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失敗しない!食品サンプル輸入の3つの鉄則

  

アメリカの食品展示会で、素晴らしい食材に出会ったバイヤーの皆様へ。

 

「この冷凍イチゴ、ぜひ経営陣に食べてもらいたい!」

 

そう思って、いくつかを手荷物に入れて帰国したところ、空港の検疫所で没収されてしまった。

 

実は、こうした経験をされるバイヤーの方は、少なくありません。

 

「冷凍だから大丈夫だと思っていた」 

「数個だから問題ないと思っていた」

 

しかし、これは「運が悪かった」では済まされない話です。日本には「植物防疫法」という法律があり、それに基づく厳格なルールが存在します。

 

このブログでは、そのルールをわかりやすく説明します。次回の出張からは、法的に正しいサンプル調達ができるようになることを目指してください。

  

【この記事でわかること】

 

なぜ冷凍イチゴが没収されたのか?(植物防疫法の基本)

 

輸入に絶対必要な「検査証明書」と「輸入禁止品」の区別

 

知らないと怖い!法改正で強化された罰則と検査権限 

 


1.植物検疫


 

イチゴは植物です。ですから「動物検疫」ではなく「植物検疫」が適用されます。

 

「植物検疫」とは、簡単にいえば「海外の病気や害虫を、植物と一緒に日本に持ち込まないためのチェック」のことです。

 

根拠となる法律は「植物防疫法」といいます。

 

この法律の目的は、海外から恐ろしい病害虫が日本に侵入するのを防ぎ、日本の農業を守ることにあります。

 

もし強力な病害虫が国内でまん延してしまえば、日本の食料供給に重大な損害を与えてしまいます。

 

そのため、植物防疫官(空港などで検疫を担当する国家公務員のことです)は、非常に強い権限を持って検査を行っています。

 

ここで重要なのは、「冷凍されているから植物ではない」とはならない点です。

 

冷凍処理がされていても、日本の法律上は「植物(果実を含む)」として扱われる場合があります。「冷凍なら安全だろう」という思い込みが、没収につながるケースの多くを占めています。 

 


2.植物検疫証明書


 

次に、最も大事なポイントをお伝えします。

 

海外から植物を輸入(持ち込む)際には、輸出国の政府機関が発行した「検査証明書(植物検疫証明書)」が必要です。

 

「検査証明書」とは、輸出する国の政府が「この植物は病害虫の検査を受けており、安全です」と証明する公式な書類のことです。

 

たとえ自分たちで食べる試食用の数個であっても、この証明書がなければ、日本の空港で検査を受けられず、没収・廃棄処分となります。

 

さらに、注意が必要なケースがあります。

 

アメリカなどの特定の地域からは、コドリンガやミバエ類といった、日本には生息していない非常に危険な害虫が侵入するリスクがあります。そのため、特定の果実などが「輸入禁止品」に指定されている場合があります。

 

「輸入禁止品」とは文字どおり、日本への持ち込みが禁じられている品目のことです。試験研究など特別な許可がない限り、一般のバイヤーが持ち込むことは一切できません。検査証明書があっても、例外にはなりません。

 

今回のイチゴが没収された理由は、以下のいずれかに該当していた可能性が高いと考えられます。

 

・輸出国の政府が発行した「検査証明書」を持っていなかった

 

・そのイチゴが、病害虫侵入防止のために指定された「輸入禁止品」であった 

 


3.法改正で厳罰化


 

ここからが、特に注意していただきたいポイントです。

 

近年、植物防疫法が大きく改正されました(令和4年改正、令和54月施行)。以前よりもルールが厳しくなっています。

 

 

① 植物防疫官の検査権限が強化されました

 

以前は、旅行者が「何も持っていません」と申告すれば、それ以上の検査が難しい場面もありました。

 

しかし現在は、申告がなくても、防疫官が必要と判断すれば手荷物を検査し、質問できる権限が明確に定められています。「申告しなければバレない」という考え方は、通用しません。

 

 

② 罰則が非常に重くなりました

 

「たかがサンプル数個」と軽く考えてはいけません。

 

検査証明書を添付せずに輸入した場合、または検査を受けずに持ち込もうとした場合には、「3年以下の懲役、または100万円以下の罰金」という重い罰則が科される可能性があります。

 

実際に、空港で輸入禁止の果物を持ち込もうとした個人が逮捕・罰金刑となった事例も報告されています。

 

バイヤーとして会社の看板を背負っている以上、こうした法令違反は会社の社会的信用を傷つける「コンプライアンス違反」に直結します。個人の問題では済まない可能性があることを、念頭に置いておいてください。 

 

まとめ


いかがでしたでしょうか?

  

「あのおいしい冷凍イチゴを経営陣に食べてもらいたかった」という熱意は、バイヤーとして素晴らしいものです。

 

しかし国際ビジネスでは、「その国から、その品目を、その状態で日本に持ち込めるのか」を事前に確認することが不可欠です。

 

次回の海外視察の前には、以下のステップをお勧めします。

 

・農林水産省の「輸出入条件詳細」で、持ち込みたい品目を確認する

 

・現地のメーカーに「日本向けの検査証明書」を発行できるか確認する

 

・判断に迷ったら、行政書士または日本の植物防疫所に事前に相談する

 

 

「輸入できるはずだ」という思い込みは、没収だけでなく、逮捕のリスクさえ伴います。

 

正しい知識を持って、安全でスマートな買い付けを進めていただければ幸いです。 

 

今回の冷凍イチゴのように、「この商材を法的なトラブルなく日本に届けたい」とお考えの際は、ぜひ当事務所へお問い合わせください。

 

輸入手続のプロとして、バイヤーの皆様を全力でサポートいたします。

 

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