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失敗しない!初めての貿易条件 3つの基礎知識

   

自社製品が海外バイヤーの目に留まり、いよいよ「価格を提示してほしい」と依頼がきた。

 

おめでとうございます。輸出への大きな一歩です。

  

ところが、バイヤーから届いたメールにはこんな一言が。

 「インコタームズに基づいて、オファーを出してください」

 ……インコタームズ? 何のことだろう?

 

そう感じた方のために、この記事を書きました。

 

最後まで読むと、インコタームズの正体がわかり、自信を持ってバイヤーへ回答できるようになります。

  

適切な条件を選べれば、予想外のコスト発生を防ぎ、自社の利益をしっかり守ることができます。

  

食品の輸出に詳しい専門家の行政書士がわかりやすくお伝えします。

  

【この記事でわかること】

 

インコタームズとは「誰が・どこまで・何の費用とリスクを負うか」を決めるルール

 

食品輸出でまず覚えるべき、代表的な3つの貿易条件(FOBCIFEXW

 

利益を守る見積書(プロフォーマ・インボイス)作成の3つの注意点 

 


1.インコタームズとは


 

貿易取引では、商品の代金のほかに、さまざまな費用が発生します。

 

たとえば——

 

・日本から港までの国内輸送費

・船に積み込む費用

・海上運賃(船賃)

・輸送中の保険料

・相手国での輸入関税

 

これらの費用を、売主(あなた)と買主(バイヤー)のどちらがどこまで払うのか。

 

それを決めるのが「インコタームズ(Incoterms)」です。

 

インコタームズは、国際商業会議所(ICC)が1936年に作ったルールです。

 

世界中の企業が同じ基準で使えるため、「解釈の行き違い」によるトラブルを防ぐことができます。現在は「インコタームズ2020」が最新版です。

 

バイヤーが「インコタームズに基づいてオファーを出してほしい」と言うのは、「費用負担のルールを明確にして、公平な取引をしたい」という意思表示です。

 

もしインコタームズを理解せずに価格を提示してしまうと、こんな事態になりかねません。

 

「あとから運賃も自社負担だったとわかり、利益がほぼ消えてしまった……」

インコタームズを正しく理解することは、利益を守るための最初の一歩です。 

 


2.3つの代表的な貿易条件


 

インコタームズは全部で11種類あります。

 

ただし、初めての食品輸出であれば、まず以下の3つを覚えるだけで十分です。

 

 

① FOB(エフ・オー・ビー)——「船に積んだところまで、私が責任を持ちます」

FOBは「Free on Board(本船渡し)」の略です。

 

日本の港で、指定された船に商品を積み込んだ時点で、費用とリスクが買主に移ります。

 

◎ 売主(あなた)の負担

→ 日本国内の輸送費・輸出通関費・船への積み込み費

◎ 買主(バイヤー)の負担

→ 海上運賃・保険料・相手国の輸入関税・相手国内の配送費

 

FOBは輸出統計にも使われる、最もポピュラーな条件のひとつです。

 

 

 

CIF(シー・アイ・エフ)——「相手国の港に着くまで、私が手配します」

CIFは「Cost, Insurance and Freight(運賃保険料込み)」の略です。

 

FOBに加えて、海上運賃と保険料まで、売主が負担する条件です。

 

◎ 売主(あなた)の負担

→ 日本国内費用 + 海上運賃 + 海上保険料

◎ 買主(バイヤー)の負担

→ 相手国の輸入関税・相手国内の配送費

 

バイヤーにとっては「自国の港まで届いたときの総額」がわかるため、比較検討しやすい条件です。初めての輸出では、よく使われる条件のひとつです。

 

 

 

EXW(イー・エックス・ダブリュー)——「工場で渡したら、あとはお任せします」

EXWは「Ex Works(工場渡し)」の略です。

 

あなたの工場や倉庫で商品を渡した時点で、すべての費用とリスクが買主に移ります。

 

◎ 売主(あなた)の負担

→ 商品の梱包・工場での引き渡しのみ

◎ 買主(バイヤー)の負担

→ 日本国内の輸送・船積み・海上運賃・保険料・関税まで、すべて買主が手配

 

売主にとっては最も手間がかかりません。

ただし、バイヤーが日本国内の輸送手配に不慣れな場合、敬遠されることもあります。

まずはFOBCIFで検討し、バイヤーの要望に合わせて条件を選ぶとよいでしょう。 

 


3.プロフォーマ・インボイス


 

バイヤーからオファーを求められたら、「プロフォーマ・インボイス(Proforma Invoice)」という形式で回答するのが一般的です。

 

プロフォーマ・インボイスとは、「正式発注前の見積請求書」のことです。

 

単なる価格リストではなく、将来の契約書代わりにもなる、とても重要な書類です。

 

見積書を作るとき、「国内の販売価格に少し上乗せすればいい」と考えていませんか?

 

それは危険です。輸出には、国内販売には発生しない費用が多くかかるからです。

 

たとえば——

・海外向けの特別な梱包費

・輸出書類の作成費用

・国内の港までの輸送費

・銀行の送金手数料

 

これらをしっかり積み上げて価格を計算しないと、利益が出ない見積書になってしまいます。

 

 

以下の3点を必ず確認してください。

 

① 貿易条件と場所を明記する

価格の横に「CIF Shanghai, Incoterms 2020」のように、どの条件で・どこまでの価格かを必ず書きます。これがないと、バイヤーとの認識がずれるもとになります。

 

 

② 有効期限を設定する

為替レートも海上運賃も、日々変わります。

「有効期限:〇月〇日まで」と記載し、価格の変動リスクから自社を守りましょう。

 

 

③ バイヤーの「最終的な負担額」を意識する

バイヤーが最終的に支払うのは「商品代+輸送費+保険料+関税」の合計です。

この総額が現地の市場価格と比べて競争力があるかどうか、意識して価格を設定することが、輸出成功のカギになります。 

 

まとめ


 いかがでしたでしょうか?

 

インコタームズは、最初は難しく感じるかもしれません。

 

でも、基本の3条件(FOBCIFEXW)と、見積書の3つの注意点を押さえるだけで、バイヤーとの交渉は驚くほどスムーズになります。

 

「自社の商品には、どの条件が最適なのか?」

「見積書を実際に作ってみたいが、どう書けばいいかわからない」

 

そんな疑問やお悩みがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

 

貿易契約の専門家として、皆さまの食品が安全に・確実に・利益を伴って海外へ届けられるよう、全力でサポートいたします。

 

 

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