「海外の工場でオリジナルのOEM商品を作ることになった。でも、日本に届いてから『輸入できません』と言われたらどうしよう……」
「原材料リストや工程表は手元にある。でも、自分たちだけの判断で進めて、ブランドの信用を失ったり、行政処分を受けたりするのは絶対に避けたい」
こんな不安を抱えている輸入者のかた、こんにちは。
食品輸入の手続きを専門にサポートしている行政書士です。
海外サプライヤーから「これで日本に送っていいか?」と返答を急かされるプレッシャー、本当によくわかります。
食品輸入での判断ミスは、単なる「うっかり」では済みません。
販売機会の損失だけでなく、多額の廃棄費用、最悪の場合は会社名が「違反者」として公表されるリスクがあります。
このブログを読むことで、検疫所の「事前相談」を上手に活用し、輸入前に法的な不安を解消する具体的な方法がわかります。
自信を持ってサプライヤーに「製造してください」と言えるようになることが目標です。
まずは、この記事のポイントをご確認ください。
【この記事でわかること】
・なぜ検疫所の「事前相談」が、輸入トラブルを防ぐ「最強の一手」なのか
・相談時に持参すべき「3つの資料」と、書類に求められる具体的な中身
・予約から指導を受けるまでの、実際の手順とよくある失敗パターン
1.結論:検疫所で「事前相談」を受けること
結論から申し上げます。
「貨物を日本へ向けて船積みする前に、海外メーカーから入手した詳細な資料を持って、輸入予定の港を管轄する検疫所で『事前相談』を受けること」
これが、食品輸入を成功させるための最大のポイントです。
食品衛生法などのルールに適合するかどうかを、輸入「後」ではなく輸入「前」に専門家の目で確認してもらいましょう。
廃棄や「積み戻し(そのまま返送すること)」という致命的な事態を未然に防ぐことができます。
2.実務での盲点・現場のホンネ
検疫所には「輸入食品相談指導室」という窓口があり、全国13カ所に設置されています。
輸入を検討している事業者に対して、無料で相談に対応してくれる、とても心強い公的な機関です。
しかし、実務の現場では、初めてのかたが陥りやすい「3つの盲点」があります。
【盲点1】「事前相談」は「輸入の許可」ではない
ここが最も大切なポイントです。
事前相談で「問題ない」と言われたとしても、それは「輸入を許可します」という確定的な約束ではありません。
事前相談はあくまで「指導・助言」です。
最終的な判断は、貨物が日本に到着した後の「本番の届出」で行われます。
とはいえ、事前に書類をしっかり確認してもらうことで、本番で不備を指摘される可能性をぐっと減らすことができます。
【盲点2】サプライヤーの資料をそのまま出しても通らないことがある
海外メーカーが作る原材料表(Ingredient List)は、日本の検疫所が求めるレベルに達していないことが多々あります。
たとえば、単に「着色料」と書かれていても、検疫所の担当者は「その着色料の具体的な化学名称は何ですか?」と必ず確認します。
要するに、「〇〇という成分が入っています」という具体的な名前が必要なのです。
実務上は、サプライヤーに対して「日本の検疫所に提出するので、ここまで詳しく書いてほしい」と粘り強く交渉し、書類を「日本向け仕様」に整える作業が不可欠です。
【盲点3】相談の予約が取りにくい場合がある
検疫所への来所による相談は、原則として「予約制」です。
特に主要な港の窓口では、数週間先まで予約が埋まっていることも珍しくありません。
サプライヤーへの返事を待たせているうちに予約が取れず、焦って準備不足のまま輸入してしまう……これが最も多い失敗パターンです。
資料が揃う見通しが立った時点で、まず電話して予約を入れることが実務の鉄則です。
3.よくあるミス・注意点
事前相談に臨む際、輸入者がつまずきやすいポイントを4つまとめました。
【ミス1】原材料の「学名」と「使用部位」が書かれていない
健康食品やハーブを含む食品の場合、英語の通称だけでは判断できません。
植物の「学名(がくめい)」とは、世界共通のラテン語の名前のことです。
また、根・葉・茎など、植物のどの「部位(ぶい)」を使っているかを特定した資料がないと、相談
自体が前に進まなくなります。
【ミス2】製造工程表の「加熱条件」が曖昧
清涼飲料水やレトルト食品など、製造方法にルールが定められている食品の場合、単に「加熱した」という記載では不十分です。
「何度で、何分間加熱したのか」という具体的な数字が入った工程表(フローチャート)が必要です。
【ミス3】サンプルを持って行かない
書類だけでなく、実際の商品のサンプル(または写真やパッケージ案)も持参することを強くおすすめします。
特に、日本語ラベルの表示案(商品名・原材料名・添加物・保存方法・賞味期限・原産国・輸入者名など)を一緒に確認してもらうことで、表示ミスによる回収リスクを大幅に減らせます。
【ミス4】「無償サンプル」だから大丈夫と思っている
販売目的ではなく、展示会での試食用や配布用のサンプルであっても、「ビジネスで使う」目的であれば、正式な輸入の届出と事前の調査が必要です。
「タダで配るものだから届出は不要」は大きな誤解です。
まとめ・次のステップ
いかがでしたでしょうか?
OEM輸入を成功させるための「事前相談」の流れを、ステップごとに整理しました。
【ステップ1:資料の準備】
海外サプライヤーから以下の3つを入手します。
・具体的な化学名称が入った原材料表
・加熱温度と時間が明記された製造工程表
・サンプルまたはパッケージの写真
【ステップ2:予約】
輸入予定の港を管轄する検疫所(全国32カ所の窓口)へ電話し、相談の予約を入れます。
資料が揃う見通しが立ったら、すぐに電話するのがポイントです。
【ステップ3:相談】
資料一式を持参し、担当の食品衛生監視員に「日本のルールに合っているか」を確認してもらいます。
【ステップ4:改善】
指摘があった箇所は、サプライヤーに修正を依頼し、書類を整え直します。
【ステップ5:実行】
すべての不安を解消した上で、初めて日本への発送(船積み)を指示します。
このステップを一つひとつ丁寧に守ることが、自社ブランドを守り、余計なコストをかけない最短ルートです。
「取り寄せた英文資料の内容が不十分で、検疫所にうまく説明できる自信がない」
「サプライヤーへの追加書類の依頼を、英語でどう伝えたらいいかわからない」
「忙しくて検疫所に行く時間が取れないけれど、確実に手続きを終わらせたい」
こんなお悩みがあれば、ぜひ行政書士をご活用ください。
当事務所では、輸入前の成分チェックから、海外メーカーとの書類調整、検疫所への事前相談への同行、そして輸入届出の代行まで、一括してサポートしています。
確かな準備が、成功への確かな第一歩です。
食品の輸入手続き・検疫所への事前相談でお困りのかたは、お気軽にご相談ください。
皆様の新しいOEM商品が、日本の食卓に並ぶ日を心よりお待ちしております。
お問い合わせは、下記からお願いします。
24時間以内に回答いたします。
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