工場長から、新製品のために冷凍イカを輸入してほしいと頼まれた。
でも調べてみたら、なんだか難しい制度の対象品目らしい……。
いったい、どこから手をつければいいんだろう?」
食品メーカーの購買部長さんから、こういったご相談をいただくことが少なくありません。
結論から申し上げます。
冷凍イカの輸入は、決して不可能ではありません。
正しい順番と手続きを理解すれば、道は必ず開けます。
この記事では、初めて冷凍イカの輸入に取り組む方に向けて、知っておくべきポイントをわかりやすく整理しました。 輸入手続に詳しい行政書士がわかりやすくお伝えします。
【この記事でわかること】
✔ なぜ冷凍イカは自由に輸入できないのか、その理由
✔ 国への申請で踏むべき「2つのステップ」
✔ 初めてでも狙える「割当の枠」の取り方
1.冷凍イカはなぜ自由に輸入できないのか
まず、大前提として知っておいていただきたいことがあります。
冷凍イカは、「輸入割当(IQ:Import Quota)」という制度の対象品目です。
輸入割当とは、簡単にいうと「一定の数量までしか輸入を認めない」という国の仕組みです。
日本の水産資源を守り、国内の需要と供給のバランスを保つことを目的として、外国為替及び外国貿易法(外為法)という法律にもとづいて運用されています。
つまり冷凍イカは、国から「この数量まで輸入してよい」という許可の枠(=割当)をもらわない限り、1キロたりとも日本に持ち込むことができません。
「それは大変だ……」と感じるかもしれません。
でも、見方を変えれば、この「枠」さえ確保できてしまえば、輸入への道はほぼ半分クリアしたも同然です。
2.経済産業省への2段階の手続き
冷凍イカを輸入するには、経済産業大臣から「2つの許可」を順番に受ける必要があります。
この順番を間違えると、いくら準備を進めても輸入はできません。
【ステップ① 輸入割当(IQ)の取得】
まず経済産業省に対して、「この品目を、これだけの数量、輸入したい」という申請を行います。
申請が認められると、その数量分を輸入できる権利(割当)が得られます。
【ステップ② 輸入の承認】
割当を受けた後、さらに「輸入の承認」という手続きが必要です。
この承認が下りて初めて、法律上、冷凍イカを日本に持ち込む許可が正式に得られます。
そして最後に、税関で輸入承認証などの書類を提示して、通関の手続きを行います。
大切なのは、「①割当→②承認→通関」という順番を厳守することです。
①の割当なしに、②の承認を受けることはできません。
3.先着者割当という枠
「では、その割当の枠はどうやって手に入れるの?」
ここが最も気になるポイントではないでしょうか。
割当の方式には、大きく分けていくつかの種類があります。
・商社割当 → 過去に輸入実績のある商社などに優先配分される
・需要者割当 → 実際にイカを使う工場(需要者)に直接配分される
・先着順割当 → 受け付けた順に枠が埋まっていく
今回のように「初めて冷凍イカの輸入にチャレンジする」という場合、まず注目していただきたいのが「先着順割当」です。
先着順割当は、過去の輸入実績がなくても応募できる可能性があります。申請の期間内に、正しい書類をそろえて提出すれば、チャンスがあります。
この募集の情報(時期・必要書類・申請先など)は、原則として年1回、経済産業省から「輸入発表」という形で公表されます。
この発表の時期を見逃さないことが、プロジェクト成功への第一歩です。
補足:食品メーカーとして、忘れてはいけないこと
無事に割当の枠を確保できたとしても、食品としての関門がもう一つあります。
それが「食品衛生法」にもとづく手続きです。
販売や製造を目的として食品を輸入する場合、厚生労働省が管轄する検疫所に「食品等輸入届出書」を提出する必要があります。
原材料の一覧表や製造工程表など、安全性を証明する書類の準備も必要です。
さらに、新製品として販売する際には、「食品表示法」にもとづいた正しいラベル表示も求められます。
これらは工場長とも密に連携しながら、早めに準備を進めておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
冷凍イカの輸入は、一般的な品目に比べると、手順が多いことは確かです。
しかし、以下の3点を押さえれば、決して越えられない壁ではありません。
・冷凍イカはIQ品目であることをまず正しく理解する
・「割当→承認」という2段階の手続きを、順番どおりに進める
・先着順割当の募集時期を把握し、確実に応募する
「書類が多くて、自社に何が必要なのか整理できない」
「工場長と板挟みになっていて、もう一人では抱えきれない」
そんなときは、輸入手続きの専門家である行政書士へ、お気軽にご相談ください。
経済産業省・水産庁・検疫所などへの確認作業や、複雑な書類の作成を、あなたの代わりにしっかりサポートいたします。
新製品の開発を成功させるために、まずは現状の困りごとを、何でもお聞かせください。
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