日本の急速な少子高齢化は、国内の食品業界に大きな影響を与えています。
ひらたく言えば、
①少子化で胃袋の「数」が減ります。
②高齢化で胃袋の「サイズ」が
小さくなります。
結果、数とサイズの掛け算である食品の消費量は減ります。
そうなると、農産物や加工食品の販路を海外に求めざるを得なくなります。
国内販売中心だった生産者や食品メーカーは、
「いまさら海外?」
「どうやって連絡とるの?」
「海外で販売先が簡単に見つかるの?」
などでお悩みかと思います。
この記事では、海外販路開拓の一番確実な手段として、海外食品見本市の出展方法をお伝えします。
出展する最大のメリットは、見込み客が会場まで「来てくれる」ことです。
このため、多くの見込み客と効率的に商談をすることができるのです。
さて、出展して受注する成功のカギは、じつは、出展前の「事前準備」にあるのです。
何をどう準備、対応すべきか、
時系列ごとに、
1.見本市の半年前から開催日まで
↓
2.見本市開催期間中
↓
3.見本市のあと
の3つに分けて説明します。
海外20ヶ所以上に出展経験がある、食品輸出に詳しい行政書士が、わかりやすくお伝えします。
1.見本市の半年前から開催日まで
①出展を決める
じつは、これが一番難しいのです。
ビジネスですから、出展した場合の「費用対効果」はどうなんだ、となります。
はじめて出展して、受注できるかどうかは、出展してみなければわかりません。
「ニワトリが先か、タマゴが先か」です。
ここは、経営者が、腹をくくるしかありません。
最悪、100万円以上の費用をかけて受注ゼロだとしても、「いい勉強になった」と覚悟できるかどうかです。
費用は概算で100万円以上かかります。
社員2人が出張して、5日間の見本市に出展するとします。
出展小間代(2mX2m)、
装飾費用、
航空運賃、
ホテル宿泊費の総計で100万円以上です。
海外ビジネスには、「せんみつ」という「法則」があります。
見積書を1000通出して、受注できるのはたった3つという意味です。
それくらい「打率」は低いのです。
さて、覚悟を決めたら、出展する見本市を決めます。
たとえば、中東最大の食品見本市GULFOOD(ガルフード)は、アラブ首長国連邦のドバイで、毎年1月から2月に開催されています。
中東はクルマ社会で歩きません。
そのため、肥満、糖尿病が大きな社会問題となっています。
そのため、ヘルシーでおいしい日本食品に関心が強く、日本からの出展者数も増えています。
②見本市の前に「見込み客リスト」を作る
もちろんまだ見本市前ですので、リアルに見込み客に会えるわけではありません。
しかし、事前に見込み客リストを作成して、メール等で、コンタクトを重ねます。
日本の調査会社が海外の同業者と提携して、多くの海外会社情報を持っています。
日本の調査会社に申し込んで、会社データを購入し、来場してほしいお客様リストを作ります。
調査会社に申し込む際には、検索キーワードが必要です。
中東での食品展示会を例にしますと、
たとえば、
1.国名
アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、トルコ、サウジアラビア
2.業種名
スーパーマケット、日本食レストラン
3.取扱商品
食品、サプリメント、と指定します。
すると、ヒットした会社がリストアップされます。
その中から取引したいと思う会社(=見込み客)をリストアップします。
そして、見込み客にメールします。
メールには、会社と商品を紹介の上、現地見本市に参加するので、お越しいただきたい旨、誘います。
1回だけでなく、間隔を空けて何回かメールします。
反応があったら、招待状を送ります。
招待状には、出展小間(ブース)の番号、メールアドレス、携帯電話番号を明記します。
サンプル依頼があったら、「事前に」送付します。
ポイントは、何事も前倒しで準備することです。
見本市会場で、はじめて、ばったり、「有望な」お客様と出会うことは期待しないことです。
ベストは、事前に、現地見本市での面談の日時を決めてしまうことです。
ここまでできれば、受注の可能性は高いと思います。
③早めに現地出張の準備をする
期間中、フライト、ホテルは混みますので、早めに予約します。
ホテルは会場近くか、鉄道でアクセスできるエリアを予約します。
会場付近は渋滞しますので、車で移動しなくてよいホテルを予約してください。
英語表記した名刺を多く用意します。
