海外バイヤーとの価格交渉で、こんな状況に陥っていませんか?
「LCL(小口混載)は運賃が高すぎる。でも、FCL(コンテナ一本)を埋めるほどの注文量でもない……」
いま、多くの食品メーカーの営業担当者が、まったく同じ壁にぶつかっています。
物流の混雑が続くなか、小口輸送の運賃は高止まりし、海外バイヤーへの価格提示がうまくいかない。
そんな状況を打開するための考え方と、具体的な対応策を、食品の輸出手続きに詳しい専門家の行政書士がわかりやすくお伝えします。
【この記事でわかること】
・なぜLCL運賃は今こんなに高いのか、その理由
・「航空便は高い」という思い込みを見直すと、道が開ける理由
・フォワーダー(輸送の専門業者)をうまく使って、運賃を抑える方法
そもそも、なぜこんなことが起きているのか?
まず、状況を整理しましょう。
海外バイヤーから「CFR(運賃込みの価格)で見積もりを出してほしい」と言われた場合、輸出側が海上運賃を負担することになります。
そこでフォワーダー(貨物の輸送手配を専門に行う業者)に運賃の見積もりを依頼したところ、「今はコンテナが足りていないので、特に小口のLCL(複数の荷主の荷物をまとめて一つのコンテナに積む方法)は割高になっています」と言われてしまった。
では、コンテナ一本まるごとを借り切るFCLに切り替えればいいのか、と言うと——海外バイヤーから「うちの注文量ではコンテナ一本は多すぎて買えない」と断られてしまう。
この板挟み状態を解決するための、3つの対応策を順番にお伝えします。
1.「航空便は高い」という思い込み
まず意外かもしれませんが、今の状況では航空輸送が選択肢に入ることがあります。
「海上輸送より航空便の方が運賃は高い」——これは一般論としては正しい。
でも、今は「LCLが異常に高い時期」です。差が縮まっているケースも実際にあります。
しかも、航空便には海上輸送にはないメリットがあります。
・輸送日数が大幅に短縮される(数週間→数日)
・鮮度が落ちにくいため、食品の品質を保ちやすい
・少量を何度も送れるため、バイヤー側が大量の在庫を抱えなくて済む
海外バイヤーへの提案を言い換えるとすれば、こんなイメージです。
「運賃は多少かかりますが、鮮度の良い商品を少量ずつお届けできます。在庫が余って廃棄になるリスクも減るので、トータルで見ると貴社にとってメリットがあります」
このように、運賃だけでなく「海外バイヤー側のメリット」を伝える視点が大切です。
2.フォワーダーと相談する
フォワーダーは、複数の荷主の荷物を集めてコンテナに詰め合わせるプロです。
「うちだけではコンテナ一本を埋められない」という場合でも、フォワーダーによっては、同じ仕向地(届け先の国・港)向けの荷物を持つ他社と荷物をまとめるサービスを提供していることがあります。
たとえば——
・同じ輸出先に送る他の食品メーカーと荷物を合わせ、コンテナを共同で使う
・市場や卸業者を経由して、青果物や加工食品と一緒に積み合わせる
こうした「賢い混載」をうまく活用できれば、LCLよりも割安にFCL輸送に近い条件を実現できる可能性があります。
海外バイヤーへの説明は、たとえばこのように伝えられます。
「自社単独ではコンテナ一本に届きませんが、物流パートナーのネットワークを活用して、他社の貨物と合わせてコストを抑えるルートを確保します」
「できません」ではなく「こうすれば実現できます」という姿勢を示せることが、交渉の場での大きな強みになります。
3.運賃の「内訳」
海外バイヤーが「なぜこんなに高いんだ」と疑問を持つのは自然なことです。
そのときに大切なのは、「高い」という結果だけを伝えるのではなく、「なぜ今この金額なのか」を説明できること。
海上運賃には、基本運賃のほかに様々な割増料金が上乗せされています。
代表的なものを挙げると——
・燃料費調整料金(BAF):
燃料価格が上がったぶんを運賃に上乗せするもの
・通貨変動調整料金(CAF):
為替の変動に応じて調整されるもの
・ターミナル取扱料金(THC):
港でのコンテナ取扱にかかる費用
・混載取扱料金(CFS Charge):
LCL貨物を仕分け・まとめる作業にかかる費用
さらに今の時期は、物流の混雑を理由とした「ピーク・シーズン割増」や「船混み割増」が加算されているケースも多くあります。
海外バイヤーに対しては、こんなふうに説明できると信頼感が増します。
「今の運賃が高い理由は、世界的な物流の逼迫による一時的な割増料金が含まれているためです。恣意的な価格ではなく、業界全体に共通している状況です」
根拠のある説明ができると、一方的な価格設定だという誤解を防げます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
物流は単なる「運ぶ手段」ではなく、成約を左右する販売戦略の一部です。
今回ご紹介した3つのポイントをまとめると——
・航空便の鮮度・スピードというメリットで、運賃の高さを「付加価値」に変える
・フォワーダーのネットワークを活用し、他社との混載でコストを抑える
・運賃の内訳を透明に説明し、バイヤーが納得できる交渉を進める
この3つを組み合わせることで、「LCLは高い、FCLは多すぎる」という膠着状態を打破できるはずです。
「自社の商品に合った混載ルートは、どうやって探せばいいのか?」
「どのフォワーダーに相談すればいいのか、よくわからない」
そんなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
食品の輸出手続きと物流構築に詳しい専門家として、成約に向けて全力でサポートいたします。
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