海外バイヤーとの商談中、こんな場面に直面したことはありませんか?
「輸入関税を調べたいので、お宅の商品のHSコードを教えてください」
聞き慣れない言葉に戸惑い、回答が遅れて商談が流れてしまう……。
そんな「もったいない」状況を、この記事で解決します。
この記事を読めば、HSコードの正体を正しく理解できます。
そして、バイヤーへ自信を持って、迅速に回答できるようになります。
迅速な対応は、バイヤーからの信頼を勝ち取り、成約への大きな一歩になります。
【この記事でわかること】
✔ HSコードの仕組みと「世界共通のルール」とは何か
✔ バイヤーを待たせないための、具体的な3つの調査ステップ
✔「間違えると怖い」品目分類の落とし穴と、プロが教える回避策
1.結論:輸出者が調べて輸入先の税関で確認する
■ 結論(まず答えからお伝えします)
HSコードを特定する、最も確実で迅速な方法はこれです。
「まず日本の『輸出統計品目表』で世界共通の6桁を調べ、参考としてバイヤーに伝える。
そして、最終的な確認は相手国の税関にしてもらう」
この流れが、正しい手順です。
自社だけで「たぶんこれだろう」と独断で決めてしまうのは、実はリスクが非常に高い行為です。
その理由は、後ほど詳しく説明します。
2.概要・手続きの流れ
■ 概要(そもそもHSコードとは何か?)
「HSコード」という言葉、初めて聞いた方も多いと思います。
HSコードとは、商品につけられた「国際共通の品番」のようなものです。
世界160以上の国と地域が参加する「HS条約」というルールに基づいて決まっています。
つまり、「世界中の税関が共通で使っている商品の番号」です。
あらゆる商品はこの番号で分類され、輸入時にかかる関税率もこの番号をもとに決まります。
【コードの構造】
上6桁 → 世界共通の番号です。
7桁目以降 → 国によって細かく分かれます。
農林水産物や食品は、原則として「第1類(生きている動物)」から「第24類(タバコ)」のいずれかに分類されます。
たとえばこんな分類になっています。
・01類 → 生きている動物
・02類 → 肉
・19類 → お菓子、パン、麺類など
・21類 → 調味料、スープ、加工食品など
バイヤーがこの番号を欲しがるのは、あなたの商品が自国でどのグループに属し、いくらの関税がかかるかを正確に把握したいからです。
言いかえると、「この商品を仕入れたとき、いくらコストがかかるか」を知りたいのです。
■ 手続きの流れ(具体的な3ステップ)
「今すぐ教えてほしい」と言われたときの、実際の調べ方をご説明します。
【ステップ1】日本の税関ウェブサイトで「上6桁」を調べる
日本の税関が公開している「輸出統計品目表」を使います。
インターネットで「輸出統計品目表」と検索すると、税関の公式サイトが出てきます。
そこで、自社商品がどの分類に当てはまるかを探します。
たとえばお菓子なら、第19類「穀物、穀粉、でん粉又はミルクの調製品及びベーカリー製品」という区分から探していきます。
要するに、「どの棚に並ぶ商品か」を番号で探すイメージです。
【ステップ2】候補の番号を「参考」としてバイヤーに伝える
日本で見つけた上6桁の番号をバイヤーに送ります。
このとき、次の一言を必ず添えましょう。
「日本側の分類ではこの6桁(例:1905.31)が該当します。
ただし、貴国での最終的な分類番号(7桁目以降)は、現地の税関または通関業者にご確認ください」
この一言があるかどうかで、ビジネスの信頼感がまったく違ってきます。
【ステップ3】バイヤー経由で、現地の税関に確定させる
ここが最も重要なポイントです。
品目分類の最終決定権は、常に「輸入国(相手国)の税関」にあります。
要するに、「最後の判断は相手国が下す」ということです。
バイヤーに対し、現地の税関や通関業者を通じて、その番号で輸入可能か・関税率はいくらかを最終確認してもらうよう、丁寧に伝えましょう。
【補足】複雑な商品は、日本の税関の「事前教示制度」を使う
どの番号か確信が持てないほど複雑な加工食品の場合は、「事前教示制度」という仕組みを活用できます。
事前教示制度とは、税関に書類を提出して「この商品は何番になりますか?」と事前に確認し、文書で公式回答をもらえる制度です。
この回答には法的な効力があるため、後からトラブルになりにくく、非常に安心です。
3.よくあるミス・注意点
初めての方が陥りがちな「失敗パターン」を3つ紹介します。
事前に知っておくだけで、大きなリスクを避けられます。
【ミス1】「たぶんこれだ」という思い込みで決めてしまう
原材料の配合割合や製造方法(焼いているか・煮ているか・乾燥させているかなど)によって、HSコードは大きく変わります。
独断で間違った番号を伝えてしまうと……
・バイヤーが予想外の高い関税を払わされる
・最悪の場合、荷物が通関できずに送り返される
こうしたトラブルに発展することがあります。
【ミス2】「日本の番号=海外でもそのまま使える」と思い込む
世界共通なのは「上6桁」だけです。
7桁目以降は、国によってルールが異なります。
日本の輸出用コード(10桁)をそのままバイヤーに渡しても、相手国では意味をなさないことがあります。
必ず「6桁を参考として提示する」にとどめてください。
【ミス3】EPA(経済連携協定)の活用を忘れる
EPAとは、日本と特定の国の間で結ばれた「貿易を有利にする取り決め」のことです。
要するに、「この条約を使えば関税をゼロや低率にできる」というルールです。
HSコードが確定したら、そのコードでEPAが使えるかどうかも確認しましょう。
バイヤーに対して「このHSコードなら、EPAを使えば関税が安くなりますよ」と提案できると、商談がグッと有利に進みます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
HSコードは、海外取引における「共通言語」です。
この番号をスムーズに提示できるかどうかで、バイヤーはあなたの会社が「輸出に慣れた、信頼できるパートナーか」を判断しています。
この記事を読んでも、
・「自分の商品の具体的な番号がわからない」
・「複雑な原材料を使っていて分類に迷う」
という場合は、一人で悩まずにご相談ください。
食品輸出に精通した行政書士として、次のようなサポートが可能です。
・HSコード・関税率の調査
・EPAを活用した関税削減のご提案
・原産地証明書などの必要書類の作成
・税関への事前教示申請のサポート
「商談を成功させたい」「書類でつまずきたくない」という販売部長の方、まずはお気軽にお問い合わせください。
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