冷凍食品メーカーの販売部長さんへ。
海外バイヤーから「CIF New Yorkで価格を出してほしい」と言われて、こう思いませんでしたか?
「CIFって何?」
「どうやって運賃を調べればいいの?」
「見積もりに何を入れればいいの?」
初めての輸出商談では、知らない言葉や手続きが次々と出てきて、戸惑うのは当然です。
この記事では、食品の輸出手続きを専門とする行政書士が、そんな疑問をわかりやすく解説します。
【この記事でわかること】
✔ 運賃の見積もりは「誰に」頼めばよいか
✔ CIF価格に含めるべき「費用の項目」
✔ 冷凍食品ならではの「見落としやすいコスト」
まず「CIF」とは何かを確認しましょう
CIFとは、売り手(貴社)が「目的地の港まで」の費用をすべて負担する取引条件のことです。
具体的には、次の3つがセットになります。
・製品代金
・海上運賃(船で運ぶ費用)
・海上保険料(輸送中のリスクに備える保険)
つまりバイヤーは、ニューヨークの港に荷物が届くまでの費用を一切払わなくてよい、という条件です。
「CIF New York」と言われたら、「ニューヨークの港まで届けるための全費用を含んだ価格で出してほしい」という意味だと覚えておきましょう。
1.フォワーダー(貨物利用運送事業者)
「どこに運賃を聞けばいいの?」
答えは、フォワーダー(貨物利用運送事業者)です。
フォワーダーとは、貿易の輸送をまるごと手配してくれる「物流の専門家」のことです。
自分たちで船を持っているわけではありませんが、荷主(貴社)に代わって、船の手配から書類作成まで一括で対応してくれます。
初めての輸出で、自ら船会社に連絡して冷凍コンテナを手配するのは、正直なところとても難しいです。
まずはフォワーダーに相談するのが、最も確実な第一歩です。
フォワーダーに依頼するとこんなことをやってくれます。
・冷凍コンテナ(リーファーコンテナ)の手配
冷凍食品の輸送には、温度管理ができる特殊なコンテナが必要です。
フォワーダーはその扱いに慣れた船会社を選んでくれます。
・輸出書類のサポート
インボイス(商業送り状)やパッキングリスト(梱包明細書)など、輸出に必要な書類の作成をサポートしてくれます。
・少量の荷物でも対応可能
コンテナ1本を満たせない場合でも、他の荷主と荷物をまとめて送る「混載便」を提案してくれます。
まずは食品の輸出実績が豊富なフォワーダーを探して、「冷凍食品をニューヨークへ送りたい」と相談してみましょう。
2.基本運賃以外の費用
フォワーダーに見積もりを依頼するとき、気をつけてほしいことがあります。
海上運賃は「基本運賃だけ」ではないということです。
実際には、次のような追加料金が加わります。
・THC(ターミナル・ハンドリング・チャージ)
港での荷役作業にかかる費用です。
・BAF(燃料調整料)
燃料価格の変動に応じて加算される費用です。
これらがすべて含まれた「総額」で確認することが大切です。
また、現在のニューヨーク航路は、パナマ運河の水不足や紅海での混乱により、運賃が不安定な状況が続いています。
船が遠回りのルートを余儀なくされているため、輸送日数も延びています。
最新の運賃状況は、必ずフォワーダーに確認するようにしましょう。
海上保険についても、一言ふれておきます。
CIF条件では、貴社が保険をかけることが求められます。
一般的には最低限の補償内容(協会貨物約款C条件)が使われますが、冷凍食品は輸送期間が長く、品質リスクも高いため、より手厚い補償内容を検討することをおすすめします。
3.国内コストも忘れずに
工場出し値に海上運賃と海上保険料を足せばCIF価格になる、と思っていませんか?
実は、日本国内で発生する費用も見落とせません。
国土交通省の指針により、海上コンテナを陸上で運ぶトラック運賃は、通常のトラック運賃より約4割増とされています。
これは、空のコンテナを港から工場まで運び、荷を詰めてまた港に戻すという往復作業や、港での待機時間、特殊な車両が必要なためです。
冷凍コンテナは、港での待機中も電源が必要です。
そのため、通常のコンテナに比べて保管料が高くなる傾向があります。
ニューヨークまでの海上輸送は、1か月以上かかることも珍しくありません。
コールドチェーン(冷凍状態を保つ輸送管理)が途切れないよう、梱包資材や緩衝材の費用も、あらかじめ計算に入れておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
初めての輸出商談では、知らない用語や想定外のコストが出てきて、戸惑うことも多いと思います。
でも、信頼できるフォワーダーを1社見つけて、品目・数量・温度帯・出荷時期を伝えて見積もりを依頼すれば、CIF価格の全体像が見えてきます。
「CIF New Yorkでの成約」は、貴社の冷凍食品が世界最大の市場に届く大きなチャンスです。
ぜひ、その一歩を踏み出してみてください。
「何から手をつければよいかわからない」
「フォワーダーとのやり取りが不安」
「輸出に必要な書類って何?」
そんなお悩みがあれば、輸出手続きを専門とする行政書士にお気軽にご相談ください。
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