(※このページは2022年2月5日に更新されました)
海外と販売契約できて、出荷もできた。
でもあとになって、
「いきなりクレームを言ってきた」
「クレームで代金支払いが遅れている」
「何をどうしたらいいかわからない」
などで困ったことはないでしょうか?
言葉や文化、商習慣が異なる海外取引において、クレームを完璧に防ぐ方法はありません。
しかし、極力回避したり、軽減する対策はあります。
この記事では、クレームを回避、軽減する対策がわかります。
食品輸出クレーム対応に詳しい食品行政書士が、わかりやすくお伝えします。
食品クレームとは
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食品を輸出したときのクレームとはどのようなものだと思いますか?
大きく分けて2種類あります。
1.品質、数量、納期のクレーム
国内と比較して長距離の輸送となります。
また、スケジュールどおりに輸送されるとは限りません。
そのため、輸送中に、品質が劣化する、重量が減る、納期が遅れるといったクレームが起きます。
2.マーケットクレーム
契約後に相場が下がったため、値下げや返品、返金を要求してくるのがマーケットクレームです。
こんなことにまで付き合ってられませんよね。
でも、農産物のように相場が上下する取引で多いのです。
対策1.契約書でしっかり決める
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1.品質、数量、納期クレームの場合
責任がメーカーや輸出者にある場合、交換、返品、値引き、費用を負担して廃棄するかありません。
しかし、責任が、海外の現地輸入者、流通業者、ユーザーにある場合もあります。
たとえば、現地での不適切な保管、輸送、使用方法などが原因の場合です。
また、責任が輸出者、輸入者、流通業者のどこにあるかわからず、うやむやになることもあります。
対策は、契約書にクレーム条項を入れて、輸出者、輸入者の責任範囲やクレーム提起の期限を明確にしておくことです。
たとえば、輸送中に品質や数量が変化することが予想されるとします。
その場合、クレーム対象は、どの時点での品質、数量とするかを取り決めます。
(1)「輸出」時点での状態を、その商品の最終的な品質、数量とするのか、
又は、
(2)「輸入」時点の状態を、最終的な品質、数量とするのかを決めます。
輸出者としては、より早い時点である(1)とすべきです。
(1)を英文にしますと、「 The quality and quantity at the time of the shipment shall be final.」となります。
契約書を作成したとしても、商品名、数量、単価しか取り決めないのが多いのが現状です。
このようにクレーム条項も契約書に盛り込む必要があります。
2.マーケットクレームの場合
意図的、一方的かつ悪質なクレームです。しかも、予防はできません。
対策は、契約書に代金は、契約時又は輸出時に「全額支払う」と明記させることに尽きます。
輸出後の回収となる掛売りは回収できない危険性が高いです。極力避けるべきです。
海外PL保険を掛ける
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食品の場合、輸出先で健康被害を及ぼす危険性があります。
その補償を考えた場合、原因、責任の特定は大切です。
しかし、時間がたち、遠く離れていると、特定するのは難しくなります。
輸出者、輸入者、どちらの責任かを明確に特定できない場合がほとんどです。
当事者間で解決できない場合、最悪、仲裁機関による調停や、裁判になります。
しかし、当事者双方で、時間、費用、労力がかかります。
そこで、このような健康被害のリスクを補償するのが海外PL保険(生産物賠償責任保険)です。
東京海上日動火災保険株式会社 三井住友海上火災保険などが取り扱っています。
輸出食品が原因となって発生した健康被害、損害賠償請求に対する示談交渉、訴訟費用等を補償します。
輸出先によっては、その国の法令で補償できない場合もあります。
しかし、リスク軽減にはとても心強い保険だと言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
食品輸出クレーム対策は2つ。
1.契約書をしっかり作ること。
多くは英文での契約書になります。英文は苦手だとして敬遠されがちです。
しかし、クレーム条項までしっかり押さえましょう。
2.海外PL保険をかけること。
食品は人の口に入るものですので、健康被害のリスクは重大です。
海外では健康被害で訴えられるリスクが高まっていますので、海外PL保険をおすすめします。
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