海外のバイヤーから「日本産のウィスキーを扱いたい」という連絡が届いたら、それはとても大きなビジネスチャンスです。
日本産ウィスキーは今、世界中で人気が高まっています。輸出額は右肩上がりで、2021年には約461億円を記録しました。
これまで食品の輸出をメインにされてきた方にとって、お酒の輸出は「なんだか難しそう」と感じるかもしれません。
でも、ご安心ください。
正しい手順を踏めば、個人事業主の方でも免許を取得して、お酒の輸出ビジネスを始めることができます。
この記事では、「どんな免許が必要なのか」「審査を通るために何を準備すればよいのか」をわかりやすく解説します。
せっかくのチャンスを逃さないよう、今のうちに準備を始めましょう。
【この記事でわかること】
✔ お酒の輸出に必要な免許の名前と中身
✔ 審査をクリアするための3つの重要ポイント
✔ 申請から販売開始までの流れ
1.輸出入酒類卸売業免許
海外のバイヤーにお酒を売ってビジネスを行う場合、まず「輸出入酒類卸売業免許」を取得する必要があります。
少し長い名前ですが、要するに「自分が輸出するお酒を海外のバイヤーに販売するための許可証」のことです。
お酒の販売免許には、いくつか種類があります。
・一般のお客さんに直接販売する場合は「小売免許」。
・海外のバイヤー(お酒の販売業者)に継続的に販売する場合は「卸売免許」が必要です。
今回のケース、つまり「海外のバイヤーにウィスキーを売る」のは、後者の「卸売」にあたります。
以前は「年間で6キロリットル以上の販売見込みがないと申請できない」という厳しいルールがありました。
しかし現在はその基準が廃止され、以前よりも取得しやすくなっています。
食品輸出の経験をお持ちであれば、そのネットワークや実績をしっかりアピールすることができます。
2.審査での3つの重要ポイント
免許の申請は、あなたの事務所などがある場所を管轄する税務署に対して行います。
審査では、主に次の3つのポイントが確認されます。順番に見ていきましょう。
ポイント①:あなた自身に問題がないこと(人的要件)
まず、申請者本人の経歴や納税状況がチェックされます。具体的には、次の項目に「当てはまらないこと」が条件です。
・過去に酒税法などの免許を取り消されて、まだ3年が経っていない
・国税や地方税を滞納(支払いが遅れている状態)している
・罰金刑や拘禁刑(刑務所に入るような刑罰)を受けたことがある
要するに、「税金をきちんと納め、法律を守ってビジネスをしてきた人かどうか」が問われます。
ポイント②:経営の土台が安定していること(経営基礎要件)
「継続してお酒のビジネスを続けられる状態にあるか」も審査されます。
チェックされる主な点は次のとおりです。
・破産手続中で、まだ復権(権利が戻ること)を得ていない状態ではないこと
・直近の決算で、赤字の累積額が資本金の額を上回っていないこと
・お酒の卸売業を経営するのに十分な知識や能力を持っていること
「お酒の輸出は初めて」という方でも、食品輸出の経験があれば、それを「経営能力の証明」としてアピールする材料になります。
ポイント③:事務所や倉庫の場所が適切であること(場所的要件)
お酒を取り扱う場所についても確認があります。
たとえば、すでに別の人がお酒を販売している場所や、飲食店と同じ空間で申請することはできません。
事務所や倉庫のレイアウト図を作成して、「他の業務とはっきり区別されている」ことを証明する必要があります。
3.重視されるのは「取引の確実性」
税務署の審査で特に重視されるのが、「本当に輸出が行われるのか?」という点です。
そのため、申請時には「取引が確実であること」を示す書類の提出が求められます。
有効な書類の例としては、次のものが挙げられます。
・海外バイヤーとの「取引承諾書」や「契約書(案)」
・引き合いがあったことを示すメールのやり取り
「契約の細かい内容がまだ決まっていなくても、輸出が行われることが確実と認められれば免許が付与される可能性がある」とされています。
海外から引き合いが来ている今の状況は、まさに申請の絶好のタイミングです。
また、現在は国としても「日本産酒類の輸出促進」を強力に後押ししており、海外での商談会や販路開拓の支援も積極的に行っています。
追い風が吹いている今こそ、ぜひ動き出しましょう。
【免許取得までの流れ】
申請の手順は、大きく次の4ステップです。
①書類の準備
申請書、収支の見込み書、事務所の図面、納税証明書などを揃えます。
②税務署へ提出
作成した書類を管轄の税務署に提出します。
③審査
提出から免許交付までの標準的な審査期間は「約2か月」です。
④登録免許税の納付
審査に通ったら、1件につき9万円の登録免許税を納めます。これで免許取得となります。
なお、免許取得後は、お酒の仕入れや販売の内容を帳簿に記録・保存しておく義務が生じます。この点もあわせて覚えておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本産ウィスキーは、今や世界中のバイヤーが求める商品です。
食品輸出のノウハウをお持ちのあなたなら、お酒の免許を加えることで、ビジネスの幅を大きく広げることができます。
「書類が多くて、何から手をつければいいかわからない」
「自分の経歴で要件を満たしているか不安…」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
輸出入酒類卸売業免許の手続きに詳しい行政書士が、あなたの新しい挑戦を全力でサポートします。
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