「海外のメーカーと商談中なんだけど、『日本のHSコードを教えてくれ』と言われて困ってしまった……」
「HSコードってそもそも何? 自分の輸入したいお菓子はどう調べればいいの?」
初めて食品や菓子の輸入に挑戦しようとしている皆様、こんにちは。
食品輸入の手続きを専門にサポートしている行政書士です。
海外のサプライヤー(仕入先)との商談が進むと、必ずと言っていいほど出てくるのが「HSコード」という言葉です。
なんだか難しそうな専門用語に聞こえますが、じつは、輸入ビジネスを成功させるための「最も重要な共通言語」なのです。
このブログを読むことで、HSコードの正体がわかります。
そして「いくら関税がかかるのか」「輸入時にどんな検査が必要になるのか」を、ご自身で把握できるようになります。
思わぬ追加コストや輸入トラブルを、事前に防ぐことができるはずです。
まずは、この記事のポイントを確認しましょう。
【この記事でわかること】
✔ HSコードは世界共通の「商品の住所」であること
✔ HSコードによって「関税率」と「検疫ルール」が決まる仕組み
✔ 税関の「事前教示制度」を使ってミスなく番号を特定する方法
正しい知識を武器にして、サプライヤーとの交渉を有利に進めましょう。
1.結論:HSコードは世界共通の品目番号
■ 結論(まずは答えから)
HSコードとは、あらゆる商品を数字で分類した「世界共通の品目番号」です。
要するに、商品ごとに決められた「番号の名札」のようなものです。
日本での輸入手続きでは、この番号が決まることで、
・支払うべき「関税の率(税金の割合)」が確定する
・食品衛生法や動物検疫などの規制を受けるかどうかが判断できる
という2つの大切なことがわかります。
サプライヤーからこの番号を求められたら、「日本ではこの分類(番号)で通関する予定です」と正確に伝える必要があります。
2.概要・手続きの流れ
■ 概要
▼ HSコードの正体は?
HSコード(HS番号)は、「HS条約」という国際条約に基づいて作られた番号です。
要するに、世界中の商品を共通のルールで分類するために定められた、国際標準の番号体系のことです。
現在、世界中で広く利用されており、最初の6桁までは世界共通のルールで番号が割り振られています。
日本では、この世界共通の6桁に、日本独自の細分を加えた9桁の番号を使用しています。
(統計用の細分を含めると10桁になる場合もあります。)
この番号表を「実行関税率表」または「輸入統計品目表」と呼び、税関が管理しています。
▼ お菓子はどこに分類される?
お菓子といっても、原材料によって分類される場所が異なります。
お菓子が載っている「実行関税率表」の主な分類は、次のとおりです。
・第17類:糖類及び砂糖菓子
→ キャンデーやガムなど
・第18類:ココア及びその調製品
→ チョコレートなど
・第19類:穀物・穀粉・でん粉またはミルクの調製品
→ ビスケット、クッキー、パン、ケーキなど
・第21類:各種の調製食料品
→ その他のスナック菓子など
このように、「何が主成分か」によってHSコードが変わります。
そして、それに連動して税率や規制ルールも変わってきます。
■ 手続きの流れ
日本での輸入手続きにおいて、HSコードがどのように使われるのか、流れを追ってみましょう。
ステップ1:HSコードの特定
まず、輸入しようとするお菓子が「実行関税率表」のどの番号に該当するかを突き止めます。
これを「関税分類」と呼びます。
たとえば、正味重量が3kg以下の小売用容器に入った紅茶であれば「0902.30-010」というように、細かく枝分かれした表の中から最も適切な番号を選び出します。
ステップ2:関税率と他法令の確認
HSコードが特定できると、その番号に対応する「関税率(税金の割合)」がわかります。
また、その番号が「動物検疫」や「食品衛生法」の対象として指定されているかどうかも、この時点で判明します。
たとえば、お菓子の中にチーズや生乳成分が多く含まれている場合、HSコードによっては動物検疫所での検査と、輸出国の政府が発行する「衛生証明書」が必須になることがあります。
ステップ3:サプライヤーへの連絡
日本のルールで特定したHSコードを、海外のサプライヤーに伝えます。
サプライヤーはそれを見て、「その分類なら、この成分表が必要だ」「この証明書を準備できる」といった判断ができるようになります。
ステップ4:輸入申告書への記載
貨物が日本に到着した際、税関に提出する「輸入申告書」に、このHSコード(税番)と税額を記載します。
ここが正確でないと、税関での審査が止まってしまったり、後から「税金が足りない」と指摘されたりする原因になります。
3.よくあるミス・注意点
初心者が陥りやすい、HSコードに関する落とし穴をまとめました。
・「最初の6桁」だけで安心してしまう
海外と日本では、6桁目以降の細分(国内細分)が異なります。
海外のサプライヤーが「うちはこの番号で輸出している」と言っても、日本でも同じ税率が適用されるとは限りません。
必ず日本の「実行関税率表」で確認しましょう。
・成分のわずかな違いを軽く見てしまう
たとえばチョコレートの場合、ココアの含有量や砂糖の割合によってHSコードが分かれることがあります。
曖昧な自己判断は、誤った税率での申告(過少申告)につながり、重加算税などのペナルティを受けるリスクがあります。
・「お菓子だから検疫は関係ない」と思い込む
「お菓子に動物検疫なんて関係ない」と思っていませんか?
HSコードによっては、乳成分や卵成分を理由に、厳しい検疫が課される場合があります。
HSコードを調べることは、「そのお菓子が日本に輸入できるかどうか」を調べることと、ほぼ同義なのです。
・口頭での確認だけで済ませてしまう
税関に電話で問い合わせることもできますが、口頭での回答は「参考情報」に過ぎず、実際の通関時に保証されるものではありません。
確実を期すなら、「事前教示制度」を利用して、文書で回答をもらうのが最も安全です。
事前教示制度とは、税関に事前に商品の分類を書面で照会し、公式な回答を得られる制度のことです。
この文書を申告時に添付すれば、税関の審査がスムーズになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
HSコードは、単なる数字の羅列ではありません。
あなたの輸入したいお菓子が日本の港を無事に通過できるか、そしてビジネスとして利益が出るかを左右する、とても重要な番号なのです。
サプライヤーから「HSコードを教えて」と言われたら、「日本のルールをきちんと調べて、スムーズに受け取る準備をしてね」という合図だと捉えてください。
「実行関税率表を見ても、自分の商品がどこに入るかわからない」
「成分表をどう読み解いて分類すればいいのか不安」
「事前教示の書類をどう書けばいいのか教えてほしい」
そんなときは、ぜひ専門家である行政書士の知恵を活用してください。
当事務所では、複雑なお菓子の成分チェックから、適切なHSコードの特定、そして検疫所や税関への事前相談まで、貴社の輸入ビジネスが安全にスタートできるよう、全力でサポートいたします。
確かな分類が、確かな利益を生みます。
不安を解消して、自信を持って海外取引を始めましょう。
食品の輸入手続き・HSコードの確認でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
皆様のすばらしいお菓子が、日本の皆様に届く日を楽しみにしております!
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