「客席10席くらいの小さなお店(スナック)を始めたい。
メニューはスーパーで買ったポテトチップスや、ちょっとした手作りのお惣菜。こんなに簡単なお店でも、あの『HACCP(ハサップ)』ってやつをやらないといけないの?」
こうしたご相談を、開業を検討されている方からよくいただきます。
「HACCP」という横文字だけで、「何だか難しそう……」「自分には無理かも……」と不安になってしまいますよね。
でも、ご安心ください。
じつは、小規模な飲食店が行うべきHACCPは、皆さんが想像しているよりもずっとシンプルです。
明日からでも始められるような内容なのです。
この記事を読めば、難しい専門用語に振り回されることなく、あなたのお店に必要な「正しい衛生管理のやり方」がはっきりとわかります。
無駄な不安を解消して、自信を持ってお店をオープンさせましょう。
【この記事でわかること】
✔ 10席のスナックや小さな飲食店でも「HACCP」が欠かせない理由
✔ 難しい計算は不要! 小規模店のための「簡略化されたHACCP」の中身
✔ 保健所から指摘されないために、今日から準備しておくべき「3つのステップ」
1.結論:小規模飲食店でも義務です
■結論(最初に答えをお伝えします)
客席の数やメニューの数に関わらず、食品を調理・提供する全ての飲食店に「HACCPに沿った衛生管理」が義務付けられています。
ただし、小規模な飲食店であれば、業界団体が作成した「手引書(てびきしょ)」を参考に進めることが認められています。
要するに、「計画を立てて、毎日の実施状況を記録する」という、シンプルな方法でOKなのです。
2.概要・手続きの流れ
■概要:そもそもHACCPって何?
「HACCP(ハサップ)」とは、食品の安全を守るための「衛生管理の手法」のことです。
要するに、「食中毒などの危険が起きないように、毎日チェックと記録をしましょう」という仕組みです。
以前は「大規模な工場がやるもの」というイメージが強かったのですが、令和3年(2021年)6月から、全ての食品等事業者に義務化されました。
お酒をメインに提供するスナックや、メニューが少ない喫茶店も含まれます。
「難しそう」と感じる原因のほとんどは、「何をすればよいかわからない」という不安からきています。
でも、小規模な飲食店に求められているのは、次の2つを実践することだけです。
【柱①】一般的な衛生管理
「お店を清潔に保つ」「手洗いを徹底する」「従業員の健康を毎日確認する」など、飲食店として当たり前の土台作りです。
【柱②】HACCPの考え方を取り入れた管理
「冷蔵庫の温度をチェックする」「お惣菜をしっかり加熱したか確認する」など、メニューに応じたポイント管理です。
スーパーで買ってきた包装済みの乾き物(ポテトチップスなど)を提供するだけであれば、食中毒のリスクは比較的低めです。
一方、「自家製のお惣菜」を調理して出す場合は、加熱や保存の管理がより重要になります。
■手続きの流れ:3ステップで進めましょう
「何をどうしたらよいかわからない」という方は、以下の3ステップで進めてください。
特別な資格も、新しい設備も必要ありません。
【ステップ1】自分に合った「手引書」を手に入れる
まずは、厚生労働省のホームページなどで公開されている「小規模な一般飲食店向けの手引書」を入手しましょう。
日本食品衛生協会などが作成したもので、無料で使えます。
これがあなたのガイドブックになります。
【ステップ2】「衛生管理計画」を作成する
手引書の中にある「ひな形(書き込み式のテンプレート)」を使い、自分のお店では「いつ」「誰が」「どうやって」衛生管理を行うかを決めます。
(記入例)
・冷蔵庫の温度を、毎日、始業前に確認する
・トイレの清掃は〇〇さんが担当する
このように、お店のルールを紙に書き出すだけでOKです。
【ステップ3】毎日チェックして「記録」を付ける
決めた計画通りに実行できているかを、毎日専用のシートに記録していきます。
「良・否」や温度の数値を書き込むだけです。
この「記録をつけて保存すること」こそが、HACCPの義務を果たすうえで最も大切なポイントです。
3.よくあるミス・注意点
【注意①】「うちは小さいから対象外」という思い込み
「10席しかないから」「おつまみを出すだけだから」という理由で何もしないのは、法律違反になります。
行政指導の対象になることもあります。
保健所の調査や、許可の更新時に「記録はありますか?」と確認されます。
何も提出できない場合、最悪のケースでは営業停止などの処分が下される可能性があります。
【注意②】「まとめて後で記録する」のはNG
記録は、その日・その時に残すことに意味があります。
1週間分をまとめて書くような運用では、万が一食中毒が起きた際に、お店を守る証拠になりません。
【注意③】「高価な機械が必要」という勘違い
HACCPはあくまで「管理のやり方(仕組み)」の話です。
現在の食品衛生法では、HACCPのために施設を改装したり、高価な殺菌装置を導入したりする義務はありません。
今ある設備の中で、どう衛生的に管理するかが問われています。
【注意④】「食品衛生責任者」を選任していない
HACCPを実施するうえで、必ず「食品衛生責任者(しょくひんえいせいせきにんしゃ)」を1名置く必要があります。
要するに、「衛生管理を担当する責任者」をお店に1人決めてください、ということです。
調理師免許などをお持ちでない場合は、保健所が実施する講習会(数時間程度)を受講することで取得できます。
開業準備の早い段階で手配しておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「HACCP」という言葉は難しく聞こえますが、その実体は「いつもの当たり前の掃除やチェックを、記録として見える化しましょう」という活動です。
この「記録」は、万が一お客様の体調不良などが起きた際に、「うちの店は毎日これだけ管理していました」という証明になります。
あなたのお店を守る、大切な盾になってくれるのです。
「手引書のどれを使えばよいかアドバイスがほしい」
「自分のお店のメニューに合わせた計画書の作り方を教えてほしい」
「書類作成はプロに任せて、メニュー作りや接客準備に集中したい」
もし一つでも当てはまることがあれば、お気軽にご相談ください。
食品行政の専門家である行政書士が、衛生管理計画の作成から運営のサポートまで、親身になってお手伝いいたします。
HACCPの準備や飲食店の開業でお困りの際は、まずはお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせは、下記からお願いします。
24時間以内に回答いたします。
行政書士には守秘義務がありますので、お問い合わせが公開されることはありません。
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