海外のバイヤーから「Offer sheet(オファーシート)」や「Quotation(クォーテーション:見積書)」を求められ、「英語の書類って何を書けばいいの?」「難しそう……」と感じたことはありませんか?
せっかく自社の商品に興味を持ってもらえたのに、書類の壁だけでチャンスを逃してしまうのは、とてももったいないことです。
じつは、輸出は「国内取引の延長線上」にあるものです。
北海道から沖縄に荷物を送るのと、沖縄から台湾に送ることに、本質的な違いはありません。
この記事では、海外取引の見積書に必要な知識を3つのポイントに絞って解説します。
読み終わるころには、英語の書類作成への不安が和らぎ、海外展開への第一歩を踏み出せるようになるはずです。
【この記事でわかること】
✔ 「Offer sheet」と「Quotation」の役割の違い
✔ 英語の見積書に必ず記載すべき重要項目
✔ 英語が苦手でも輸出を実現できる方法
1.「Offer sheet」と「Quotation」の違いを知る
まず、用語の違いを整理しましょう。
どちらも「取引条件の提示」ですが、意味合いが少し異なります。
①Quotation(クォーテーション)
・日本語の「見積書」に最も近い言葉
・品質・価格・納期などの条件を具体的に明記した書類
・まず最初に作成するもの
②Offer(オファー)
・「契約の申し込み」という側面が強い
・交渉の中でやり取りされる提案全般を指す
・Quotationをベースに交渉が始まる
相手から別の条件を提案された場合は「カウンターオファー(反対申込み)」と呼びます。
初めての商談であれば、まず正確な「Quotation」を作成し、そこから交渉(オファーのやり取り)が始まると覚えておけば大丈夫です。
2.見積書に盛り込む「必須項目」
国内の見積書と大きく異なるのは、「どこで商品を引き渡し、どの費用をどちらが負担するか」を明確に書かなければならない点です。
このルールを「インコタームズ(貿易条件)」といいます。
英語の見積書には、以下の項目を盛り込みましょう。
・商品詳細(Description of Goods):
品名・品番・型番など
・数量(Quantity):
ケース数・重量など
・単価と金額(Unit Price / Amount):
使用通貨(円・ドルなど)も明記
・決済条件(Terms of Payment):
電信送金・信用状など
・インコタームズ(Incoterms):
最重要項目のひとつ ※下記参照
・納期(Delivery):
いつまでに発送できるか
・梱包条件(Packing):
ケースのサイズ・重量・入数など
・有効期限(Validity):
その価格がいつまで有効か
・原産国(Country of Origin):
「Japan」と記載
【インコタームズとは?】
「どこまでの費用と責任を売り手が持つか」を定めた国際ルールです。
代表的な条件:
①FOB(本船渡し):
日本の港で船に積み込むまでの費用を輸出者が負担する条件
②CIF(運賃保険料込):
相手国の港までの運賃と保険料を輸出者が負担する条件
⚠ ケースのサイズ(縦・横・高さ)や総重量は、国内取引以上に正確な記載が求められます。相手側が輸送コストを計算するために使うためです。
こうした情報をしっかり記載した見積書を出すことで、相手からの信頼度が上がり、商談がスムーズに進みます。
3.英語や専門知識の壁は「プロ」と「ツール」で突破する
「英語で書かなければならない」というプレッシャーは大きいですが、全てを自社で完璧にこなす必要はありません。
①間接輸出という選択肢:
国内の輸出商社に販売し、商社が海外バイヤーとやり取りをする方法です。
この場合、見積書は商社宛てに日本語で作成するだけでよく、言語の負担が大幅に軽減されます。
商社は「盾」や「クッション」のような役割を果たしてくれます。
②直接輸出したい場合に使える支援ツール:
・FCPシート(展示会・商談会シート):
農林水産省が推奨するツール。バイヤーが知りたい情報を1枚にまとめられ、見積書の基礎データとして活用できます。
・GFP(農林水産物・食品輸出プロジェクト):
輸出に関する相談窓口。専門家からアドバイスを受けられます。
・SNS・翻訳ツールの活用:
メールよりもSNSでカジュアルにやり取りするケースが増えています。
翻訳機能も充実しており、初期の意思疎通には十分です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
国内市場が縮小していく中で、成長が見込まれる海外市場へ目を向けることは、経営の安定につながります。
海外では日本食へのニーズが日々高まっており、国内よりも高い価格で取引できる事例も少なくありません。
見積書の作成でつまずくのは、それだけ真剣に輸出に取り組もうとしている証拠です。
為替リスク・輸送リスク・不払いリスクといった不安も、事前の信用調査・海上保険・貿易保険などで対処できます。
食品特有の規制(添加物・ラベル表示・衛生基準など)も、一つずつ整理していけば必ずクリアできます。
「何から始めたらいいかわからない」というときは、一人で抱え込まずにご相談ください。
見積書の作成代行・契約書のリーガルチェック・商談のアドバイスなど、行政書士として伴走支援いたします。
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