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失敗しないサレンダーB/L活用の3つの鉄則

  

 海外からの原材料の輸入を始めたばかりの方へ。

  

工場の操業スケジュールを守るために、「書類一枚で荷物が止まってしまわないか」と不安になるお気持ち、よくわかります。 

 

東南アジアの輸出者から突然「今後はサレンダーB/Lにします」と連絡が来て、戸惑っていませんか?

 

「そもそもサレンダーB/Lって何?」「原本がなくて、本当に荷物を引き取れるの?」

  

そんな疑問をお持ちの方のために、この記事ではサレンダーB/Lをわかりやすく解説します。

  

正しい知識を持って対応すれば、サレンダーB/Lは「荷物をスピーディーに引き取るための強い味方」になります。ぜひ最後までお読みください。専門家の行政書士がわかりやすくお伝えします。

  

 

【この記事でわかること】

  

・サレンダーB/Lの仕組みと、原本なしで荷物を引き取れる理由

  

・荷物を無事に引き取るための、具体的な手続きの流れ

  

・トラブルを防ぐための注意点と、さらに安心な「海上運送状」という選択肢  

 


1.サレンダーB/Lとは何か。


 

まず、一番の不安の種であるB/Lの原本が手元にないのに、荷物を引き取れるのか?」という疑問にお答えします。

 

結論から言えば、サレンダーB/Lであれば、原本がなくても問題ありません。

 

その理由を説明するために、まず「B/Lとは何か」をおさらいします。

 

B/L(ビー・エル)とは「船荷証券(ふなにしょうけん)」のことです。

 

荷物の引換券のような書類で、これを持っていないと荷物を受け取れない、という大事な書類です。

 

通常は、この原本を船会社の窓口に提示して、はじめて荷物を引き取ることができます。

 

ところが、東南アジアのような近距離の航路では、船が日本に着くのに35日しかかからないことがあります。それに対して、書類を国際郵便で送ると12週間かかることも珍しくありません。

 

つまり、船の方が書類より早く着いてしまうのです。これでは、書類が届くまで荷物が港で足止めになってしまいます。

 

この問題を解決するために生まれたのが「サレンダーB/L」です。日本語では「元地回収(もとちかいしゅう)」とも呼ばれます。

 

仕組みはシンプルです。

 

輸出者が現地(輸出国)の船会社にB/Lの原本を返却します。

 

船会社は「この荷物のB/L原本は回収済みです」という連絡を日本の支店に入れます。

 

これにより、日本側では原本なしで荷物を引き取ることができるようになります。

 

書類の到着を待たずに荷物を受け取れる。

 

工場の操業スケジュールを守りたい方にとって、これは大きなメリットです。 

 


2.荷物を引き取るためのステップ


 

では実際に、どのような流れで荷物を引き取るのかを見ていきましょう。

 

【ステップ】輸出者からコピーが届く

 

輸出者が現地の船会社にB/Lの原本を返却すると、B/Lのコピー(写し)に「Surrendered(サレンダード)」または「Telex Release(テレックス・リリース)」というスタンプが押されます。

 

このスタンプ付きのコピーが、PDFFAXで送られてきます。

 

 

【ステップ】船会社から到着案内が届く

 

船が日本に近づくと、船会社から「到着案内(Arrival Notice)」が届きます。

 

その案内に「Surrendered」などの記載があれば、原本なしで引き取れる状態です。

 

記載が見当たらない場合は、念のため船会社に確認しておきましょう。

 

 

【ステップ】荷物引取書類(D/O)を受け取る

 

スタンプ入りのB/Lコピーと、運賃などの諸費用を日本の船会社(またはその代理店)に支払います。すると「荷物指図書(D/O:ディー・オー)」という書類を発行してもらえます。

 

このD/Oが、荷物を倉庫から出してもらうための最終的な鍵です。

 

あとは、通関手続きを経て、トラックで工場へ運ぶだけです。

 

B/Lの原本が国際郵便で届くのを数日間待つ必要がないため、最短のスケジュールで工場を動かすことができます。

  


3.注意点


 

非常に便利なサレンダーB/Lですが、万能ではありません。

 

以下の点には注意が必要です。

 

【注意①】代金の支払方法との相性

 

サレンダーB/Lは、B/L原本が本来持っている「代金と引き換えに荷物を渡す」という担保機能が失われています。そのため、銀行を通じた「信用状(L/C)取引」には向いていません。

 

サレンダーB/Lは、信頼関係のある取引先との「送金決済」で使われるのが一般的です。

 

決済方法がL/C取引の場合は、事前に確認が必要です。

 

 

【注意②】船会社間の連絡の行き違い

 

輸出地の船会社から日本の船会社への「回収済み」という連絡がうまく届かないと、確認が取れるまで荷物が止まってしまうことがあります。

 

到着案内が来たら、荷物の引き取りより前に、念のため船会社に「サレンダー処理は完了していますか?」と確認しておくと安心です。

 

【さらに安心したい方へ:「海上運送状(Sea Waybill)」という選択肢】

 

今後も継続的に輸入される予定があるなら、「海上運送状(シー・ウェイビル)」への切り替えも検討してみてください。

 

海上運送状とは、サレンダーB/Lと同じく「原本なしで荷物を引き取れる」書類ですが、日本の商法でも正式に規定されている公式な書類です。

 

サレンダーB/Lはあくまで実務上の便宜的な取扱いですが、海上運送状は法的な根拠がはっきりしているため、万が一トラブルが起きたときにも解決の基準が明確です。より安心・安全な選択肢といえます。

 

まとめ


 いかがでしたでしょうか?

 

サレンダーB/Lは、近距離航路の輸入でよく使われる、荷物をスピーディーに引き取るための便利な仕組みです。

 

原本が手元に届かなくても慌てる必要はありません。スタンプ付きのコピーをしっかり受け取り、日本の船会社と連携を取れば、問題なく荷物を引き取ることができます。

 

ただ、輸入を始めたばかりの頃は、書類の文言ひとつでも不安になるものです。

 

「このB/Lの記載で本当に通関できるのか?」

「万が一、荷物が港で止まったらどうすればいい?」

「海上運送状に切り替えたほうがいいのか?」

 

こうした疑問やお悩みは、ぜひ輸入手続きの専門家である行政書士にご相談ください。

 

貴社の海外原材料の輸入が、安定した工場操業の土台となるよう、専門的な立場からサポートいたします。

 

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