· 

実務記事 食品輸出ラベル表示 3ステップで輸入停止を防ぐ

 

「いよいよ中東市場へ輸出だ!」と意気込んだものの、バイヤーから「ラベルは現地のアラビア語で」と言われて、途方に暮れていませんか?

 

「社内にアラビア語を読める人間なんていない。翻訳会社に頼むしかないのか?」

 

「文字を打ち間違えただけで輸入が差し止められるなんて、怖くて手が出せない……」

 

初めての食品輸出に挑む方にとって、現地語でのラベル作成は「見えない壁」のように感じるかもしれません。

 

でも、安心してください。

 

実は、「自社でアラビア語を必死に翻訳する」必要はありません。

 

この記事では、「誰に頼り」「どの順番でラベルを準備するか」という実務の流れをわかりやすく解説します。

 

言葉の壁を乗り越えて、安全に商品を海外へ届けるためのヒントをお伝えします。

 

【この記事でわかること】

 

✓ 自社翻訳は不要! バイヤーに責任を持ってもらう、賢い役割分担のやり方

 

✓ アラビア語ラベルに必ず入れるべき「日本とは違う記載ルール」の中身

 

14日間の期限に要注意! 通関の流れに組み込むラベル貼付のベストタイミング 

 


1.結論:現地バイヤーに協力していただく


 

■ 結論(最初にお伝えします)

 

アラビア語ラベルの実務における正解は、次のとおりです。

 

「日本の原材料リスト(英語版)をバイヤーに渡し、現地の法律に100%対応したアラビア語のラベルデータをもらって、それを日本で印刷して貼り付ける」

 

これが、現場で通用する最も安全なやり方です。

 

 

Google翻訳で何とかなるのでは?」と考える方もいらっしゃいます。

 

しかし、これは実務上の「禁じ手」です。

 

理由は2つあります。

 

ひとつ目は、誤訳のリスクが非常に高いこと。

 

ふたつ目は、輸出先の国の法律特有の言い回しに、翻訳ツールでは対応できないことです。

 

 

誤ったラベルで輸出してしまうと、現地での通関が止まり、商品が返送・廃棄になる恐れがあります。

 


2.実務での盲点・現場のホンネ


 

現場でよくある思い込みがあります。

 

それは、「日本のラベルをそのままアラビア語に翻訳すればいい」というものです。

 

しかし、ラベルは単なる「商品の説明文」ではありません。

 

輸出先の国の保健当局が、輸入を認めるかどうかを判断するための「法的な書類」です。日本のラベルとは、根本的に役割が違います。

 

 

【現場のホンネ:バイヤーこそが最強のパートナー】

 

アラビア語のラベルには、日本とは異なる独自のルールがあります。

 

たとえば、食品添加物の「INS番号」(国際的な識別番号のこと)の記載、アレルギー物質の強調表示、そしてイスラム圏特有の「ハラール(イスラム法に基づく食の規定)」に関する表現ルールなどです。

 

これらを日本国内だけで完璧に調べるのは、専門家でも時間がかかります。

 

そこで実務の現場では、こうします。

 

「現地のバイヤーに、すべての原材料と製造工程を英語でまとめた資料(成分表)を送り、現地の当局や通関業者に事前確認を取ってもらう」

 

これが、現場での本音の解決策です。

 

バイヤーにとっても、商品が現地で売れなければ損失になります。

 

だからこそ、輸入が確実に許可される「正しいアラビア語の文言」を教えてくれる、心強い味方になってくれます。

 

バイヤーから送られてきたラベルデータ(PDFなど)をそのまま印刷に使えば、自社でアラビア語をタイピングするリスクをゼロにできます。

 


3.よくあるミス・注意点


 

現場で実際に起きているトラブルを3つご紹介します。

 

 

ミス1:食品添加物(キャリーオーバー)の記載漏れ

 

「キャリーオーバー」とは、原料に含まれている微量な添加物のことです。要するに、原料のさらに奥に潜んでいる成分のことです。

 

日本では表示が免除されているケースがありますが、輸出先の国では明記が必要な場合があります。

 

バイヤーに渡す英語の成分表には、日本向けのラベルをそのまま翻訳するだけでなく、原料に使われている二次的な成分まで漏らさず記載することが大切です。

 

この記載が不十分だと、現地で「虚偽記載」とみなされ、商品の返送や廃棄処分になる恐れがあります。

 

 

 

ミス2:「14日間の期限」による検疫証明書の失効

 

お菓子や農産物を輸出する際、「植物検疫証明書」が必要になることがあります。

 

この証明書には重要な期限があります。日本の植物防疫所で検査に合格してから、原則として14日以内に輸出申告(船積みの手続き)を完了しなければなりません。

 

ラベルの翻訳や貼り付け作業に手間取って、この期限を1日でも超えてしまうと、合格が取り消され、検査のやり直しになります。

 

「ラベルの準備は船積みの直前でいい」と考えていると、この落とし穴にはまります。

 

ラベルデータは、余裕をもって早めに準備しておくことが鉄則です。

 

 

 

ミス3:シールの剥がれと貼付位置の不備

 

ラベルはどこに貼っても構わない、というわけではありません。

 

輸出先の国の法律では、「一括表示は一つの面にまとめること」「文字の大きさは〇mm以上」といった細かい規定がある場合があります。

 

また、輸送中の湿気や振動でラベルが剥がれてしまうと、それだけで「表示義務違反」とみなされ、通関できなくなります。

 

粘着力の強い素材を選ぶこと、梱包業者と事前に確認しておくことが欠かせません。

 


まとめ・次のステップ


 

いかがでしたでしょうか?

 

アラビア語のラベル対応は、「自社で読めないからこそ、現地を知るプロ(バイヤー)に内容の責任を持ってもらう」のが鉄則です。

 

実務の流れを整理すると、次の3ステップになります。

 

 

ステップ1:原材料と食品添加物をすべて網羅した「英語の成分表(配合比率含む)」を準備する。

 

 

ステップ2:バイヤーに成分表を送り、現地当局の確認を得た「アラビア語ラベルの完成データ」を受け取る。

 

 

ステップ3:届いたデータを日本で印刷し、梱包業者と連携して「船積み前」に正確な位置へ貼り付ける。

 

 

 

「バイヤーとのやり取りが英語で不安だ」

 

「原材料のどこまでを開示すればいいかわからない」

 

「現地の輸入ライセンスとラベル表示の整合性を確認してほしい」

 

 

こういったお悩みがありましたら、ぜひ専門家である行政書士へご相談ください。

 

食品輸出に特化した行政書士として、輸出先国に応じたラベル要件の調査代行から、バイヤーとの条件調整、検疫や施設登録などの証明書取得まで、貴社の「初めての輸出」を実務面でしっかりサポートいたします。

 

言葉の壁を仕組みで乗り越え、貴社の商品を安全に世界へ届けましょう。

 

まずはお気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせは、下記からお願いします。

 

24時間以内に回答いたします。

 

行政書士には守秘義務がありますので、お問い合わせが公開されることはありません。