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関税率がわかる!食品輸入コスト計算の3ステップ

 

 

食品を海外から輸入して日本で販売しようとするとき、最初にぶつかる壁のひとつが「関税」です。

 

 

 

「この商品の関税率は何%なんだろう?」「日本に届くまで、トータルでいくらかかるの?」——これがわからないままでは、販売価格を決めることも、事業の採算を計算することもできません。

 

 

 

じつは、食品の関税は原材料の種類・含有率・加工の状態・容器の形式によって細かく分類されており、非常に複雑です。

 

 

 

でも、基本となる3つのステップさえ押さえれば、コストをある程度ご自身で予測できるようになります。

 

 

 

この記事を読めば、輸入コストの「もやもや」が晴れ、自信を持って販売価格を決める第一歩が踏み出せるはずです。食品輸入に詳しい専門家の行政書士がわかりやすくお伝えします。

 

 

 

【この記事でわかること】

 

関税率を調べるための「HSコード」の見つけ方

 

関税の計算ベースとなる「課税価格」の正しい出し方

 

税率を大幅に下げられる「EPA・特恵関税」の使い方  

 

 

 

 


1.HSコードを調べる


 

関税率を調べるには、まず「この商品はどの分類に入るのか」を確定させる必要があります。

 

世界中の商品は、国際条約に基づいた「HSコード(輸出入統計品目番号)」という番号で管理されています。

 

日本では、世界共通の6桁に国内の細分を加えた9桁の番号が使われています。

  

このコードが商品の「住所」のようなものになり、番号に対応する税率が決まる仕組みです。

 

食品の分類は特に細かく、次のような要素で税率が大きく変わります。

 

①原材料の含有率:

 たとえば、牛肉を使った加工食品の場合、牛肉・くず肉の含有量が全重量の30%未満か以上かで分類が分かれます。

 

 

②容器の種類:

 「気密容器」に入っているかどうかも重要な判断基準です。

 気密容器とは、缶詰・瓶詰・特定の袋詰のように、空気を完全に遮断できる容器のことです。

 

 

③加工・調製の状態:

 たとえばソーセージであれば、直径が4cm以下かどうか、塩分やスパイスの量はどの程度かといった具体的な要件が定められています。

  

 

これらの条件を確認したうえで、「実行関税率表」(税関のウェブサイトで無料公開されています)で自分の商品がどの番号に当てはまるかを調べます。 

 

「自分では判断が難しい」という場合は、税関の「事前教示制度」を活用することをおすすめします。

 

これは、輸入する前に商品のサンプルや資料を税関に提出し、「この商品のHSコードは何番か」を公式に回答してもらえる制度です。 

 

とくに文書による事前教示を受けると、その回答は3年間有効で、実際の輸入申告の際にも尊重されます。コスト計算のズレを防ぐためにも、ぜひ活用しましょう。 

 


2.「課税価格」を正しく計算する


 

HSコードが確定したら、次は「税率をかける元の金額」を正しく算出します。

 

この金額を「課税価格」といいます。

 

日本の関税の多くは、商品の価格に税率(%)をかけて計算する「従価税」という方式です。

 

ここで注意が必要なのは、課税価格=商品代金だけ、ではないということです。 

 

 

日本の関税では、「CIF価格」(商品代金+日本の港までの運賃+保険料)が計算のベースになります。

 

具体的には、以下の費用をすべて合計した金額が課税価格になります。

 

①現実支払価格:

売主に支払う商品代金の総額

 

 

②運賃・保険料:

日本の港に届くまでにかかる輸送費と保険料

 

 

③加算要素:

買主が負担する容器・包装の費用、また製造のために無償で提供した原材料・金型などがある場合はその費用も加算します

 

 

また、外国通貨で取引する場合は、税関長が公示する為替レート(輸入申告日が属する週の前々週の実勢相場)を使って日本円に換算します。

 

なお、消費税の計算も「課税価格+関税額」に税率をかける形になるため、課税価格を正確に把握しておくことは、コスト全体の精度を左右する重要なポイントです。 

 


3.EPA(経済連携協定)や特恵関税の活用


 

 コスト削減の観点で最もインパクトが大きいのが、EPA(経済連携協定)や特恵関税の活用です。

 

日本はEUASEAN・米国・オーストラリアなど多くの国・地域と経済連携協定を結んでいます。

 

輸入する商品がこれらの国を原産地とするものであれば、通常の税率(基本税率・WTO協定税率)よりもはるかに低い「EPA税率」(0%になるケースも多い)が適用される場合があります。

 

ただし、EPAを利用するには以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。

 

①その品目が協定の対象であること:

協定によって税率引き下げが約束されている品目であることが前提です。

 

 

②原産地基準を満たすこと:

「その国から輸入した」というだけでは不十分です。原材料の調達先や加工工程が、協定に定められた「原産地規則」に合致している必要があります。

 

 

③正しい原産地手続きを行うこと:

商工会議所が発行する「原産地証明書」を提出する方法(第三者証明制度)や、輸入者自身が証明する方法(自己申告制度)など、協定ごとに定められた手続きが必要です。

 

 

食品は原材料が複数の国にわたることが多いため、この「原産地の証明」が特に複雑になるケースがあります。

 

EPAをうまく活用できれば、ライバル他社よりも大幅に安いコストで輸入できる可能性があり、採算性は一気に向上します。 

 

まとめ


 いかがでしたでしょうか?

 

 食品輸入の関税コスト計算は、3つのステップで整理しましょう。

 

HSコードの特定:

実行関税率表や税関の事前教示制度を活用して、商品の「番号(住所)」を確定させる。

 ↓

②課税価格の算出:

商品代金+運賃+保険料+加算要素を公示レートで円換算し、正確な計算ベースを出す。

 ↓

EPAの検討:

原産国を確認し、協定を使って税率を下げられないか精査する。

 

関税率がたった1%違うだけでも、大量輸入になると利益への影響は相当大きくなります。

 

食品は分類の解釈ひとつで税率が0%から数十%まで変わることもある、非常に奥の深い分野です。 

 

「自分の商品がどの分類になるか自信がない」「EPAを使いたいけれど、必要な書類がわからない」——そんなお悩みはありませんか?

 

食品輸入は、関税の手続きに加えて、食品衛生法・植物防疫法など、他の法律への対応も同時に進める必要があります。

 

当事務所では、食品輸入手続きの専門家として、品目分類のアドバイス・関税率の調査・EPAの活用サポート・他法令への対応まで、あなたの輸入ビジネスをトータルでサポートいたします。

 

「まず話を聞いてみたい」という段階でも大歓迎です。コスト計算の不安をスッキリ解消して、安心してビジネスをスタートさせましょう。まずはお気軽にお問い合わせください。

 

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