初めての輸入商談、おめでとうございます!
海外の取引先(輸出者)から「支払いはL/C(信用状)でお願いします」と言われ、とまどっていませんか?
「L/Cって何?」「自分は何をすればいいの?」——初めてのときは、誰でもそう感じます。
食品の輸入手続を専門に扱う行政書士として、これまで多くの事業者様から同じご相談をいただいてきました。
L/Cは一見難しそうですが、ポイントさえ押さえれば大丈夫です。
この記事では「L/Cとは何か」から「初心者が特に気をつけるべき注意点」まで、やさしく解説します。
食品輸入ならではの注意点もあわせてご紹介します。
【この記事でわかること】
✔ L/C(信用状)の正体は「銀行が発行する支払いの保証書」だということ
✔ L/C取引では「書類がすべて」——銀行は食品の中身を確認しないということ
✔ 初心者が必ず知っておくべき「ディスクレ(書類の不一致)」リスクと3つの対策
1.l/C(信用状)の正体
L/C(Letter of Credit:信用状)とは、輸入者であるあなたの依頼を受けて、あなたの取引銀行が海外の輸出者に対して発行する「代金支払いの保証状」のことです。
◎ なぜ輸出者はL/Cを求めるの?
輸出者にとって最もこわいのは「商品を船に乗せて送ったのに、お金を払ってもらえない」リスクです。
そこで銀行が登場します。
銀行が「もし輸入者が払えなくても、私たちが代わりに必ず支払います」と保証することで、輸出者は安心して出荷できるようになります。
◎ あなた(輸入者)にもメリットがあります
L/Cを使うと、「輸出者が契約通りの書類を揃えて銀行に提出しない限り、お金は支払われない」というルールが働きます。
「商品が届いていないのに代金だけ取られた」という最悪の事態を防ぐことができます。
2.書類取引の原則
ここが、初心者の方がいちばん誤解しやすいポイントです。
L/C取引には「書類取引の原則」という鉄のルールがあります。
⚠️ 銀行は「書類の内容」だけを確認します。
食品が腐っていないか、品質が正しいかなど、実物の商品については一切チェックしません。
銀行が確認するのは、インボイス(送り状)や船荷証券(B/L)などの書類の内容が、L/Cの条件と一言一句合っているかどうかだけです。
たとえ届いた食品の品質が契約と違っていても、書類が完璧であれば銀行は支払いを拒否できません。
◎ では品質のクレームはどうするの?
品質に関するトラブルは、L/Cとは別に「売買契約書」でしっかり決めておく必要があります。
当事務所で契約書作成をサポートする際も、この点は特に念入りにアドバイスしています。
食品輸入では食品衛生法の基準や検査証明書の取り扱いなど、専門的な知識が必要な場面も多いためです。
3.もっともこわい「ディスクレ」のリスク
L/C取引で輸入者・輸出者ともに最も恐れるのが「ディスクレパンシー(略称:ディスクレ)」です。
簡単に言うと、輸出者が銀行に提出した書類の内容が、L/Cで指定された条件と「1文字でも違っている」状態のことです。
◎ ディスクレが起きるとどうなる?
銀行は支払いを拒否します。
すると、
・修正(アメンド)のやり直し手続きが発生する
・余分な手数料を払わなければならない
・最悪の場合、商品の引き取りが大幅に遅れ、食品の鮮度が落ちてしまいます。
ディスクレは、特に生鮮食品の輸入では致命的なトラブルになりかねません。
◎ 初心者のためのディスクレ防止の3ステップ
ステップ1:
L/Cを発行する前に、輸出者と「どの書類を・どんな内容で提出するか」を細かく打ち合わせる
↓
ステップ2:
L/Cが届いたら、すぐに売買契約書の内容と矛盾がないか隅々までチェックする
↓
ステップ3:
もし間違いがあれば、出荷前にすぐ修正(アメンド)について輸出者と打ち合わせする
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した3つのポイントをおさらいしましょう。
1. L/Cとは「銀行が発行する輸出者への支払い保証状」——輸入者・輸出者の双方を守る仕組みです。
2. 銀行は「書類の内容」だけをチェックする——品質トラブルへの対応は売買契約書で備えましょう。
3. 「ディスクレ(書類の不一致)」に要注意——3ステップで確実に防ぎましょう。
食品の輸入には、L/Cのほかにも「食品衛生法」「植物防疫法」「酒税法」などの許認可手続きが深く関わってきます。
L/Cの条件の中に「輸入に必要な証明書・許可書」を盛り込む必要があるケースも少なくありません。
手続きを一つ見落とすだけで、商品が税関で止まることも起こり得ます。
こんなお悩みはありませんか?
・「L/Cの条件に何を書けばいいかわからない」
・「輸入契約書とL/Cの内容を整合させたい」
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そんなときは、ぜひ輸入実務と許認可の両面に詳しい当事務所へ、お気軽にご相談ください。
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