「アメリカ旅行で食べたあのチョコレート、すごく美味しかった! 日本でも個人で輸入して販売できないかな?」
そんな夢をお持ちの方、こんにちは。
食品輸入の手続きを専門にサポートしている行政書士です。
海外で見つけたお気に入りの食品を日本に紹介したい。
その気持ちは、新しいビジネスのすばらしいきっかけになります。
でも、いざ輸入しようとすると、こんな疑問が出てきませんか?
「個人でも手続きが必要なの?」
「サンプル程度なら届出はいらないのでは?」
「少量だから大丈夫と思っていたけど……」
このブログを読めば、「個人が食品を輸入して販売するには、法律上、何をしなければならないか」がはっきりわかります。
せっかく仕入れた商品が廃棄になってしまう、という悲しい事態を防ぐための知識を、わかりやすくお伝えします。
まず、この記事のポイントを確認しましょう。
【この記事でわかること】
✔ 「個人輸入」と「販売目的の輸入」はどう違うのか
✔ 「少量」「サンプル」でも届出が必要になる基準とは
✔ 輸入の届出から販売できるまでの具体的な流れ
1.結論:販売目的なら食品届出書は必要
■ 結論(最初にお伝えします)
アメリカで気に入ったチョコレートを日本で「販売する」「飲食店で提供する」などの目的で輸入する場合は、個人であっても、少量であっても、サンプル目的であっても、必ず「食品等輸入届出」が必要です。
「自分が食べるため」の輸入なら届出は不要です。
しかし「誰かに売るため・配るため」の輸入であれば、規模の大小にかかわらず、日本の食品衛生法というルールを守らなければなりません。
2.概要・手続きの流れ
■ 概要|「個人用」と「販売用」は、何が違うの?
食品の輸入には、大きく2つの区分があります。
1.届出が不要な「個人用」の輸入
輸入した本人が自分で食べる場合(自家消費)や、特定の知人へのお土産として持ち帰る場合は、厚生労働省への届出は必要ありません。
食べて何かあっても「自分の責任」という範囲内とみなされるためです。
2.届出が必要な「販売・営業用」の輸入
個人のかたであっても、以下のような目的で輸入する場合は、食品衛生法という法律に基づき、輸入のたびに国への届出が必要になります。
・メルカリやネットショップなどで販売する場合
・自分が経営する飲食店で料理に使う場合
・展示会などで不特定多数の人に試食として配る場合
ここで多い勘違いがあります。
「無料のサンプルだから届出はいらないでしょ?」
これは誤りです。
無料であっても、不特定多数の人に配布する場合(プレゼントキャンペーンなど)は、法律上「販売」に近い扱いとなり、届出が必要です。
要するに、「誰かに渡す目的があるなら届出が必要」と覚えておきましょう。
■ 手続きの流れ
では、実際にどのような手順で進めればよいのでしょうか。
チョコレートの輸入を例に、1ステップずつ説明します。
ステップ1:事前調査(これが最も重要!)
輸入する前に、そのチョコレートの「成分」を調べます。
具体的には、以下の2つの書類を海外のメーカーから取り寄せます。
・原材料表(成分表):どんな材料や添加物が使われているか
・製造工程表:どのように作られているか
この調査が不十分だと、後の手続きで問題が発生することがあります。
ステップ2:検疫所への相談
書類が揃ったら、輸入する港を管轄する「検疫所」に相談しましょう。
要するに、輸入食品のチェックを行う国の機関のことです。
「この添加物は日本で使えるの?」といった疑問を、無料で相談できます。
ステップ3:食品等輸入届出書の提出
商品が日本に到着したら、検疫所に「食品等輸入届出書」を提出します。
最近はオンライン(FAINSというシステム)でも申請が可能です。
ステップ4:審査・検査
検疫所が書類を審査し、必要に応じて現物の検査や試験検査が行われます。
ステップ5:届出済証の発行
審査に通ると「食品等輸入届出済証」が交付されます。
この書類があって初めて、税関での輸入手続き(通関)ができるようになります。
3.よくあるミス・注意点
初めて輸入を試みる方が失敗しやすいポイントをまとめました。
【注意1】日本で禁止されている添加物が含まれている
海外では問題なく使われていても、日本では使用が禁止されている添加物があります。(例:甘味料の一種「サイクラミン酸」など)
このような成分が含まれていた場合、少量であっても一切輸入できません。
事前の成分調査が欠かせない理由がここにあります。
【注意2】日本語のラベルが貼られていない
日本で販売する食品には、食品表示法という法律に基づき、日本語でのラベル表示が義務付けられています。
具体的には「名称・原材料・賞味期限・輸入者名」などを日本語で記載する必要があります。
輸入時点から準備しておきましょう。
【注意3】「お土産」をそのまま転売している
旅行から帰国する際にスーツケースに入れてきた食品は「個人用」として持ち込まれたものです。
それを後から販売するのは法律違反になります。
【注意4】不合格になった場合のコストが重い
届出をしないまま輸入したり、検査で不合格になったりした場合、商品を「廃棄する」か「海外に送り返す(積戻し)」ことになります。
この費用はすべて輸入者の負担です。
少量の輸入でも、このコストは決して小さくありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
個人で食品を輸入することは、決して不可能ではありません。
ただし「販売や営業目的ならば、個人でもサンプルでも届出が必要」というルールを知らないまま進めてしまうと、ビジネスが立ち行かなくなる可能性があります。
「輸入したい食品の成分表の見方がわからない」
「海外のメーカーに英語で書類を依頼するのが難しい」
「初めての届出で、何から始めればいいかわからない」
そのような場合は、一人で悩まずに、専門家への相談をおすすめします。
当事務所では、輸入前の原材料チェックから検疫所への届出代行、日本語ラベルのアドバイスまで、一貫してサポートしております。
せっかく見つけた素敵な食品を、安全・確実に日本の食卓へ届けるために、プロの力を活用してみませんか?
食品の輸入届出・輸入手続きでお困りの際は、お気軽にご相談ください。
あなたの挑戦を、心から応援しています。
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