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 B/L紛失!それでも原料を引き取る3つの手順

  

購買部長様、いつも工場の安定稼働のために、海外からの原料調達、本当にお疲れ様です。

 

船積書類を揃えていたら、いちばん大事なはずの書類が見当たらない……。

 

近日入港の連絡も届いているのに、どうしたらいいのか。

 

そんな状況で、頭が真っ白になっていませんか?

 

大丈夫です。

 

今回紛失してしまったB/L(船荷証券)は、ただの書類ではありません。

 

貨物を受け取るための「引換券」であり、売り買いもできる「有価証券」です。

 

これがなければ、船会社は原料を渡してくれません。

 

でも、安心してください。

 

B/Lを紛失しても、原料を工場に届ける方法はあります。

 

輸入手続に詳しい行政書士として、この状況を乗り越えるための手順をわかりやすく解説します。

 

 

【この記事でわかること】

 

B/Lなしで貨物を引き取る「保証状(L/G)」の使い方

 

紛失したB/Lを法的に無効にする「公示催告・除権決定」の流れ

 

今後、同じトラブルを繰り返さないための再発防止策 

 


1.保証状(L/G)


 

入港が迫っている今、いちばん大切なことは「生産ラインを止めないこと」です。

 

裁判所を使う手続きは後でできます。

 

まず原料を引き取るために、「保証状(L/G:レター・オブ・ギャランティ)」という書類を船会社に提出する方法があります。これを「L/G渡し」といいます。

 

簡単にいうと、「B/Lは今持っていないけれど、後から出てきたときの責任はきちんと取ります」と会社が約束することで、貨物を先に受け取れる仕組みです。

 

方法は主に2つあります。

 

方法:銀行と連名の保証状(Bank L/G)を入れる

 

貴社と取引銀行が連名でサインした保証状を、船会社に提出します。

 

銀行が「万が一の場合は私たちも責任を持ちます」と一緒に保証してくれるため、船会社も安心して貨物を渡してくれます。銀行に手数料はかかりますが、これがもっとも一般的な方法です。

 

 

方法:現金を担保として預ける(Cash Deposit

 

銀行保証が難しい場合は、貨物の価格の150%程度の現金を船会社に預け、貴社単独の保証状を出す方法もあります。

 

まずは、フォワーダーか船会社に電話して、「B/Lを紛失してしまいました。L/G渡しで対応できますか?」と相談してください。

 

これが原料を工場に届けるための、いちばん早い方法です。 

 


2.簡易裁判所への申し立て


 

貨物を引き取れたら一安心……ではありません。

 

B/Lは有価証券です。

 

万が一、紛失したB/Lを誰かが拾い、「この貨物は自分のものだ」と主張してきた場合、法的なトラブルになる可能性があります。

 

このリスクをなくすために行う手続きが、「公示催告(こうじさいこく)」と「除権決定(じょけんけってい)」です。

 

難しい言葉ですが、ひとことで言えば「裁判所に頼んで、紛失したB/Lを正式に無効にしてもらう手続き」です。

 

流れは次の3ステップです。

 

ステップ①:警察に届け出る

 

まず、最寄りの警察署に「遺失届(いしつとどけ)」を出し、「紛失届出証明書」を発行してもらいます。紛失した場所がわからなくても大丈夫です。

 

 

ステップ②:簡易裁判所に申し立てる

 

本船が到着した港を管轄する簡易裁判所に申し立てを行います。

 

裁判所は官報などに「このB/Lに権利のある人は名乗り出てください」という告知を掲載します。

 

 

ステップ③:除権決定を受け取る

 

申し立てから約44ヶ月半後、誰からも届出がなければ、裁判所がB/Lを正式に無効にする「除権決定」を下します。

 

この決定書があれば、紛失したB/L原本と同じ効力を持ちます。銀行に預けていた保証も、ここで解除してもらえます。

 

時間はかかりますが、この手続きを終えることで「後から誰かが現れるかもしれない」というリスクを法律的に消すことができます。

 

必ず、貨物の引取りと並行して進めてください。 

 


3.再発防止策


 

今回の件で、B/L紛失がどれほど大変な事態を引き起こすか、実感されたと思います。

 

銀行手数料、裁判所での数ヶ月の手続き、担当者の労力……コストは決して小さくありません。

 

今後のために、以下の対策を取り入れてください。

 

対策B/Lを分けて送ってもらう(Split Set

 

B/Lの原本は通常3通セットで発行されます。

輸出者に「1通目は今すぐ送り、2通目は数日後に別便で送ってほしい」と依頼しましょう。

これにより、1通が郵便事故などで届かなくても、残りの原本でスムーズに対応できます。

 

 

対策Waybill(海上運送状)の使用を検討する

 

長年取引のある輸出者やグループ会社間の取引であれば、「Waybill(ウェイビル)」という書類の使用も選択肢のひとつです。

 

Waybillは有価証券ではないため、原本がなくても本人確認ができれば貨物を引き取れます。

 

今回のような紛失リスクそのものをなくすことができます。 

 

まとめ


 いかがでしたでしょうか?

 

B/Lを紛失しても、正しい手順で動けば原料は必ず引き取れます。

 

法的なリスクも、「公示催告・除権決定」の手続きで取り除けます。

 

今すぐ、以下の3つを始めてください。

 

ステップ1:フォワーダーか船会社に連絡し、L/G渡しの手続きを確認する。

ステップ2:警察署に遺失届を出し、紛失届出証明書を受け取る。

ステップ3:公示催告の申し立て準備を始める(管轄の簡易裁判所を確認する)。

 

輸入通関やこうしたイレギュラーな事態への対応は、行政書士の得意分野です。

 

「保証状の書き方がわからない」

「税関からB/Lの提出を求められて困っている」

「手続きの順番を整理したい」

どんな小さなご相談でも構いません。

 

会社に大きな損害が出る前に、まず一度、当事務所へお気軽にお問い合わせください。

 

貴社の工場ラインの安定稼働を、全力でサポートいたします。 

 

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