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失敗しない!生鮮果実輸出と検疫証明書の3知識

  

せっかく高い費用をかけて空輸した日本産の生鮮果実が、現地の通関で止められ、廃棄になりそうだ……。そんな状況に追い込まれた輸出者のかたにとって、これほど辛く、情けない思いはないでしょう。

 

「少量のサンプルだから、そこまで厳しくないだろう」と思っていた。

 

でも現地のバイヤーから突然「植物検疫証明書がないと廃棄するしかない」と言われた。

 

そもそも植物検疫証明書って、何?、どうすれば手に入るの?

 

 

このブログでは、そうした疑問にまるごとお答えします。

 

読み終えたあとには、「次回は必ず準備してから送ろう」という見通しが立つはずです。

 

食品輸出に詳しい専門家の行政書士が、わかりやすくお伝えします。

 

 

【この記事でわかること】

 

植物検疫証明書とは何か、なぜ少量サンプルでも必要なのか

 

証明書を取得するための4つの検査と手続きの流れ

 

現地の通関でトラブルにならないための、発送前の確認ポイント    

 

 

 


1.少量でも免除されない理由


 

まず「植物検疫証明書」という言葉から整理しましょう。

 

植物検疫証明書(英語では Phytosanitary Certificate)とは、「この植物には有害な病気や虫が付いていませんよ」と、輸出する国の政府が正式に証明する書類です。

 

日本では、農林水産省の出先機関である植物防疫所がこの証明書を発行します。

 

では、なぜ少量のサンプルでも必要になるのでしょうか?

 

植物検疫の目的は、その国にまだいない病害虫の侵入を防ぐことにあります。

 

病害虫にとっては、荷物が100トンでも、リンゴが1個でも関係ありません。

 

たった1個の果実に虫が潜んでいるだけで、その国の農業に壊滅的な被害が及ぶ可能性があるからです。

 

だから多くの国では、「ビジネス用の大口貨物」でも「お試しの小口サンプル」でも区別なく、植物検疫証明書の添付を輸入の必須条件にしています。

 

この証明書がない状態で到着した荷物は、現地の法律に基づいて焼却・埋設による廃棄、または輸出国への強制返送を命じられることになります。

 

費用は輸出者の負担です。

 

「植物検疫に例外はない」――まずこの前提を頭に入れておくことが、トラブルを防ぐ第一歩です。 

 


2.4つの検査


 

植物検疫証明書は、書類を申請するだけでもらえるものではありません。

 

植物防疫所の植物防疫官(または農林水産大臣に登録された登録検査機関)による輸出検査を受け、合格して初めて発行されます。

 

現在、日本の制度では、検査は目的や対象に応じて次の4種類に分かれています。

 

① 栽培地検査:

果実を育てている畑で、生育中に病気や害虫がいないかを確認する検査です。

収穫前の段階から関わる検査なので、「いざ輸出」と決めてからでは間に合わない場合があります。

 

 

② 消毒検査:

輸出前に、くん蒸(ガスで虫を駆除する方法)や低温処理などの消毒を適切に行ったかどうかを確認する検査です。

 

 

③ 精密検査:

顕微鏡や遺伝子検査などを使って、目には見えない病原菌や線虫(土の中に住む微細な虫)がいないかを調べる検査です。

 

 

④ 目視検査:

輸出直前の荷物の状態を実際に目で見て、害虫や土の付着がないかを確認する検査です。

 

 

どの検査が必要になるかは、「どの国に」「何の果実を」輸出するかによって細かく決まっています。

 

たとえば、台湾向けにメロンを送る場合は、植物検疫証明書の取得に加えて、残留農薬の基準も厳しくチェックされます。

 

組み合わせは輸出先と品目によって異なるため、事前の確認が欠かせません。

 

手続きは現在、農林水産省の「eMAFF(農林水産省共通申請サービス)」や「NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)」を使ってオンラインで行うのが一般的です。

 

植物防疫所と事前に検査の日時を調整し、検査に合格してはじめて証明書が発行される流れになります。 

 


3.輸出前の確認ポイント


 

「通関で指摘されて初めて知った」という事態を防ぐには、発送前の準備がすべてです。

 

植物検疫の条件は国によって大きく異なり、また頻繁に更新されます。

 

まず確認すべきは、農林水産省・植物防疫所のホームページにある「輸出条件早見表」です。

 

ここで、目的の国にその果実を送れるかどうか、証明書が必要かどうかを確認します。

 

なかには、ベトナム向けのギンナンのように、相手国が輸入条件をまだ定めていないために、現状では輸出自体が難しいケースもあります。

 

「送れるかどうか」の確認も重要なステップです。

 

また、植物検疫以外にも、次の2点に注意が必要です。

 

①残留農薬の基準:

日本国内では問題のない農薬でも、輸出先の国では違反になる場合があります。特にイチゴやメロンは注意が必要な品目です。

 

 

②選別・梱包施設の認定:

タイ向けの輸出など、一部の国では果実を選別・梱包する施設そのものが相手国の基準を満たしていることの認定が求められるケースもあります。

 

 

これらすべてを個人や一企業で把握し続けるのは、非常に難しいことです。

 

だからこそ、植物防疫所の相談窓口や、輸出実務に詳しい専門家の力を借りることが、結果としてコストを抑え、最短距離で輸出を実現する近道になります。 

 

まとめ


 いかがでしたでしょうか?

  

「少量だから大丈夫だろう」という油断が、大きな損失を招いてしまうのが貿易の世界です。

 

でも裏を返せば、正しい手順を踏んで適切な書類を揃えさえすれば、あなたの果実は世界中のバイヤーを喜ばせるすばらしい商品になります。

 

今回の経験を、次への大切な教訓にしてください。

 

次こそは、現地の通関をスムーズに通過して、バイヤーから「届いたよ、すばらしい品質だ!」と喜びの連絡が届くように、今から一緒に準備を進めましょう。

 

 

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