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実務記事 日本酒輸出ラベル表示 3要件で輸入停止を防ぐ

 

「いよいよ自慢の日本酒をアメリカへ!と意気込んだものの、現地のラベル規定が恐ろしく細かいと聞いて足が止まっている……」

 

「ラベルの文字の大きさを数ミリ間違えただけで、港で荷物が差し止められるなんて本当だろうか?」

 

初めてのアメリカ輸出に挑む皆様、その不安は決して大げさなものではありません。

 

アメリカの酒類規制は世界でも有数の厳しさです。

 

特にラベル表示は、アメリカの連邦政府(国の機関)による事前承認が義務付けられています。

 

この記事を読むことで、次のことがわかります。

 

【この記事でわかること】

 

日本酒がアメリカでは「ワイン」として扱われる、という意外なルールと承認制度の仕組み

 

✓ 1文字のミスも許されない!ラベルに必ず含めるべき「7つの必須項目」

 

「ミリ単位」で決まっている文字サイズの規定と、現場で陥りやすい実務の落とし穴

 

正確な知識に基づいた準備は、貴社のブランドをアメリカ市場で守るための、最強の「防具」となるはずです。


1.結論:ラベルは米国の輸入者と一緒に作る


 

 ■結論(最初に答えをお伝えします)

 

アメリカ向けの日本酒ラベル実務における最大のポイントは、一言でいうとこれです。

 

「アメリカの輸入者が、現地の酒類管理当局(TTB=アメリカの税務・酒類担当の役所)から『ラベル承認証明書(COLA=コーラ)』を取得できたことを確認してから、日本でラベルを印刷・貼付する」

 

「日本のラベルを英訳すればいい」という考えは、残念ながら通用しません。

 

現地の法律に100%合わせた「アメリカ専用ラベル」を、正しい手順で作ること。

 

これが、輸入停止を防ぐ唯一の道です。

 


2.実務での盲点・現場のホンネ


 

現場で多くの輸出者が直面する「アメリカならでは」の盲点を、3つ解説します。

 

【盲点1:日本酒は「ワイン」として扱われる】

 

アメリカの連邦アルコール管理法(FAA法=アメリカ全土に適用されるお酒の法律)において、日本酒(清酒)は「ワイン」のカテゴリーに分類されます。

 

「日本酒はビールに近いのでは?」と思う方も多いですが、アメリカの法律上はワインです。

 

そのため、ワインの厳格な表示ルール(27 CFR Part 4=アメリカの行政法規集の番号)が適用されます。

 

これを知らないまま調べ始めると、そもそも参照すべき規制を間違えてしまいます。

 

 

 

【盲点2:日本語ラベルにある一文を削除しなければならない】

 

日本のラベルには必ずある「お酒は20歳になってから」という文言。

 

実は、アメリカ向けラベルからはこの文言を削除(または抹消)しなければなりません。

 

理由は、アメリカでは法律で定められた飲酒可能年齢が「21歳」だからです。

 

20歳」という数字をそのまま残すと、不適切な表示とみなされるリスクがあります。

 

 

 

【盲点3:健康警告文は「11句」変えられない】

 

アメリカへ輸出するすべての酒類には、政府が指定する「健康警告文(Health Warning Statement)」の記載が義務付けられています。

 

要するに、「お酒は健康に影響があります」という注意書きのことです。

 

この文章は法律で定められた定型文(決まった文章)です。

 

カンマの位置、単語の綴り、改行の場所に至るまで、一切の変更が認められません。

 

現場の本音を言えば、ここが最も神経を使うポイントの一つです。

 


3.よくあるミス・注意点


 

ラベル作成の現場で頻発するミスを、3つ整理しました。

 

 

【ミス1:文字サイズ「最小2mm」の壁】

 

表示が義務付けられている情報は、文字の大きさが「最小2mm以上」でなければなりません(蒸留酒や特定のワイン表示など)。

 

デザインを優先して文字を小さくしたり、背景色と似た色を使って見えにくくしたりすると、TTBの審査でリジェクト(却下)されます。

 

「おしゃれなデザインにしたい」という気持ちはわかりますが、規定が優先です。

 

 

 

【ミス2:新銘柄の「成分検査(Pre-COLA)」を忘れる】

 

アメリカに初めて輸出する銘柄の場合、ラベル承認(COLA)の申請前に、TTBの研究機関で「事前の成分検査(Pre-COLA)」が必要になるケースがほとんどです。

 

この検査では、次の点が厳しくチェックされます。

 

・実際のアルコール度数がラベルの記載と一致しているか

 

・アメリカで使用が禁止されている成分が含まれていないか

 

この工程を飛ばしてラベルだけ作っても、輸入は許可されません。

 

また、検査には原則21日以上かかります。

 

スケジュールには余裕を持って臨んでください。

 

 

 

【ミス3:「純米酒かどうか」による分類の混乱】

 

日本酒は表示ルール上は「ワイン」ですが、課せられる連邦酒税(アメリカの国税)の計算は、醸造アルコールの有無によって大きく変わります。

 

 

醸造アルコールを添加しない「純米酒」

→ 税法上はビールに近い区分で、比較的低い税率

 

 

醸造アルコールを添加した清酒

→ 税法上は蒸留酒に近い区分で、高い税率

 

この分類をラベル上の「分類名称(Class/Type)」と混同すると、バイヤー(現地の買い手)の関税計算が狂い、大きなトラブルに発展します。

 

「うちの酒はどちらに当たるのか」を事前に正確に確認しておくことが重要です。 

 


まとめ・次のステップ


 

いかがでしたでしょうか?

 

アメリカ向けの酒類ラベル作成は、単なる「翻訳作業」ではありません。

 

アメリカ連邦政府による「審査・承認手続き」だと考えてください。

 

輸入差し止めを確実に防ぐための「次のステップ」は、以下の3つです。

 

 

ステップ1:現地のパートナー(輸入者)を確定させる

 

COLAの申請は原則として「輸入者」が行います。

 

信頼できる現地パートナーの確保が、すべての出発点です。

 

 

 

ステップ2:新銘柄はまずTTBへの成分検査(Pre-COLA)を依頼する

 

原材料表や製造工程図(英語)を準備し、公式な分析結果を先に得ることが重要です。

 

ここを省略すると、後工程がすべて止まります。

 

 

 

ステップ3TTBの規定に沿ったラベル案を作成し、オンラインで承認を受ける

 

TTBのオンラインシステム「COLAs Online(コーラス・オンライン)」で申請を行います。

 

画面上で承認が下りた「COLA証明書」を手にして初めて、ラベルを印刷できます。

 

 

 

「自社で作ったラベル案が、ミリ単位の規定に合っているか不安だ」

 

「成分検査に必要な英語の原材料表や工程図の作成を、プロに任せたい」

 

「バイヤーとの間で、ラベル承認の責任範囲をどう決めるべきか相談したい」

 

そうお感じの輸出者の皆様、ぜひ当事務所にご相談ください。

 

食品・お酒の輸出を専門とする行政書士として、最新のTTB規制調査から、FDA施設登録、ラベル表示案の確認、さらにはコスト削減の提案まで、貴社のアメリカ進出を実務面で強力にバックアップいたします。

 

完璧なラベルは、アメリカ市場を勝ち抜くための信頼の証です。

 

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