· 

 失敗しない!ベトナム輸出の特定原産地証明、対比表作成3つのコツ

  

こんにちは。

  

輸出手続きを専門にしている行政書士です。

  

突然ですが、製造部長のあなた。

  

販売部長から「ベトナム向けの食品輸出で『対比表』を作ってくれ」と言われて、頭を抱えていませんか?

 

 

「対比表って、そもそも何?」 

「材料は日本産と中国産だけど、どう書けばいいの?」 

 

現場が混乱するのは当然のことです。 

 

依頼した販売部長本人もよくわかっていない……というのも、実は輸出の現場では「あるある」の話なのです。

 

このブログを読めば、難しい専門用語に振り回されることなく、ベトナム向け輸出に必要な「対比表」を正しく、スムーズに作成できるようになります。

 

結果として、商社やベトナムのバイヤーからの信頼も高まり、御社の商品がベトナムで選ばれ続ける強力な後押しになるはずです。 

 

【この記事でわかること】

 

「対比表」がなぜ必要なのか、その正体と役割

 

作成を始める前に現場で準備すべき「3つの資料」

 

日本産と中国産の材料をどう区別して記入するか、具体的な手順

 


1.対比表とは


 

まず結論からお伝えします。

 

対比表とは、こういう書類です。

 

「外国産の材料を使っているけれど、日本でこれだけしっかり加工しました。だから、この商品は『日本産』と認めてもらえますよね?」

 

これを税関に証明するための書類、それが対比表です。

 

 

なぜこれが必要なのでしょうか?

 

ベトナムに商品を輸出するとき、「日本産」と認められると、ベトナムの輸入関税が安くなる場合があります。

 

これが「EPA(経済連携協定)=国と国が結ぶ、貿易をしやすくするための約束ごと」の特典です。

 

でも、外国産の材料を使っていたら「日本産じゃないのでは?」と疑われてしまいます。

 

そこで、「いえ、日本でこれだけ本格的に加工したので日本産です」と証明するのが、対比表の役割なのです。

 

この判定に使われるのが「関税分類変更基準(CTCルール)」というしくみです。

 

少し難しく聞こえますが、要するにこういうことです。

 

原材料と完成品のそれぞれに「HSコード=商品を世界共通で分類するための番号」がついています。

 

この番号が材料と完成品とで大きく変わっていれば、「日本で実質的な加工をした」とみなされます。

 

例えば、中国産の原材料を使っていても、日本の工場でしっかり加工して、商品の番号が材料の番号と変わっていれば「日本産」として認められるわけです。

 

この「番号の変化」を一覧にまとめたものが、対比表です。 

 


2.現場の3種の神器


 

いきなり書類を書き始めてはいけません。

 

対比表を作るには、製造現場にしかない情報が不可欠です。

 

まずは以下の3つを揃えてください。

 

 

① 総部材表(BOM=その商品を作るための全原材料リスト)

 

その食品を作るために使っている、全ての原材料のリストです。

「何を、どれだけ使っているか」が一目でわかるものです。

 

 

② 製造工程表

 

原材料がどのような工程を経て最終製品になるのか、流れをまとめた図や表です。「日本で実質的な加工が行われたか」を説明するときに重要な証拠になります。

 

 

③ 各材料のHSコード(6桁以上)

 

ここが一番の踏ん張りどころです。

 完成品だけでなく、使っている全ての材料についても、それぞれのHSコードを調べる必要があります。

 

 

【注意点】

 

ベトナムとのEPAJVEPA)を使う場合、HSコードのバージョンが「2007年版」に基づいていることがあります。これは少し専門的な話ですので、迷ったときは商社や専門家に確認することをお勧めします。  

 


3.対比表の書き方


 

資料が揃ったら、いよいよ対比表の記入です。

 

ここが一番大事なポイントです。

 

その前に、一つ大きな誤解をお伝えします。

 

【「日本で買った材料=日本産」とは限らない】

 

ここを間違えると、後で大きなトラブルになります。

 

EPAのルールでは、「日本国内で仕入れた材料でも、それが本当に日本産かどうか」をきちんと確認しなければなりません。

 

確認できる書類(サプライヤー証明書など)がない限り、「原産性が未確認の材料」として扱うのが安全です。

 

では、それぞれの材料をどう扱うか、見ていきましょう。

 

 

■ 中国産の材料の場合

 

これは「非原産材料=日本産ではない材料」として扱います。

 

対比表では、「この中国産材料のHSコードが、完成品のHSコードと変わっていること」を示します。

 

 

■ 日本産の材料の場合

 

日本産であることを証明できる書類があれば「原産材料」として扱えます。

 

書類がなければ、念のため「非原産材料」として対比表に含めて処理するのが安全です。

 

 

【まとめるとこうなります】

 

中国産・確認できない材料のHSコードが、完成品のHSコードと「変わっている」ことが示せれば、その商品は「日本産」として認められます。

 

これが、対比表作成のゴールです。 

 

まとめ


いかがでしたでしょうか?

 

特定原産地証明書での対比表の作成は、一見すると事務作業のように見えます。

 

でも、その中身は「自社の製造技術と工程の証明」そのものです。

 

まずはこの3つから始めてください。 

 

 

販売部長に「どのEPA(ベトナムとの協定か、日アセアン協定か)を使うのか」を確認する

 

現場の製造工程表と原材料リストを、最新の状態に整える

 

材料ひとつひとつの「産地(どこ産か)」と「HSコード(番号)」を紐付けていく

 

 

 

「材料のHSコードがどうしてもわからない」

「この加工工程で本当に基準をクリアできているか不安だ」

 

そんなときは、無理に現場だけで判断せず、ぜひ専門家へご相談ください。

 

正しい対比表は、御社の技術と信頼を証明する大切な書類です。

 

一歩ずつ、確実に進めていきましょう。 

 

当事務所では、ベトナム向け輸出食品の原産性判定、対比表の作成代行、HSコードの精査に関するご相談を承っております。

 

「うちのケースではどうすればいい?」と気になった方は、お気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせは、下記からお願いします。

 

24時間以内に回答いたします。

 

行政書士には守秘義務がありますので、お問い合わせが公開されることはありません。