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CIFオファーと海上保険の基本——バイヤーに「保険付きで出し直して」と言われたとき

   

海外バイヤーから「CFRC&F)ではなく、CIFで出し直してほしい」と言われて、こんな疑問を感じていませんか?

  

「そもそもCIFCFRは何が違うの?」「海上保険って、どんな補償なの?」「保険料って、いくらかかるの?」

  

この記事では、海上保険の知識がない食品メーカーの販売部長様でも迷わず読み進められるよう、基礎からわかりやすく説明します。 

 

記事を読み終えたあとには、CIFでの再オファーを、自信を持って提示できるようになります。 

 

 

【この記事でわかること】

  

CIFCFRC&F)の「決定的な違い」

  

海上保険の補償内容と「条件の選び方」

  

保険料を計算するときの「110%ルール」  

  


1.CIFとCFRは何が違う?


 

まず、用語の整理からです。

 

CFRC&F)とは、「商品代金+運賃」を売主(日本のメーカー)が負担する条件です。英語では "Cost and Freight"、つまり「代金と運賃」という意味です。

 

 

 

一方、CIF(シーアイエフ)とは、CFRに「保険料(Insurance)」が加わった条件です。 

英語では "Cost, Insurance and Freight"、「代金・保険料・運賃」の頭文字をとっています。

 

つまり、CFRCIFの違いは、「売主が保険料も負担するかどうか」のたった一点です。

 

では、リスク(輸送中の事故による損失の責任)はどうなるのでしょうか。

 

じつは、CIFでも、商品が船に積まれた時点で、リスクは買主(海外バイヤー)に移ります。 

CFRと変わりません。

 

ただし、CIFでは「買主が負うことになるリスク」に対して、売主があらかじめ保険をかけてあげる義務があります。

 

バイヤーが「CIFにしてほしい」と言った背景には、今回のご相談の通り、「自国では保険の仕組みが整っていない」「保険料が高くて自分では加入しにくい」といった事情があります。

 

日本の売主が信頼できる保険会社と契約することは、バイヤーにとって大きな安心材料になるのです。 

 


2.保険の補償範囲


 

海上保険を契約するとき、「どこまでの損害を補償するか」を選ばなければなりません。これを「損害填補条件(そんがいてんぽじょうけん)」といいます。

 

世界標準として使われているのが、「新協会貨物約款(ICC)」に基づく次の3つの条件です。

 

 

ICCA条件):全危険担保(All Risks

補償範囲が最も広い条件です。火災・沈没・衝突はもちろん、水濡れ・破損・盗難まで幅広くカバーします。食品のような傷みやすい貨物には、A条件が推奨されることが多いです。

 

 

ICCB条件):分損担保

主要な事故(火災・沈没・衝突など)と一部の海水濡れをカバーしますが、盗難や破損は含まれません。

 

 

ICCC条件):分損不担保

 補償範囲が最も限定的な条件です。火災・沈没・衝突のような大きな事故のみをカバーします。

 

 

ここで大切なポイントがあります。

 

インコタームズ2020(国際的な貿易条件のルールブック)では、CIFで売主に義務付けられている保険は、最低限の補償である「C条件」で構いません。

 

ただし、今回のバイヤーのように保険に不安を持っている場合は、「A条件にしてほしい」と求めてくることがあります。

 

どちらの条件で手配するかは、オファーを出す前にバイヤーと確認しておくことが大切です。

 

後でトラブルにならないよう、合意した内容を契約書に明記することも忘れずに。 

 


3.保険料の計算


 

保険料の計算に、難しい知識は必要ありません。「110%ルール」一つを覚えておけば大丈夫です。

 

 

■ なぜ「110%」なのか?

海上保険では、万が一の事故が起きたとき、商品の原価だけでなく「本来得られるはずだった利益」も補償するために、CIF価格(商品代金+運賃+保険料)に10%を上乗せした金額を保険金額として設定するのが国際的な慣習です。

 

 

■ 保険料の計算式

保険料 = 保険金額(CIF価格 × 1.1× 保険料率

 

【具体例】

商品代金+運賃:100万円

保険料率:0.2%(保険会社により異なります)

保険金額:100万円 × 1.1110万円

保険料:110万円 × 0.2% = 2,200

 

 

■ 実務でのポイント

CIF価格には保険料そのものも含まれるため、厳密に計算しようとすると複雑になります。

 

しかし実務では、フォワーダー(輸送の手配をする業者)や保険会社に「商品代金と運賃の金額」を伝えれば、正確な保険料を出してもらえます。

 

まずは概算をつかむために上記の計算式を使い、詳細は専門業者に確認するのが現実的なやり方です。  

 

まとめ


 いかがでしたでしょうか?

 

CIFは、一見すると売主の負担が増える条件に見えます。

 

しかし日本で適切な保険を手配することで、輸送中のトラブルが起きたときにバイヤーとの間で紛争になるリスクを大幅に下げることができます。

 

この記事の3つのポイントをまとめます。

 

CIFCFRに「保険料の負担」が加わった条件

 

補償範囲はバイヤーと事前に相談する(最低C条件、食品ならA条件が安心)

 

保険料は「CIF価格の110%」を保険金額として計算する

 

この3点を押さえておけば、CIFでの再オファーは難しくありません。

 

 

「具体的な特約(戦争危険、ストライキ危険など)はどうすればいい?」

「保険会社はどう選べばいい?」

CIF契約書への記載方法を確認したい」

 

このような、より踏み込んだ実務についても、当事務所ではアドバイスを行っております。

 

輸出契約書の作成や保険証券の手配に関するお手続きで、少しでも不安がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

貴社の食品輸出を、契約・手続の両面から全力でサポートいたします。

 

 

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