· 

輸出事後調査の対策!3つのポイントで不安解消

  

 こんにちは。食品の輸出入手続を専門にしている行政書士です。

  

自社の食品を海外に輸出する取引が順調に伸びているとのこと、素晴らしいですね!

  

そんな矢先に、税関から「事後調査(立入検査)を実施します」という連絡が届いた——。

  

「これまで正しく申告してきたはずなのに、なぜ?」 

「一体、何を調べられるんだろう?」 

 

そう不安に感じるのは、当然のことだと思います。 

 

でも、大丈夫です。 

 

この記事を読めば、調査の目的・当日の流れ・準備すべきことが整理され、落ち着いて調査当日を迎えられるようになります。 

 

【この記事でわかること】

 

「事後調査」は何のために行われ、どんな書類が調べられるのか

 

調査当日の具体的な流れと、事前通知への正しい対応方法

 

もし申告ミスが見つかった場合の手続きと、知っておくべきペナルティの仕組み 

 


1.事後調査の目的


 

最初に知っておいていただきたいのは、これは「怪しいから調べに来る」というものではない、ということです。

 

【調査の目的】

 

輸出に関する事後調査の目的は、輸出手続きが関税法などのルールに沿って正しく行われているかを確認し、企業自身が「適切な輸出管理体制」を整えられるよう促すことにあります。

 

要するに、犯人探しではなく、「御社の輸出管理が正しくできているか、一緒に確認しましょう」 という健康診断のようなものです。

  

 

【何を調べられるのか?】

 

税関の担当者が御社の事務所などを訪問し、輸出に関わる書類を直接確認します。

 

主な調査対象は以下のとおりです。

 

・輸出貨物の契約書

 

・仕入書(インボイス)

 

・船積書類などの貿易関係書類

 

・会計帳簿

 

・必要に応じて、取引先とのやり取りの記録

 

税関には法律上「質問検査権」という権利があり、帳簿や書類の提示・提出を求めることができます。

 

正当な理由なくこれを拒んだり、虚偽の回答をしたりすると、罰則の対象になる可能性もあります。誠実に対応することが、何より大切です。 

 


2.検査の流れと準備


 

「いきなり税関の人が来るの?」と心配されるかもしれませんが、原則として事前に連絡があります。

 

【事前通知と日程調整】

 

実地調査の前には、税関から電話などで「事前通知」が届きます。

 

調査の日時・場所・対象期間・目的などがこの時点で伝えられます。

 

指定された日が決算時期や重要会議と重なる場合は、理由を説明して日時の変更を相談することができます。

 

また、税関は準備に必要な時間的余裕を考慮して通知することになっています。

 

 

【当日の対応——「留置き(書類の預かり)」】

 

当日は複数の担当者が訪問することもあります。この場合、訪問人数も事前に教えてもらえるので確認しておきましょう。

 

調査の際、「コピーではなく、書類の原本をいったん持ち帰って精査したい」と言われることがあります。これを「留置き」といいます。

 

留置きはあくまで御社の承諾のうえで行われるもので、強制ではありません。

 

ただし、調査をスムーズに進めるため、協力するケースが一般的です。

 

預けた書類が必要になった場合には、返還を求めることもできます。

 

 

【書類の保存期間——管理部長として必ず確認を】

 

輸出関連書類には、法律で定められた「保存期間」があります。

 

たとえば、EPA(経済連携協定——関税を有利にする国際取引ルールのこと)を活用して輸出している場合、申告書類の写しや原産品であることを証明する記録は、作成日から4年間の保存が義務となっています。

 

また、輸入に関しては帳簿が7年間、書類・電子データが5年間の保存義務があります。

 

輸出と輸入の両方を行っている場合は、それぞれの期間をしっかり守って整理しておきましょう。 

 


3.もしミスが見つかったら


 

調査の結果、過去の申告に誤りが発覚した場合はどうなるのでしょうか。

 

【修正申告の勧奨(かんしょう)】

 

計算ミスなどで納めた税金が不足していた場合、税関から「修正申告」を勧められます。

これは「ご自身で申告内容を訂正してください」という手続きです。

 

応じるかどうかは任意ですが、応じない場合には税関が税額を決定する「更正」という行政処分が下されます。

 

 

【ペナルティ(加算税)は"タイミング"で変わる】

 

ここで大切なのは、修正のタイミングによってペナルティの重さが変わるという点です。

 

調査の通知を受ける前に自主的に修正申告した場合

→ 「過少申告加算税」はかかりません。

 

調査通知を受けた後に修正申告した場合

→ 新たに納める税額の 5% 相当の加算税がかかります。

 

調査が始まり、税関からミスを指摘された後に申告した場合

→ 新たに納める税額の 10%(金額によっては15%)の加算税がかかります。

 

さらに、書類を意図的に書き換えた(隠蔽)、または事実と異なる申告をした(仮装)と判断された場合は、「重加算税」として 3540% という非常に重い税金が課されます。

 

加えて、延滞税も発生します。

 

 

「間違いに気づいたら、調査が来る前に自主的に直す」

これがコスト面でも、信頼面でも、一番の対策です。 

 

まとめ


いかがでしたでしょうか?

  

事後調査の連絡が来ても、パニックになる必要はありません。

 

まずは、次の3ステップを確認してください。

 

① 保存書類のチェック

過去5年分程度の輸出関連書類(インボイス・契約書・船積書類)が、すぐに取り出せる状態で整理されているか確認しましょう。

 

② 社内のヒアリング

現場の担当者に、申告価格の計算に漏れがないかを再確認しましょう。たとえば、「無償で提供した原材料の費用が申告価格に含まれているか」なども見落としがちなポイントです。

 

③ 誠実な対応

税関からの事前通知には丁寧に応対し、当日は隠しごとをせず、協力的な姿勢を示すことが大切です。

 

税関の事後調査は、御社の輸出管理体制が正しく機能していることを確認する場です。

 

準備をきちんと整えれば、必要以上に恐れることはありません。

 

「調査の対応で何から手をつければいいかわからない」

「書類の整理や対応の段取りを一緒に確認してほしい」

 

そういった場合は、ぜひ一度ご相談ください。

 

輸出入手続に詳しい行政書士として、御社の状況に合わせた準備のサポートをいたします。

 

お問い合わせは、下記からお願いします。

 

24時間以内に回答いたします。

 

行政書士には守秘義務がありますので、お問い合わせが公開されることはありません。