食品メーカーの販売部長さま、こんにちは。
「これからは輸出で売上を伸ばすように」と社長から言われ、戸惑っていませんか?
国内販売しか経験がないのに、いきなり「輸出をやれ」と言われても、何から手をつければいいかわからないのは当然のことです。
さらに管理部から「信用調査は慎重に」とクギを刺されると、まだ会ったこともない海外の相手企業をどう評価すればいいのか、途方に暮れてしまいますよね。
この記事では、そんな部長さまのために、「初めての輸出で失敗しないための3つの対策」をわかりやすくお伝えします。
読み終わるころには、「相手の信用をどう調べるか」「どうやって安全に代金を受け取るか」という具体的な道筋が見えてきます。
管理部に対しても、「公的な制度を活用してリスク管理をしています」と自信を持って説明できるようになります。
輸出手続きと契約に詳しい行政書士が、わかりやすくご説明します。
【この記事でわかること】
✔ 専門機関を使った「失敗しない輸出先の信用調査の方法」
✔ 銀行に代金の支払いを保証してもらう「安全な決済の選び方」
✔ 相手国の政治リスクもカバーできる「貿易保険の賢い使い方」
1.信用調査
海外取引では、相手企業が本当に信頼できるかどうかを、自社だけで判断するのは非常に難しいことです。
国内であれば業界のつながりや評判で判断できることもありますが、海外の見知らぬ企業が相手では、そうはいきません。管理部を納得させるためにも、客観的なデータに基づいた調査が必要です。
まず、信用調査では最低限、次の4つの点を確認することが基本とされています。
・誠実さ……経営姿勢や法律を守っているかどうか
・財務の健全さ……自己資本はあるか、財政状態は安定しているか
・支払い能力……きちんと支払いができる力があるか
・相手国の安定性……その国の政治・経済に大きなリスクがないか
一方で、次のような特徴のある企業とは、取引に注意が必要です。
・会社としての実績がほとんどない
・ウェブサイトを持っていない
・連絡先がGmailなどの無料メールアドレスだけ
ただ、これらをすべて自社で調べるのは大変です。
そこでぜひ活用していただきたいのが、日本貿易保険(NEXI)の無料信用調査サービスです。
中小企業であれば、累計8件まで無料で海外企業の信用調査を依頼でき、専門家による「格付け」を取得することができます。
プロが調査した客観的なデータがあれば、管理部への報告もずっとスムーズになります。
2.銀行に保証してもらう仕組み
信用調査で問題がなかったとしても、海外取引では「代金が払われないリスク」は常にあります。国内のような「後払い」は、海外では極力避けるべきです。
おすすめの決済方法は、次の2つです。
① 信用状(L/C)決済を使う
信用状(L/C)とは、輸入側の銀行が「この企業に代わって、代金を確実に支払います」と保証してくれる書類のことです。
つまり、取引相手ではなく「銀行」が代金を保証してくれるため、相手が倒産しても代金を受け取れる、非常に安全性の高い決済方法です。
初めて輸出をする場合は、全額前払いか、このL/C決済を原則とすることをおすすめします。
② 相手がL/Cを嫌がる場合は「国際ファクタリング」を検討する
相手企業によっては、L/Cの手続きを面倒と感じて嫌がるケースもあります。そのような場合に使える手段が「国際ファクタリング」です。
難しく聞こえますが、簡単に言うと、「日本のファクタリング会社が、海外の提携会社を通じて輸入者の信用を保証し、万一の不払い時に代わりに代金を払ってくれる仕組み」です。
L/Cと同様に、代金回収のリスクを自社ではなく専門会社に肩代わりしてもらえるため、安心して商品を出荷できます。
3.貿易保険
どんなに優良な取引相手でも、その国で戦争や内乱が起きたり、外貨送金が制限されたりすれば、代金を受け取れなくなることがあります。これを「カントリーリスク」と言います。
このリスクをカバーしてくれるのが、日本貿易保険(NEXI)の「貿易保険」です。
貿易保険は、次の2種類のリスクを補償してくれます。
・非常危険……戦争、内乱、輸入禁止、送金遅延など、相手国の事情による損失
・信用危険……取引先の倒産や、3か月以上の支払い遅延など、相手企業の事情による損失
食品メーカーさまにとって使いやすいのが、「中小企業・農林水産業輸出代金保険」です。
船積み後に代金が回収できなくなるリスクを95%までカバーしてくれる保険で、手続きも比較的シンプルです。
保険料の目安としては、契約額1,000万円の場合、相手国のリスク区分にもよりますが、およそ6万3千円〜8万2千円程度(概算)となるケースもあります。
まずは「間接輸出」から始めるのも賢い選択です
いきなり自社ですべての輸出実務をこなす「直接輸出」は、人材やノウハウの面でハードルが高いと感じるかもしれません。
そのような場合は、最初は「間接輸出」から始める方法もあります。
間接輸出とは、国内の輸出商社などを通じて海外に販売する方法です。
取引の仕組みは国内販売とほとんど変わらず、代金も国内の商社から円で受け取れるため、為替リスクや代金回収リスクを大幅に減らすことができます。
「まずは輸出の実績をつくり、社長と管理部の両方を安心させる」という段階では、非常に有効な戦略です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
海外への販路拡大は、大きなチャンスです。
ただし、国内取引とは異なるリスクへの備えが必要です。
今回ご紹介した3つの対策をまとめると、次のとおりです。
✔ NEXIの無料サービスで、相手企業の信用を公的に確認する
✔ L/Cや国際ファクタリングを活用し、代金回収リスクを銀行や専門会社に肩代わりしてもらう
✔ 貿易保険に加入し、相手国のカントリーリスクからも自社を守る
この3段構えの対策を整えれば、部長さまが今感じておられる不安のほとんどは解消されるはずです。
輸出手続きや契約書の作成、リスク管理の仕組みづくりについてお困りのことがあれば、ぜひ行政書士にご相談ください。
貴社の状況に合った最適なプランを一緒に考え、安心して世界に踏み出せるよう、全力でサポートいたします。
まずは、ターゲットとしている国や、検討中のバイヤーについて、お気軽にお聞かせください。
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