これから飲食店を開業して自分のお店を持つかたにとって、人生の大きな挑戦であり、
非常にエキサイティングですよね。
しかし、いざ準備を始めると、「内装工事はこれでいいの?」、「保健所の審査に落ちたらどうしよう」、「最近ルールが厳しくなったって聞いたけど…」といった不安が次々と湧いてくるのではないでしょうか。
実際、せっかく多額の費用をかけてお店を作ったのに、保健所の検査で「設備が基準を満たしていない」と指摘され、オープン直前に高額な追加工事が発生したり、開店日が遅れてしまったりする「失敗例」はあとを絶ちません。
この記事では、「無駄な出費やオープンの遅れを防ぐための正しい準備方法」がわかります。
また、法律で義務化された新しい衛生管理のルールを簡単に理解でき、「保健所から信頼されて、お客様に愛されるお店作り」の第一歩を、自信を持って踏み出すことができるようになります。
失敗しない飲食店営業許可申請のために絶対に押さえておくべきポイントを、重要な順に3つに絞って解説していきます。
飲食店営業許可に詳しい行政書士が、わかりやすくお伝えします。
1.保健所への事前相談
内装工事の前に必ず「事前相談」を済ませることが大事です。
もっとも重要で、かつ、失敗が多いのが、お店の「設備」に関するルールです。
保健所の許可を得るためには、各自治体が定める「施設基準」というハードルをすべてクリアしなければなりません。
多くのかたが陥る罠は、内装業者任せにして、工事を終えてから、保健所に連絡することです。
もし基準に合っていなければ、壁を壊したり、シンク(流し台)を付け替えたりする手直しが発生し、オープン日は大幅に遅れます。
これを防ぐ唯一の方法は、「工事着工前に、図面を持って保健所の窓口へ事前相談に行く」ことです。
なお、新しい施設基準で特に注意すべき点は、以下の通りです。
・「触れずに洗える」手洗い設備:
食中毒を防ぐため、調理場の水道は、センサー式で自動で水が出るものや、足踏み式、あるいは肘で操作できるレバー式など、洗浄した後の手指が再び汚れない構造でなければなりません。
・「外から見える」温度計:
冷蔵庫や冷凍庫、加熱設備には、扉を開けなくても庫内の温度が確認できる温度計を設置することが必須です。
・「生活の場」との完全な区切り:
住居とお店が同じ建物にある場合、お店のスペース(調理場や客席)は、壁やカウンターなどで、私生活の場所(家の台所など)と明確に区画されている必要があります。
つまり、台所の兼用は認められません。
・適切な換気と排水:
カビや結露を防ぐための換気設備や、清掃しやすく汚水が逆流しない排水構造が求められます。
「これくらいなら大丈夫だろう」という自己判断は禁物です。
必ず、図面段階で、専門家や保健所の担当者に確認してもらいましょう。
2.衛生責任者の確保
飲食店を営業するためには、施設ごとに必ず1名、「食品衛生責任者」という人を置かなければなりません。
この人は、お店で食中毒や法律違反が起きないよう、衛生管理について、中心となって働く役割を担います。
「調理師の免許を持っていないとダメなの?」と心配されるかたもいますが、ご安心ください。
以下の資格を持っている人は、そのまま責任者になれます。
・調理師、栄養士、製菓衛生師などの免許を持っている人
・食品衛生監視員や食品衛生管理者の資格が ある人
もしこれらの資格を持っている人が身近にいない場合は、保健所などが実施する「食品衛生責任者養成講習会」を受講すれば大丈夫です。
この講習会は、公衆衛生や法律、食品衛生について、6時間ほどかけて1日で学ぶものです。
ここで注意したいのは、講習会は非常に人気があり、「予約が数ヶ月先まで埋まっていることがある」という点です。
申請時にまだ受講できていなくても、「受講予定」として手続きを進めることができる場合が多いですが、オープンまでに誰も資格を持っていない状態は避けなければなりません。
早めに日程を確認し、予約を入れておくことが「失敗しない」ためのコツです。
3.新しい衛生管理の理解
現在、すべての飲食店には、「HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理」が義務付けられています。
これは、以前のように「許可を取って終わり」ではなくて、「どうやって安全を守るかの計画を立て、それを毎日実行して記録する」という仕組みです。
HACCP(ハサップ)とは、衛生管理の専門用語です。
専門用語が出てくると「なんだか難しそう」と感じるかもしれませんが、小規模な飲食店であれば、以下の「見える化」を行うだけで対応できます。
① 衛生管理計画を作る
まずは、日々の清掃や従業員の健康チェック、そしてメニューに応じた調理のルールを決めます。
特にメニューは、調理の仕方に合わせて、次の「3つのグループ」に分けるのが基本です。
・第1群
(例)加熱しないもので、刺身やサラダなど
菌を「つけない」ために温度管理(10℃以下)が重要です。
・第2群
(例)加熱してすぐ提供するもので、焼き魚やハンバーグなど
菌を「やっつける」ため、中心部までしっかりとした加熱が重要です。
・第3群
(例)加熱・冷却・再加熱を繰り返すもので、カレーやスープなど。
「加熱しても死なない菌」の増殖を防ぐため、加熱後の「急速冷却」が最大のポイントです。
② 計画を実行し、毎日「記録」する
決めたルール通りにできたかを、毎日ノートや日誌にチェックを入れます。
この「記録」をとることが、じつはあなたのお店を守る最大の武器になります。
もし万が一、お客様から食中毒の疑いをかけられたとしても、毎日正しく管理していた記録があれば、それが「うちは正しく営業していました」という証拠になるからです。
「義務だからやる」のではなく、「食中毒のリスクを最小化し、店とお客様を守る武器」としてHACCPを活用してはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
飲食店営業許可は、ただの「手続き」ではありません。
あなたの理想のお店を、法的なトラブルから守り、安定して運営し続けるための「防波堤」です。
「営業許可申請の書類作成に時間を取られずに、そのぶんを、メニュー開発やスタッフ研修に集中したい」、「保健所との交渉で絶対に失敗したくない」、そうお考えであれば、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの夢のスタートを全力でバックアップします。
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