自社製造食品の輸出、初成約おめでとうございます!
海外バイヤーから届いた信用状(L/C)を前に、「英語ばかりで何が重要かわからない…」と不安を感じておられませんか?
L/C(信用状)とは、銀行が輸入者(バイヤー)に代わって「条件を満たした書類が揃えば、代金を必ず支払います」と約束してくれる書類です。
うまく使えば、代金を回収できないリスクを大幅に減らせる非常に心強い仕組みです。
ただし、L/Cに記載された条件を正しく理解し、正確に手続きを進めなければ、「書類に不備がある」と銀行に判断されて代金が受け取れなくなることもあります。
この記事で、英語で書かれたL/Cのどこに注意すべきかが明確になり、落ち着いて対応できるようになります。
【この記事でわかること】
✔ L/Cを受け取ったら真っ先に確認すべきこと
✔ 「書類が1文字でも違う」と代金を受け取れない理由
✔ 「いつまでに船積みすればいいか」を正しく読む方法
1.契約書と「一言一句」合っているか
L/Cが届いたら、最初にすることがあります。
それは、海外バイヤーと結んだ「売買契約書」の内容とL/Cの記載が一致しているかどうかの確認です。
L/C取引では、銀行は「書類の内容」しか確認しません。
実際の食品の品質や状態は一切見ません。
書類がL/Cの条件と合っていれば支払い、合っていなければ支払いを拒否する、というルールです。
だからこそ、最初の段階でL/Cの内容が正しいかどうかをしっかり確認することが重要になります。
確認すべき主な項目は以下のとおりです。
・商品名・規格・数量
注文どおりの食品名、サイズ、個数になっているか
・金額(単価と総額)
契約書どおりの金額が記載されているか
・貿易条件(インコタームズ)
FOBやCIFなど、費用を誰がどこまで負担するかが、正しく記載されているか
・要求されている書類
インボイス(送り状)、船荷証券(B/L)、保険証券など、自社で準備できる書類かどうか
もし間違いがあったり、「製造が間に合わない」など自社では対応できない条件が含まれていたりする場合は、すぐにバイヤーへ「修正(アメンド)」を依頼してください。
修正には銀行やバイヤーなど関係者全員の合意が必要で、時間もかかります。
気づいた時点で、早めに動くことが大切です。
2.書類取引の原則
L/C取引には、「書類取引の原則」という絶対的なルールがあります。
これは、「銀行は書類の内容だけを確認し、食品の品質や実際の取引の状況には関与しない」というルールです。
銀行は食品の味や鮮度をチェックするのではなく、インボイスや船荷証券などの書類がL/Cの条件と完全に一致しているかだけを確認します。
そして、もし1箇所でもL/Cの指定と異なる点があると、「ディスクレパンシー(通称:ディスクレ)」と判断され、銀行は代金の支払いを拒否します。
ディスクレが発生すると、こんなトラブルになります。
・代金の回収が遅れる、または受け取れなくなる
・修正のために高額な手数料(ディスクレフィー)を引かれる
・バイヤーへの貨物の引き渡しも遅れてしまう
「これくらいなら大丈夫だろう」という思い込みは禁物です。
初めての輸出では、この「書類の完全一致」が最大の難関です。
書類作成は、細心の注意を払って進めてください。
3.日付と期限
L/Cには、2つの重要な期限が記載されています。
①船積期限(Shipment Date)
この日までに船に積み込まなければならない期限
②有効期限(Expiry Date)
この日までに銀行へ書類を提出しなければならない期限この期限を1日でも過ぎるとディスクレになり、銀行は書類を受け取ってくれません。
さらに注意が必要なのが、期間を表す英語の表現です。
国際的なルール(UCP600)により、以下のように解釈が決まっています。
・beginning(上旬):その月の1日〜10日
・middle(中旬):その月の11日〜20日
・end(下旬):その月の21日〜末日
・on or about(〜ごろ):指定日の前後5日、合計11日間
また、until/till/from/between/toなどの単語が期間を示すときは、記載された日も期間に含まれます。
食品には賞味期限があり、出荷スケジュールはどうしてもタイトになりがちです。
L/Cに記載されたこれらの用語を正しく読み解き、「本当に船積みできるスケジュールか」を製造現場や物流業者とすぐに共有することが成功の鍵です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した3つのポイントを振り返ります。
① L/Cを受け取ったら、まず売買契約書との内容一致を確認する
② 書類の文言は1文字でもL/Cと違うとディスクレになる
③ 船積期限・有効期限の英語表現を正しく読む
L/C決済は、正しく使えば代金回収のリスクを劇的に下げてくれる、非常に強力な仕組みです。
ただ、慣れない英語の書類を一人でチェックするのは大きなプレッシャーかと思います。
「このL/Cの条件で、本当に問題ないのか?」
「要求されている書類の書き方がわからない」
「ディスクレが起きてしまったら、どうすればいい?」
こうした不安を感じたときは、
ぜひ行政書士などの専門家にご相談ください。
当事務所では、輸出契約書の作成からL/Cのチェック、輸出に必要な各種許認可の手続きまで、
貴社の「初めての海外進出」を実務面からサポートいたします。
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