見本市会場内のビジネスセンターでも名刺を作ることができますが、時間がかかる上、高いです。
入手までに半日かかり、名刺100枚で5,000円かかった苦い経験があります。
試食、展示用サンプルは、事前に会場宛てに送付します。
ただし、主催者側で事前に受け取ってもらえるかを確認する必要があります。
生鮮品や冷凍品のサンプルは、事前送付は難しいので、見本市への出張時の手荷物とします。
2.見本市の期間中
①来場者を見極める
新規仕入先を探して来ているビジネス客か、試食だけの「冷やかし客」かを見極めます。
外見で見極めるのは難しいですが、まずは服装です。
展示会によっては、来場者が首からかけるIDカードの色を、業種別に分けていることもあります。
販売先候補となる業種の人と話をするようにします。
また、ビジネス客でしたら、相応の身だしなみで来場します。
当たり前ですが、ビジネス客との商談に時間をかけるべきです。
冷やかし客には挨拶程度でかまいません。
冷やかし客ほどたくさん試食して、たくさん話しかけてくる傾向があります。
短時間で切り上げることが大切です。
ビジネス客がブースに集中するときがあります。
そのときは、事前に面談日時を決めた「事前見込み客」を最優先に対応します。
②受け取った名刺を頻繁にチェックする
できれば、1時間ごとに、受け取った名刺をチェックします。
「事前見込み客」が来場したのに、他のお客さんへの対応などで挨拶できないときもあります。
そのときは、受け取った名刺宛てに「Thank you for your coming to our booth ! Please come again! 」 程度でいいので、すぐメールします。
また、名刺には、簡単なコメントを書いておきます。
「見込みあり」、「不明」、「冷やかし」で、○、△、☓の印とか、興味を示した商品とかを記載します。
○△の客には、「Thank you for your coming to our booth ! Please come again! 」 と当日中にメールします。
③有力見込み客との対応
見本市会場で受注しないと、見本市「後」のメールのやりとりで受注するのは難しいと思います。
サンプル程度の少量で良いので、受注してください。
初回特値として、定価の半額でもよいと思います。
少量でも商品が動かないことには、何も始まらないと思ってください。
見込み客も、「目新しい商品」、「儲かりそうな商品」を探しに来ています。
来場者がサラリーマンでしたら、勤務時間を使って来場するわけです。
勤務先に戻って、目新しい商品、儲かりそうな商品を、上司に報告する必要がありますので真剣です。
また、現地で新しいビジネスを作るという意味で、見込み客と仲良くなれるチャンスです。
「せっかくお会いできたので、商売を一緒にやりませんか?」と誘ってみてはいかがでしょうか?
3.見本市のあと
フォローアップして、成果があれば、次回の見本市を早めに申し込む
反応が○△の見込み客宛てに、お礼のメールを出します。
サンプル依頼等あれば送付して、継続して反応を見ます。
特に、有力見込み客の商談をフォローアップします。
現地で直接面談した時は盛り上がるのですが、帰国後、トーンダウンするのはよくあることです。
会って話をするのにくらべて、メールはいまひとつだと思います。
適時Zoomなどを利用して、顔見せで商談を行います。
そして、1ヶ月をめどに、商談進捗、成果報告、費用対効果をまとめます。
効果ありと判断できたら、次回(来年)の出展を決めて申し込みます。
早く申し込んだほうが、良い場所に小間を確保できる可能性が高いです。
加えて、今回の反省点を含めて、社内で、じっくり次回出展の準備ができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
確実に受注するための7つのステップは以下のとおりです。
1.出展を決める
2.見本市の前に「見込み客リスト」を作る
3.早めに現地出張の準備をする
4.来場者を見極める
5.見本市会場で受け取った名刺を頻繁にチェックする
6.有力見込み客とは何回も面談する
7.成果があれば、早めに次回開催を申し込む
海外食品見本市出展のイメージはつかめましたでしょうか?
興味ある展示会が見つかったら、お早めにご検討されることをおすすめします。
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