「自慢の焼酎をアメリカに輸出したいのに、バイヤーから『25度以上はハードリカー扱いで、免許の取得が難しい』と言われてしまった……」
初めてのアメリカ輸出に挑む販売部長の皆様、こんな状況に直面して、諦めかけていませんか?
確かに、アメリカの酒類規制は複雑です。
でも、バイヤーの一言だけを信じて、人気商品をラインナップから外してしまうのは、あまりにも早計です。
この記事を読むことで、アメリカの酒類規制を自分で正しく調べる手順がわかります。
そして、「本当に販売できないのか」「突破口はあるのか」を、冷静に判断できるようになります。
正確な知識があれば、バイヤーと対等に交渉できます。
成約の可能性も、大きく広がります。
まず、この記事のポイントを整理しましょう。
【この記事でわかること】
✓「バイヤーの言葉」が全てではない! 米国酒類規制の二重構造
✓ JETROや農林水産省の資料を使い、自社で「例外規定」を探す3ステップ
✓ 輸出を成功させるために、バイヤーと協力して現地当局へ確認すべき事項
1.結論:輸出をあきらめる必要はない
■ 結論 ── まず最初に、答えをお伝えします
アルコール度数25%以上の焼酎がアメリカで「ハードリカー(蒸留酒)」に分類されるのは、事実です。
しかし、だからといって「輸出を諦める必要はない」のです。
州によっては、焼酎(Shochu)に対して特例を設けている場合があります。
また、正しい「HSコード(要するに、商品の国際的な分類番号のことです)」と「ラベル表示」を行うことで、販売免許のハードルを下げられる可能性があります。
まずは、公的なデータベースを使って、自社商品に適用される「正確なルール」を自ら確認することが、第一歩です。
2.概要・手続きの流れ
■ 概要 ── アメリカの酒類規制は「国」と「州」の二重構造になっています
食品やお酒を輸出するとき、日本の税関手続きと同じくらい重要なのが、輸出先の国の「輸入規制」です。
特にアメリカの場合、酒類の販売は連邦政府(TTB:国全体を管轄する機関)だけでなく、各州の法律によっても厳しく管理されています。
要するに、「国のルール」と「州のルール」の両方をクリアしなければならない、ということです。
バイヤーが言う「ハードリカー」とは、一般的に蒸留酒を指します。
ただし、アメリカのいくつかの州(ニューヨーク州やカリフォルニア州など)では、特定の条件を満たした「焼酎(Shochu)」を、ビールやワインと同じ「ソフトリカー」のライセンスで販売できる例外規定を設けているケースがあります。
この例外規定に当てはまるかどうかは、度数だけでなく、原材料やラベルに「Shochu」と明記されているかなど、細かな条件によって決まります。
バイヤーはリスクを避けるために「難しい」と言っているだけかもしれません。
自社の商品がその「例外」に該当しないか、客観的な情報源から突き止めることが大切です。
■ 手続きの流れ ── 社内で「アメリカ輸出の可否」を再調査するための4ステップ
ステップ1:商品の「HSコード」を確認する
── 世界共通の「商品の分類番号」です
まず、自社の焼酎がどの番号に分類されるかを確認しましょう。 焼酎であれば、通常は第22類「飲料、アルコール及び食酢」に分類されます。
このコードが確定していないと、バイヤーも現地の当局も「どの規制を適用すべきか」を正確に判断できません。 出発点として、最初に確認しておくべき事項です。
ステップ2:JETROの「品目別輸出ガイド」を確認する
── 日本語で読める、信頼性の高い情報源です
次に、JETRO(日本貿易振興機構)が公開している「品目別輸出ガイド(アルコール飲料)」を確認します。
ここには、アメリカ連邦政府の規制だけでなく、主要な州のライセンス制度やラベル表示の義務が、日本語で詳しく解説されています。
「焼酎に関する特例」の有無も、ここでチェックできます。
ステップ3:農林水産省のウェブサイトで成分・検疫条件を調べる
── お酒の「中身」がアメリカの基準に合っているかを確認します
農林水産省のウェブサイトでは、各国が日本産食品に求めている検疫条件や成分規格を検索できます。
お酒の場合、添加物や成分がアメリカの基準に合致しているか、また日本の法律上「輸出承認」が必要な品目に該当しないかも、あわせて確認が必要です。
ステップ4:バイヤーを通じて現地の州当局に「最終確認」をとる
── 仮説をもとに、専門家に直接聞くのが最も確実です
ステップ1〜3の調査をもとに、「この条件なら特例が受けられるのではないか?」という仮説を立てたら、それをバイヤーにぶつけます。
バイヤーに対し、現地の州の酒類管理委員会(ABC)などに「このHSコードと仕様の焼酎は、ソフトリカーのライセンスで扱えるか」を直接確認してもらいましょう。
これが、最も確実で迅速な解決策です。
3.よくあるミス・注意点
■ よくあるミス・注意点 ── 見落としがちな3つの落とし穴
落とし穴①:「Soju(ソジュ)」と「Shochu(焼酎)」を混同しない
アメリカの一部の州法では、韓国の「Soju」には特例が認められていても、日本の「Shochu」には適用されない、というケースが過去にありました。
現在では「Shochu」も認められる動きが広がっています。
しかし、ラベルの表記一つで適用される法律が変わることがあります。
名称の使い分けには、細心の注意が必要です。
落とし穴②:「バイヤーの主観」を信じすぎない
バイヤーも、すべての州法や最新の例外規定に精通しているわけではありません。
「度数が高い=売るのが面倒」という先入観で答えている可能性もあります。
公的資料という「裏付け」を持って、交渉に臨みましょう。
落とし穴③:「ラベルの規格」の確認を忘れない
度数や分類の問題をクリアしても、アメリカのTTB(連邦のアルコール・タバコ管理機関)が定めるラベル表示ルール(警告文の記載やフォントサイズなど)に違反していれば、港で輸入を差し止められます。
成分だけでなく、「見た目」の規制もセットで調査してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アメリカ輸出において、25度以上の焼酎は決して「禁じ手」ではありません。
HSコードを特定し、JETROや農林水産省の資料をフル活用して「州ごとの例外」を調べれば、道は必ず開けます。
とはいえ、こんなお悩みもあるかと思います。
「資料を読んでも、英語のニュアンスが難しくて確信が持てない」
「バイヤーを説得するために、もっと具体的な根拠がほしい」
「ラベル作成や輸出手続きの書類を、まとめてお任せしたい」
そのような場合は、ぜひ当事務所にご相談ください。
食品・お酒の輸出を専門とする行政書士として、最新の海外規制調査から書類作成まで、貴社の挑戦を実務面で強力にサポートいたします。
25度の壁を乗り越えて、こだわりの焼酎をアメリカの消費者に届けましょう。
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