
■ オーナーのプレッシャーに負けない
物件のオーナーや不動産業者は、「今すぐ契約しないと他に貸してしまう」とプレッシャーをかけてくるのが一般的です。
しかし、そのプレッシャーに負けて「許可が下りるかわからない物件」を借りることは、ギャンブルと同じです。
焦って契約した結果、許可が下りずに家賃だけが発生し続ける……そんな最悪のケースも、実際に起きています。
6.行政書士としての視点
■ 条件付きで交渉する
オーナーとの交渉の場では、「保健所の事前相談で問題がなさそうであれば、非常に前向きに契約を検討します」という、条件付きの回答をするのが実務上は有効です。
また、内装工事の着工後に「手洗い場が基準を満たしていない」などの指摘を受けると、やり直し工事によるコストが一気に跳ね上がります。
図面の段階でプロ(保健所や行政書士)のチェックを通しておくことが、最大の防御となります。
7.食品商社勤務時代の経験から見た注意点
■ 物件のオーナーの方が強いのが現実
私は前職の食品商社時代、多くの貸し手と借り手の関係を見てきました。
残念ながら、力関係ではオーナーの方が強いのが現実です。
だからこそ、「この物件がダメなら次がない」という思い込みは禁物です。
保健所の相談結果が悪かった場合に備えて、常に複数の候補物件をチェックしておく。
その心の余裕が、対等な交渉を可能にします。
まとめ・次のステップ
いかがでしたでしょうか?
物件オーナーの言いなりになって、見切り発車で契約してはいけません。
「保健所への事前相談が先だ」という意思を明確に伝え、納得した上で契約に進みましょう。
「この図面で焼肉屋の許可が取れるか不安」
「保健所への説明に自信がない」
そんな方は、ぜひ当事務所へご相談ください。
行政書士が保健所への事前相談に同行し、あなたの開業リスクを最小限に抑えるお手伝いをいたします。
飲食店営業許可の物件選びでお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
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