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引き合いとオファー、引き合い書に書くべき3つの項目

  

 

海外の仕入先に問い合わせを送っても、なかなかオファー(見積もり)が返ってこない——。製造ラインの計画にも影響が出てきて、焦るお気持ちはよくわかります。

 

 

じつは、その原因の多くは「引き合い書の書き方」にあります。

 

 

相手が見積もりを出せるだけの情報が揃っていないと、どんなに丁寧なメールを送っても、返事は来ません。

 

 

この記事では、食品輸入の契約に詳しい行政書士が、「相手がすぐに動いてくれる引き合い書の書き方」と「オファーから契約成立までの正しい流れ」をわかりやすくお伝えします。

 

 

【この記事でわかること】

 

✔ 海外の仕入先がオファーを出しやすくなる、引き合い書の3つの必須項目

 

✔ 「引き合い」から「成約(契約成立)」までの正しいステップ

 

✔ 契約前に確認しておくべき「支払い方法」と「配送条件」の基本 

 


1.引き合い書に書くべき「3つの必須項目」


 

引き合い書(インクワイアリー・シート)とは、輸入したい商品の条件を海外の仕入先に伝えるための書類です。

 

仕入先は、この書類をもとに「いくらで売れるか(輸出採算)」を計算します。

 

つまり、引き合い書の内容が漠然としていると、相手は計算ができず、オファーを出しようがないのです。

 

では、何を書けばいいのか。大きく分けて3つあります。

 

 

① 品質:

どんな商品が欲しいのかを具体的に伝える

 

「小麦粉が欲しい」「果汁が欲しい」だけでは、相手は何を送ればいいかわかりません。

 

品質を伝える方法には、主に次の3つがあります。

 

・見本売買:

先にサンプルを送ってもらい、「これと同じものを送ってほしい」と伝える方法です。初めての取引先には特におすすめです。

 

・仕様書売買:

成分表やカタログなど、詳細な仕様書を用意して「この条件を満たすものを送ってほしい」と伝える方法です。

 

・銘柄・商標売買:

世界的に有名なブランドや商標名を指定して注文する方法です。

 

農産物のように収穫ごとに品質が変わるものは、「標準品質(FAQ)」を基準とする方法もあります。

 

 

② 数量:

「何を」「どれだけ」欲しいかを数字で伝える

 

「たくさん欲しい」ではなく、具体的な数量と単位を書いてください。

 

重量で指定する場合は、注意が必要です。

 

梱包材を含めた重さを「総重量(グロス・ウェイト)」、中身だけの重さを「純量(ネット・ウェイト)」といいます。

 

どちらで指定するかを明確にしないと、輸送費の計算がずれてしまい、相手は正確な見積もりを出せません。

 

 

 

③ 価格・貿易条件:

「いくらで」「誰が何を負担するか」を明確にする

 

価格を伝えるときは、通貨(日本円か米ドルかなど)を指定する必要があります。

 

さらに重要なのが、「インコタームズ(貿易条件)」の指定です。

 

インコタームズとは、「どこで商品を引き渡すか」「運賃・保険料はどちらが負担するか」「事故があったときの責任はどこで切り替わるか」を決める国際ルールです。

 

よく使われるのは次の2つです。

 

・FOB(本船渡し):

輸出国の港で船に積み込まれるまでの費用を、売り手(仕入先)が負担します。それ以降の運賃・保険は買い手(あなたの会社)の負担です。

 

 

・CIF(運賃保険料込み):

日本の到着港までの運賃と保険料を、売り手が負担します。買い手にとっては費用の見通しが立てやすい条件です。

 

このインコタームズを指定することで、相手はようやく正確な見積もりを計算できるようになります。 

 


2.オファーから契約成立まで


 

 

引き合い書を送り、相手からオファーが届いたら、次はどうすればいいのでしょうか。

 

 

流れは大きく3つのステップに分かれます。

 

 

 

ステップ1:オファー(申込み)を受け取る

 

仕入先から「この商品を、この価格・この条件で売ります」という意思表示がオファーです。多くの場合、「〇月〇日まで有効」という期限付きの「確定オファー(Firm Offer)」で届きます。期限内に返事をしないと、オファーは無効になるので注意してください。

 

 

 

ステップ2:承諾(アクセプタンス)で契約成立

 

オファーの内容をそのまま受け入れれば、その時点で契約成立です。ただし、「無条件・無修正」で受け入れることが条件です。「価格をもう少し下げてほしい」「納期を早めてほしい」などの条件を付け加えると、それは「承諾」ではなく、「カウンター・オファー(逆申込み)」となります。

 

 

 

ステップ3:カウンター・オファー(条件の交渉)

 

カウンター・オファーを出した時点で、元のオファーは消滅します。今度は相手が新しい条件を受け入れるかどうかを判断する番です。

 

 

このやり取りを繰り返し、最終的に双方が「無条件・無修正」で合意したときに、はじめて契約が成立します。 

 


3.支払方法と配送条件


 

契約成立の前に、もう2つ確認しておくべきことがあります。

 

① 支払い方法(決済条件):

食品輸入でよく使われる支払い方法には、銀行送金と信用状(L/C)があります。

 

信用状(L/C)とは、銀行が「買い手に代わって支払いを保証する」仕組みです。

 

初めての取引先でも、銀行が間に入ることでお互いに安心して取引を進められます。

 

どの方法が自社に合っているか、取引銀行にも相談しておくといいでしょう。

 

 

② 配送条件(船積時期と証明書類):

「〇月中に船積みすること」のように、船積みの時期も取り決めます。

 

約束通りに積み込まれたかどうかは、船会社が発行する「船荷証券(B/L)」などの書類の日付で確認します。

 

この書類は、代金の支払いとも深く関係しているため、非常に重要な書類です。 

 

まとめ


 いかがでしたでしょうか? 

海外の仕入先からオファーが来ない原因は、多くの場合、引き合い書の情報不足にあります。

 

・品質の指定方法(見本・仕様書・銘柄)

・数量と単位(総重量か、NET重量か)

・通貨とインコタームズ(FOB・CIFなど)

 

この3つを明確に書くだけで、相手の対応は大きく変わります。

 

また、食品の原材料を輸入する場合は、引き合いを出す前の段階で、日本の食品衛生法などの法律に基づく輸入許可が必要かどうかも確認しておくことをおすすめします。

 

「引き合い書を作ってみたけれど、これで十分だろうか?」 「相手から提示された条件が、自社に不利ではないか心配だ」そんなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

 

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