「社長から『輸出に挑戦せよ』と命令されたけれど、調べれば調べるほど必要な書類が多くて途方に暮れている……」
「植物検疫に原産地証明? 役所に行く時間なんてないのに、どうやって取ればいいんだ!」
販売部長のみなさま、こんにちは。
慣れない輸出実務に加え、日々の業務に追われる中で、証明書の手続きまで抱え込むのは本当に大変なことだと思います。
でも、ご安心ください。
実は、輸出に必要な多くの証明書は、わざわざ役所の窓口に出向かなくても、オフィスにいながらオンライン(Web)で申請・取得することができます。
この記事を読めば、「どの書類を」「どこに」「どうやってWebで申し込むか」がわかります。
社長への進捗報告もスムーズにできるようになりますよ。
【この記事でわかること】
✔ 食品輸出に欠かせない「5つの主要証明書」と、それぞれの役割
✔ 役所に行かなくて済む! Web申請システムの使い方
✔「時間切れ」を防ぐための、申請タイミングと注意点
1.結論:Webで取得できます
■結論(まず答えをお伝えします)
役所に出向く時間がない忙しいみなさまは、次の3つのシステムを活用するのが正解です。
・農林水産省の共通申請システム「eMAFF(イーマフ)」
・輸出入申告システム「NACCS(ナックス)」
・日本商工会議所の専用サイト
これらを使えば、24時間いつでも申請が可能です。書類の不備による差し戻しのリスクも大幅に減らせます。
2.概要・手続きの流れ
■概要 そもそも、なぜ証明書が必要なの?
食品を外国に輸出するとき、相手国の政府から「その食品が安全であること」や「日本産であること」の証明を求められることがあります。
要するに、「この食品は信頼できますよ」という公的なお墨付きのことです。
主な証明書は5種類あります。ひとつずつ説明します。
①植物検疫証明書
野菜・果実・お茶・米などの植物に、害虫や病気が付いていないことを証明する書類です。
植物防疫所(国の機関)が発行します。
②輸出検疫証明書
牛肉・豚肉などの畜産物が、家畜の伝染病を広めるおそれがないことを証明する書類です。
動物検疫所が発行します。
③衛生証明書
清潔な認定施設で作られた食品であることを証明する書類です。
厚生労働省や農林水産省などが発行します。
④自由販売証明書
日本国内で普通に売られている、安全な食品であることを証明する書類です。
⑤原産地証明書
その商品が「日本産」であることを証明する書類です。
EPA(経済連携協定)という仕組みを使って関税(輸入にかかる税金)を安くする際に、とくに重要になります。
■手続きの流れ オフィスにいながら揃える3ステップ
ステップ1:相手国が求める「条件」を確認する
まずは、輸出先国のバイヤー(取引先)や農林水産省の「輸出入条件詳細情報」を通じて、自社の商品にどの証明書が必要かを調べましょう。
「なんとなく」で進めると、後から「この書類も必要だった!」とパニックになりやすいので、最初の確認がとても大切です。
ステップ2:オンライン申請システムのIDを取得する
次に、申請に使うシステムへの登録を行います。
商品の種類によって、使うシステムが違います。
農産物(植物検疫など)の場合:
農林水産省の「eMAFF(イーマフ)」に登録します。
畜産物(動物検疫)の場合:
電子メールや専用の電子システムを利用できます。
原産地証明書(EPA用)の場合:
日本商工会議所の「第三者証明制度」専用サイトに登録します。
どれも無料で登録でき、一度登録すれば次回以降もスムーズに使えます。
ステップ3:Webからデータを入力し、証明書を受け取る
各システムにログインして、インボイス(送り状)などの情報をもとに必要事項を入力します。
植物検疫などは、Web申請後に検査官が工場へ来て「現物検査」を行う場合もあります。
ただし、申請自体はオンラインで完結できます。
審査が終われば、証明書が郵送されたり、電子的に発行されたりします。
3.よくあるミス・注意点
初めての方が陥りやすい落とし穴を3つ紹介します。
注意① 「船積み後」の申請は絶対に間に合わない!
検疫証明書などは、輸出検査を受けた後でなければ発行されません。
とくに畜産物は、輸出よりも前に申請を済ませておく必要があります。
船が出てしまってからでは取り返しがつかないので、スケジュールの先読みが欠かせません。
注意② 「目視検査」の有効期限に気をつけて
植物防疫所の目視検査に合格しても、原則として検査から14日以内に輸出申告を行わないと、合格が取り消されてしまう場合があります。
Web申請でも、この期限は変わりません。
注意③ HSコードのズレに注意
HSコードとは、商品の種類を国際的に分類するための番号のことです。
原産地証明書や通関書類に書くこの番号が、相手国で認められたものと違っていると、証明書があっても関税が安くならないことがあります。
必ず事前に海外バイヤーへ確認しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
輸出証明書の取得は、一見すると「役所の窓口で長時間待たされる」イメージがあるかもしれません。
でも今は、デジタル化が進んでいます。
eMAFFやNACCSといったシステムを使いこなせば、販売部長であるあなたの貴重な時間を奪うことなく、手続きを進めることができます。
それでも、こんなお悩みが残る方もいらっしゃるかもしれません。
「システムの操作方法がよくわからない」
「自社の商品の場合、どの役所に何を聞けばいいか整理がつかない」
「社長に聞かれても、専門的すぎて説明に困る」
そのような場合は、ぜひ一度ご相談ください。
食品輸出を専門とする行政書士として、複雑な証明書申請の代行や、Webシステムの導入アドバイス、さらにはEPAを活用した関税削減の戦略立案まで、貴社の「輸出の第一歩」を全力でサポートいたします。
「役所に出向く時間はない。でも輸出を成功させたい」というみなさま、まずはお気軽にお問い合わせください。
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