地元経営者の集まりなどで、「最近、日本の食品の輸出が増えている」という話を耳にすることはありませんか?
丹精込めて造った自慢の日本酒を、「世界の人にも飲んでほしい」と考える経営者の方は多いはずです。
しかし、こんな不安を感じて、なかなか踏み出せないでいませんか?
「輸出用に日本酒を造るには、特別な免許が必要らしい……」
「うちはまだ生産規模が小さいから、無理かも……」
じつは令和3年(2021年)から、日本酒の輸出を強力に後押しする新しい免許制度がスタートしています。
この制度を知れば、「世界への挑戦」がぐっと現実味を帯びてきます。
この記事を読むことで、法的なトラブルを避けながら、自社の日本酒を世界へ届ける最短ルートが見えてきます。
【この記事でわかること】
✔「輸出用清酒製造免許」の驚くべきメリット
✔ この免許を取得するために守るべき「3つの鉄則」
✔ 申請から輸出開始までに必要な準備と流れ
1.輸出用清酒製造免許とは
まず知っておくべきは、「輸出用清酒製造免許」という新しい制度です。
通常の日本酒製造免許には、大きな「壁」があります。
それは、「年間で最低でも60キロリットル(一升瓶で約3万3千本分)以上、製造しなければならない」という基準です。
これから輸出専用のラインを作ろうとする経営者にとって、この数字は非常に高いハードルでした。
しかし、今回ご紹介する「輸出用免許」では、この製造量の基準が免除されます。
要するに、少量から造って輸出することが認められた免許、ということです。
「海外にどれだけ売れるかわからないのに、大量に造るのはリスクが大きすぎる」と感じていた経営者の方にとって、これは最大のメリットと言えるでしょう。
2.日本産のルールと輸出限定のルール
便利な免許ですが、その分、守らなければならない厳格なルールがあります。
特に重要なのは、「原材料」と「販売先」の2つの制限です。
【ルール① 原材料は100%国産米のみ】
この免許で造る日本酒は、米および米こうじに「国内産米」だけを使わなければなりません。
また、日本国内で製造し、瓶やパックへの詰め作業(容器詰め)まで国内で行う必要があります。
これは、「本物の日本酒(GI日本酒)」として世界にブランド価値を伝えるためのルールです。
【ルール② 国内販売は一切禁止】
ここが一番の注意点です。
この免許はあくまで「輸出用」です。国内の酒屋さんや一般の消費者への販売は、一切できません。
もし誤って国内で流通させてしまうと、免許条件の違反となり、取り消されてしまう恐れがあります。
ただし、例外もあります。
次のような場合は、国内への持ち出しが認められています。
・海外の取引先を見つけるための国内商談会への出品
・輸出を仲介する業者(商社)へのサンプル提供
・国税局が行う品質審査への出品
また、輸出する日本酒には酒税がかからない「輸出免税」という、税制上の大きなメリットもあります。
要するに、「海外に届けるための酒」として造るからこそ、さまざまな優遇が受けられる、ということです。
3.書類とラベルの準備
「よし、挑戦しよう!」と思ったとき、具体的に何を準備すればよいのでしょうか。
特に重要な準備を3つお伝えします。
【準備① 「輸出する意欲・実績」を示す書類】
審査では、「本当に輸出する計画があるか」が厳しくチェックされます。
これまでの食品輸出の経験や、海外の取引先・国内の輸出商社との契約書・取引承諾書などを用意する必要があります。「輸出する気がある」ことを、書類でしっかりと証明することが大切です。
【準備② 「醸造の技術・設備」を示す書類】
一定水準の品質のお酒を継続して造れるかどうかも審査されます。
醸造の知識がある人を雇用しているか、適切な機械・器具が揃っているかなどを書類で説明します。
【準備③ 輸出先の国に対応した「ラベル」の作成】
輸出する国の法律に合わせた表示ラベルを作らなければなりません。
また、日本の「清酒の製法品質表示基準」(どのように造られたかを示すルール)にも対応している必要があります。
輸出開始前に、ラベルのサンプル(外国語の場合は日本語訳も添付)を税務署に提出し、確認を受ける手続きがあります。
【申請から輸出開始までの流れ】
書類を揃えて、製造場所を管轄する税務署へ提出します。
審査には原則として約4か月かかります。
輸出の予定から逆算して、早めに準備に取りかかることが成功の秘訣です。
また、最近では「e-Tax(電子申告システム)」を使って、オンラインで申請できるようになっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
世界中で日本食ブームが広がる中、日本酒の人気はますます高まっています。
今回ご紹介した「輸出用清酒製造免許」を活用すれば、小さな規模からでも、自社のブランドを世界へ届けることが可能です。
とはいえ、専門的な書類の作成や税務署との細かな調整には、多くの時間と手間がかかります。
「うちの会社でも、この免許は取れるだろうか?」
「具体的に、どんな書類を集めればいい?」
「海外向けのラベル表示、これで問題ない?」
そんな不安や疑問をお持ちの経営者様は、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
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