役所の広場で、楽しそうに営業しているキッチンカー。
「自分もあんな風に、好きな場所でお店を開いてみたい!」
そう思われた飲食店オーナー様も多いのではないでしょうか?
役所が営業を認めているということは、正しい手続きを踏めば、あなたもキッチンカーオーナーになれるということです。
ただし、キッチンカーの営業許可には、店舗とは違う独特のルールがあります。
ここを間違えると、「車を作ったのに許可が下りない!」という最悪の事態になりかねません。
この記事を読めば、こんなことがわかります。
【この記事でわかること】
✔ 申請から営業開始までの、具体的な4つのステップ
✔ メニューを左右する「給排水タンク」の重要ルール
✔ どこまで移動できる?営業エリアと許可の有効範囲
ぜひ最後までお読みください。
1.正しい手順、まず保健所への事前相談
キッチンカー営業を始めるための4つのステップをご説明します。
「よし、始めよう!」と思ったとき、最初にすることは何でしょうか?
「まず車を買いに行く」——じつは、それは間違いです。
最初にすべきことは「保健所への事前相談」です。
なぜかというと、キッチンカーは車内の限られたスペースに設備を詰め込みます。
一度作ってしまうと、後から手直しするのが非常に難しいのです。
「作ってから相談に行ったら、やり直しになってしまった」という失敗をしないよう、順番を守ることが大切です。
正しいステップは、次の4つです。
▶ ステップ① 事前相談
車を買う前、改造する前に、まず保健所に相談に行きます。
「どんなメニューを、どうやって作るか」を伝えて、必要な設備を確認しましょう。
このとき、車内のおおまかな設計図(手書きでも可)を持参すると、話がスムーズに進みます。
▶ ステップ② 申請書類の提出
設備が整ったら、営業開始の10日〜2週間前を目安に書類を提出します。
主に必要なものは、次の3点です。
・営業許可申請書
・車内の図面(どこに何の設備があるかを示したもの)
・食品衛生責任者の資格証明書(後述します)
▶ ステップ③ 施設検査
保健所の担当者が、実際に車を見て検査します。
「図面通りに設備が作られているか」「衛生的に問題がないか」を確認されます。
▶ ステップ④ 許可証の交付
検査に合格すると、後日「営業許可証」が交付されます。
これを受け取って、ようやく営業スタートです!
【補足】食品衛生責任者について
キッチンカーを営業するには、1台につき「食品衛生責任者」を1名置くことが義務付けられています。要するに、「食品の衛生管理に責任を持つ担当者」のことです。
調理師や栄養士の資格をお持ちであれば、そのままなれます。
お持ちでない場合は、都道府県が開催する講習会(1日程度)を受けることで取得できます。
2.「何を売るか」を決める、給排水タンクのルール
キッチンカーで特に重要な「水タンクの容量」のルールをご説明します。
キッチンカーの営業で、見落としがちだけれど最も重要なポイントがあります。
それが、「積み込む水の量(給排水タンクの容量)」です。
じつは、このタンクのサイズによって、「できる調理の内容」が決まります。法律でしっかりと決められているルールです。
「どんなメニューを売りたいか」によって、必要なタンクのサイズが変わります。
以下を参考に確認してみてください。
▶ 約40リットル(小さめのタンク)
・できること:既製品の盛り付け、温める・揚げるなどの簡単な調理
・販売品目:1種類のみ
・食器:使い捨てのものに限定
例)たこ焼き、焼きそば、ポテトなど、単品に絞った販売に向いています。
▶ 約80リットル(中くらいのタンク)
・できること:2工程程度の簡単な調理、複数メニューの提供
・食器:使い捨てが基本
例)複数のサイドメニューを組み合わせた販売に向いています。
▶ 約200リットル(大きめのタンク)
・できること:仕込みから調理まで複数の工程が必要なメニュー、通常の食器の使用
・大量に水を使う調理も可能
例)ランチ営業で定食スタイルを提供するような、本格的な営業に向いています。
【注意!】
「最初は小さいタンクで始めよう」と安易に決めてしまうと、後からメニューを増やしたくなった時に、許可を取り直さなければならなくなる場合があります。
将来的にどんなお店にしたいかをイメージしてから、タンク容量を決めることをおすすめします。
また、タンクは常に清潔に保つことが必要です。
「営業ごとに新鮮な水を補充する」「営業後は排水を適切に処理する」といった衛生管理も、しっかり守りましょう。
3.営業エリアのルール
キッチンカーの営業エリアに関するルールをご説明します。
「キッチンカーなら、日本中どこへでも移動して商売ができる!」そう思っていませんか?
じつは、それは半分正解で、半分は注意が必要です。
▶ 原則:許可は「都道府県ごと」に必要
営業許可は、基本的に「都道府県単位」で取得します。
例えば、東京都の保健所で許可を受けた場合、東京都内であればどこでも営業できます。しかし、そのまま神奈川県や埼玉県へ行って営業することはできません。
隣の県であっても、それぞれの保健所に申請して、それぞれの許可証を取得する必要があります。
▶ 例外:一部地域では「相互乗り入れ」が可能な場合も
最近は規制緩和の動きもあり、自治体同士が協力して、1枚の許可証で両方のエリアを営業できる「相互乗り入れ」の仕組みを設けている地域も増えています。
複数の都道府県をまたいで営業したい場合は、申請の際に保健所へ「相互乗り入れの制度はありますか?」と確認してみるとよいでしょう。
▶ 場所の「管理者」の許可も別途必要
公園、広場、商業施設の駐車場など、キッチンカーを置く場所を管理している方(管理者)の許可も、別途必要です。
保健所の許可だけでは、どこにでも停めて営業できるわけではない点に注意しましょう。
▶ 忘れずに掲示・携帯を
・営業許可証:車内に必ず備え付けること
・食品衛生責任者の氏名:車の外から見える場所に掲示すること
これらはルールで定められた義務です。忘れずに対応しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
キッチンカーは、お客様のいる場所へ自ら出向いていける、とても魅力的なビジネスです。
一方で、衛生管理や設備のルールは、店舗以上に細かく決まっています。
「知らなかった」では済まされないことも多いので、事前の確認がとても大切です。
・「自分の場合、タンクはどの容量が必要?」
・「図面の書き方がよくわからない」
・「他の県でも営業できるか調べてほしい」
こんな不安やご質問がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
食品営業許可の専門家として、あなたのキッチンカーデビューを全力でサポートします。
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