「初めて食品を輸出して、無事に出荷が終わった!」とホッとしたのも束の間——。
海外のバイヤーから英語でメールが届きました。Please send the shipping documents.
(船積書類を送ってください)。
「船積書類って、具体的に何のこと?」「どのファイルを、どうやって送ればいい?」
初めての輸出でこう戸惑うのは、まったく当然のことです。
この記事では、そんな疑問をひとつひとつ丁寧に解説していきます。
読み終わる頃には、「何を・なぜ・どう送ればよいか」が整理されて、自信を持ってバイヤーへ書類を送れるようになっているはずです。
【この記事でわかること】
✔ 船積書類の正体と、なぜ必要なのか
✔ 輸出者が必ず用意すべき「基本の3点セット」
✔ 食品輸出だからこそ注意したい「証明書」のポイント
1.インボイスとパッキングリスト
バイヤーが「船積書類を送って」と言うとき、ほぼ必ず含まれているのが次の2つです。
①インボイス(Invoice)/仕入書:
インボイスとは、輸出者がバイヤーに発行する「商品の明細書+請求書」です。
具体的には、以下の内容が記載されます。
・誰から誰へ送るのか(輸出者・輸入者の情報)
・どんな商品を、何個、いくらで送るのか(品名・数量・単価・合計額)
・どのような取引条件なのか(Incotermsなど)
インボイスは通関手続きの際にも税関へ必ず提出する、書類の中でもっとも重要なものです。まずここから確認しましょう。
②パッキングリスト(Packing List)/梱包明細書:
パッキングリストとは、「貨物の中身と梱包の詳細を記した書類」です。
・何個の箱に入っているか
・それぞれの箱の重さ(正味重量・総重量)とサイズ
・箱の外側に付いているマーク(ケースマーク)
バイヤーは現地で荷物を受け取ったとき、このパッキングリストと照らし合わせて「注文通りの商品が届いているか」を確認します。
この2つがまだ手元にない場合は、フォワーダー(貨物の運送を取り扱う業者)に相談しながら一緒に作成することもできます。
まずは「書類が揃っているか」を確認するところから始めましょう。
2.B/LまたはAWB
出荷が完了すると、運送会社から発行される書類があります。
この書類が、「荷物を確かに預かりました」という証拠になります。
①B/L(船荷証券)/Bill of Lading:
船便で送る場合に、船会社から発行されます。
B/Lは単なる受領証ではありません。
これを持っている人だけが現地の港で荷物を引き取れるという、非常に重要な性質を持った書類です(法律的には「有価証券」の一種です)。
バイヤーはこの書類(または電子データ)を受け取るまで、荷物を港から引き取ることができません。
②AWB(航空運送状)/Air Waybill:
航空便で送る場合に発行されます。
B/Lとは異なり転売はできませんが、「この荷物を運ぶ契約を結んだ」という証拠書類として重要な役割を果たします。
これらは出荷完了後に運送業者から受け取り、インボイス・パッキングリストとセットにして、バイヤーへ送るのが一般的な流れです。
3.食品ならではの検疫・衛生証明書
食品の輸出が他の製品と大きく違うのは、「食べても安全であること」を書類で証明しなければならない点です。
この証明書を用意し忘れると、現地の税関で荷物が止まってしまいます。
最悪の場合、そのまま廃棄されてしまうこともあります。
①動植物検疫証明書:
生の果物・野菜・肉製品などを輸出する場合、日本の検疫機関(動物検疫所・植物防疫所)で検査を受け、「病害虫がいない」という証明書を取得する必要があります。
タイへ肉製品を送る場合 → 動物検疫証明書
リンゴなどの青果を送る場合 → 植物検疫証明書
輸出先の国と品目によって、必要な証明書が変わります。事前に必ず確認しましょう。
②衛生証明書(Health Certificate):
加工食品や水産物などの場合、バイヤーから「衛生証明書」を求められることがよくあります。
これは「日本の衛生基準を守って製造された食品である」ことを公的に証明するものです。
発行機関は保健所や地方厚生局など、食品の種類・輸出先によって異なります。
バイヤーの「船積書類を送って」というメールには、これらの証明書も含まれている可能性があります。
メールの内容が曖昧なときは、「どの書類が必要ですか?」と確認するひと手間を惜しまないことが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
食品の輸出では、必要な書類が相手国のルールや食品の種類によって細かく変わります。
「自分の商品にはどの証明書が必要?」「書類の書き方が正しいか不安…」そんなときは、一人で悩まずにぜひご相談ください。
行政書士は、食品輸出に関する書類作成・手続きのサポートを行っています。
「まず何から始めれば?」という段階のご相談も、もちろん歓迎です。
あなたの食品が、世界の人々に無事に届くよう、全力でサポートします。
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