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失敗しない!3種類の輸入オファーを見極めるコツ

 

 はじめて輸入契約の交渉を担当することになった購買部長様へ。

  

海外の仕入先から届く英語の条件は、慣れないと非常にとまどいますよね。

  

なかでも「Offer(オファー)」の種類を正しく理解していないと、気づかないうちに契約が成立してしまったり、逆に欲しい商品を他社に取られてしまったりするリスクがあります。

  

この記事では、仕入先から提示されることの多い3種類のオファーの違いを、わかりやすく整理します。読み終えたあとは、「どのオファーが来たら、どう動けばよいか」が自信を持って判断できるようになります。 

 

 

輸入契約と手続きに詳しい行政書士が、やさしく解説します。

 

  

【この記事でわかること】

  

期限内の返事が絶対条件「Firm Offer(確定申込み)」の注意点

  

在庫争奪戦で使われる「Prior Sale(売り切れ御免)」の仕組み

  

売主に最終決定権がある「Final Confirmation(確認条件付き)」の特徴

 

  

 

そもそも「オファー」って何?

 

 貿易取引では、まず買い手が「この商品を売ってほしい」と問い合わせ(引き合い)をするところから始まります。条件が具体的になってくると、仕入先から「この価格・この数量で売りますよ」という意思表示が届きます。

  

これが「オファー(申込み)」です。

  

そして、このオファーに対してあなたが「わかりました、その条件で買います」と返事をした瞬間、法的に契約が成立します。

 

ここで大切なのは、「どのオファーか」によって、契約が成立するタイミングやルールが異なるという点です。

 

 では、3種類のオファーを、大事な順に見ていきましょう。 

 


1.firm offer


  

最もよく使われる形式が、この Firm Offer(確定申込み)です。

 

簡単に言うと、「〇日までにこの条件で承諾するなら、売りますよ」という約束つきのオファーです。

 

■ 覚えておきたい3つのルール

 

①期限内は、仕入先も条件を変えられない

 

仕入先は、自分が設定した回答期限内は、勝手に価格を変えたり、申込みを取り消したりすることができません。

 

 

②「OK」と返事した瞬間に契約成立

 

期限内に「その条件で受け入れます」と返事をした時点で、自動的に契約が成立します。口頭でも、メールでも同じです。

 

 

③期限を1分でも過ぎたら無効

 

期限を過ぎてしまうと、そのオファーは原則として失効します。「少し遅れたけど大丈夫だろう」は通じません。

 

 

■ 実務でのポイント

 

仕入先から「Firm Offer」が届いたら、「この期限内に決断しなければならない」と受け取ってください。社内の意思決定フローを事前に確認しておくことが大切です。 

 


2.offer subject to prior sale


 

食品原材料のように在庫が限られている商品では、このオファーがよく使われます。

 

日本語では「先売り御免」や「売り切れ御免」と訳されます。

 

■ 仕組みはシンプル:早い者勝ち

 

複数の会社に同時に同じオファーを送り、一番早く「承諾」の返事をした会社と契約するという方式です。

 

あなたが「買います」と返事をしようとしたとき、すでに他社が先に承諾していれば、そのオファーは無効になります。

 

 

■ 実務でのポイント

 

この条件が提示された場合は、「迷っている間に他社に取られる」可能性があります。社内決裁に時間がかかる場合は、あらかじめ上長と方針を共有しておくことで、スムーズに動けます。 

 


3.offer subject to seller'S final confirmation


 

3つ目は「Seller's Final Confirmation(当方確認条件付き申込み)」で、通称「サブコン・オファー」と呼ばれます。

 

これは少し特殊で、一見オファーのように見えますが、まだ完全な申込みではありません。

 

■ どういう意味か?

あなたが「その条件で買います」と返事をしても、それだけでは契約は成立しません。

その後、さらに仕入先側が「確かに受け付けました(Final Confirmation)」と確認の連絡をして、はじめて契約が成立します。

 

■ 買い手にとって不安定な条件

承諾の返事を出した後でも、仕入先には「やはり契約しない」という決定権が残っています。

価格が急変しやすい商品や、在庫の最終確認が必要な商品でよく使われます。

 

■ 実務でのポイント

OK」を出した後でも、仕入先からの最終確認が来るまでは、発注確定とみなさないようにしましょう。確認の連絡が来るまで、次のステップ(製造計画など)を確定しないよう注意が必要です。

 

 

【番外編】知っておきたい「Counter Offer(逆申込み)」の落とし穴

交渉中に「もう少し価格を下げてほしい」「数量を変えたい」と返信したことはありませんか?

これは「Counter Offer(カウンター・オファー:逆申込み)」と呼ばれ、返信した瞬間に元のオファーは法的に消滅します。

 

たとえば「Firm Offer」が届いていても、あなたが条件変更を求めた瞬間に、その期限付きの約束は無効になります。

 

今度は、あなたから仕入先への新しい申込みという扱いに変わるのです。

 

仕入先が変更を断れば、元の条件でも買えなくなる可能性があります。条件変更の交渉は、慎重に進めましょう。 

 

まとめ


 いかがでしたでしょうか?

 

3つのオファーをまとめます。

 

Firm Offer:

期限内に承諾した瞬間に契約成立、期限を厳守して回答する

 

Prior Sale:  

最初に承諾した者と契約成立、スピードを優先して動く

 

Final Confirmation: 

仕入先の最終確認後に契約成立、仕入先からの「最終」確認の連絡を待つ

 

 

輸入実務は、契約の成立後も、決済・輸送・通関・関税の支払いなど、多くのステップが続きます。

 

「この英語の条件はどう解釈すればよいか?」

「契約書に落とし穴はないか、確認してほしい」

「初めての輸入で、何から手をつければよいかわからない」

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