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実務記事 食品輸入通関のフローチャート、成功への3つの関門

  

「海外から食品を輸入したいけど、手続きが複雑そう……」

  

「通関業者に聞いたら、税関の前にまだ手続きがあるって言われた。いったい何をどこに、どんな順番でやればいいの?」 

 

はじめて食品の輸入に挑戦しようとしている方、こんにちは。 

 

食品輸入の手続きを専門にサポートしている行政書士です。 

 

食品の輸入は、一般的な雑貨の輸入とはまったく違います。 

 

「人が口にするもの」だから、国は健康を守るために、とても厳しい審査の仕組みを作っています。

 

この流れを知らないままでいると、せっかく日本に届いた荷物が港で何週間も止まったり、高い保管料が発生したり、最悪の場合は廃棄になることもあります。 

 

このブログを読めば、食品輸入の通関の全体像がスッキリわかります。 

 

「自分の商品は、いつ、どこに、何を出せばいいのか」が具体的にイメージできるようになります。 

 

【この記事でわかること】 

 

検疫・食品届出・税関の「3つの関門」を通る順番 

 

「冷凍野菜」と「冷凍牛肉」、それぞれの手続きの流れ 

 

初心者が陥りやすい「書類の落とし穴」と対策 

 


1.結論:輸入通関の3つのステップ


 

 ■ 結論(最初にお伝えします)

 

食品の輸入手続きは、次の3ステップをこの順番どおりに進めなければなりません。

 

 

①動物検疫・植物検疫(農林水産省)

 

 

 

②食品等輸入届出(厚生労働省)

 

 

 

③輸入申告・納税(税関)

 

「お金を払う準備はできている」という状態でも、①②の合格がなければ、税関は絶対に輸入を許可してくれません。

 

この順番を飛ばすことはできない、というのが実務の大前提です。

 

要するに、「3つの関所を決まった順番で通過するゲーム」だとイメージしてください。

 


2.実務の流れ・現場のホンネ


 

■ 実務での流れ(具体例で解説します)

 

ここからは、よく輸入される2つの商品を例に、実際の手続きの流れを見ていきましょう。

 

 

(1)冷凍野菜を輸入する場合

 

野菜などの植物系の食品は「植物防疫法」という法律の対象になります。

 

これは、日本の農作物を海外の病害虫から守るためのルールです。

 

 

【ステップ①】貨物の到着・保税地域への搬入

 

船や飛行機で日本の港に到着した荷物は、まず「保税地域」と呼ばれる一時保管場所に入ります。

 

(保税地域とは、関税がまだかかっていない状態で荷物を一時的に預けておける場所のことです)

 

 

 

【ステップ②】植物検疫(農林水産省・植物防疫所)

 

最初の関門は、農林水産省の植物防疫所です。

 

輸出国の政府機関が発行した「植物検査証明書(Phytosanitary Certificate)」の原本を提出して、検査を受けます。

 

問題がなければ、合格の証明書が発行されます。

 

 

 

【ステップ③】食品等輸入届出書(厚生労働省・検疫所)

 

次の関門は、厚生労働省の検疫所です。

 

食品衛生法に基づき、添加物や残留農薬が日本の基準に合っているか審査されます。

 

審査が通ると「食品等輸入届出済証」が発行されます。

 

 

 

【ステップ④】輸入申告・納税(税関)

 

最後の関門が税関です。

 

②③の証明書を揃えて税関に申告し、関税と消費税を払うと、ようやく「輸入許可」が下ります。

 

 

 

(2)冷凍牛肉を輸入する場合

 

肉製品は、家畜の伝染病を防ぐための「家畜伝染病予防法」が適用されます。

 

植物よりもさらに厳しいチェックが入る点が特徴です。

 

 

 

【ステップ①】貨物の到着・保税地域への搬入

 

冷凍野菜と同様に、まず保税地域に搬入します。

 

 

 

【ステップ②】動物検疫(農林水産省・動物検疫所)

 

最初の関門は、動物検疫所です。

 

ここで最も重要なのが、輸出国の政府が発行した「衛生証明書(Health Certificate)」の原本です。

 

この書類がない場合、審査すら始まりません。

 

その場で「積戻し」、つまり荷物を海外に送り返すよう命じられることもあります。

 

 

 

【ステップ③】食品等輸入届出書(厚生労働省・検疫所)

 

動物検疫に合格した後、検疫所に届け出ます。

 

牛肉の場合、BSE(牛海綿状脳症)対策として、特定の危険部位が混入していないかどうかの現場検査が入ることもあります。

 

 

 

【ステップ④】輸入申告・納税(税関)

 

すべての書類が揃ってから、税関に申告して納税します。

 

 

 

【現場のホンネ】

 

複数の役所への申請は、実際には「通関業者」が代わりに動いてくれます。

 

ただし、「書類の準備」は輸入者の責任です。

 

海外のメーカーから「正しい書類の原本」を確実に取り寄せられるかどうかが、輸入者の最も大事な仕事になります。

 


3.よくあるミス・注意点


 

初めて輸入する方が陥りやすい「落とし穴」を4つまとめました。

 

 

【ミス1】「原本」ではなく「コピー」で済まそうとする

 

動物・植物検疫では、PDFFAXのコピーは認められません。

 

海外から郵送された「紙の原本」が必ず必要です。

 

原本が届くのを待つ間に、港で貨物が何週間も止まってしまう、というのはよくある失敗です。

 

 

 

【ミス2】他の法律の確認漏れ

 

食品衛生法以外にも、品目によっては「米トレーサビリティ法」や、経済産業省の「輸入割当(IQ)」など、クリアすべきルールが別にある場合があります。

 

「この法律だけ調べれば大丈夫」とは言い切れないので、事前に確認が必要です。

 

 

 

【ミス3】モニタリング検査中に販売してしまう

 

国が無料で行う「モニタリング検査」の場合、検査結果が出る前でも通関・販売できます。

 

ただし、後から「不合格」になった場合、すでに売れた商品をすべて回収・廃棄しなければならなくなります。

 

初めて輸入する食品の場合は、結果が出るまで販売を待つことも選択肢のひとつです。

 

 

 

【ミス4】事前に相談しない

 

検疫所には、無料で相談できる窓口があります。

 

「たぶん大丈夫だろう」と見切り発車で輸入すると、廃棄や積戻しという大きな損失につながります。

 

輸入する前に、一度相談しておくだけで、多くのトラブルを防ぐことができます。  

 


まとめ・次のステップ


 

いかがでしたでしょうか?

 

食品輸入の通関は、「農林水産省→厚生労働省→税関」の3つの関門を順番にクリアしていくプロセスです。

 

まず、次の3つを確認してみてください。

 

 

【調べる】

自分が輸入しようとしている食品が、植物検疫と動物検疫のどちらに該当するか調べる。

 

 

【確認する】

海外のメーカーに、日本向けの証明書の原本を発行してもらえるか確認する。

 

 

【相談する】

荷物を送る前に、検疫所の「輸入食品相談指導室」に一度相談しておく。

 

 

この3つを丁寧に進めることが、スムーズな輸入ビジネスへの最短ルートです。

 

 

「自分の商品がどの検疫の対象になるかわからない」

 

「海外メーカーへ、必要な書類を英語で依頼したい」

 

「複雑な手続きをまとめて任せたい」

 

 

そんな場合は、ぜひ専門家である行政書士にご相談ください。

 

当事務所では、輸入前の該否確認から、検疫所への事前相談の同行、食品等輸入届出の作成・提出代行まで、トータルでサポートしています。

 

食品の輸入手続きや通関フローにお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

 

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