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はじめての海外食品見本市、確実に受注する7つのステップとは

 

日本の急速な少子高齢化は、国内の

食品業界に大きな影響を与えています。

 

ひらたく言えば、

少子化で胃袋の「数」が減ります。

高齢化で胃袋の「サイズ」が

小さくなります。

結果、数とサイズの掛け算である

食品の消費量は減ります。

 

そうなると、農産物や加工食品の

販路を海外に求めざるを得なくなります。

 

国内販売中心だった生産者や食品メーカーは、

「いまさら海外?」

「どうやって連絡とるの?」

「海外で販売先が簡単に見つかるの?」

などでお悩みかと思います。

 

この記事では、海外販路開拓の

一番確実な手段として、海外食品見本市の

出展方法をお伝えします。

 

出展する最大のメリットは、

見込み客が会場まで「来てくれる」ことです。

 

このため、多くの見込み客と

効率的に商談をすることができるのです。

 

さて、出展して受注する成功の

カギは、じつは、出展前の

「事前準備」にあるのです。

 

何をどう準備、対応すべきか、

時系列ごとに、

 

「見本市の半年前から開催日まで」

 

「見本市開催期間中」

 

「見本市のあと」

 

の3つに分けて説明します。

 

海外20ヶ所以上に出展経験がある、

食品輸出に詳しい行政書士が、

わかりやすくお伝えします。

 

 


見本市の半年前から開催日まで


 1.出展を決める

 

じつは、これが一番難しいのです。

 

ビジネスですから、出展した場合の

「費用対効果」はどうなんだ、

となります。

 

はじめて出展して、受注できるか

どうかは、出展してみなければ

わかりません。

 

「ニワトリが先か、タマゴが先か」

です。

 

ここは、経営者が、腹をくくるしか

ありません。

 

最悪、100万円以上の費用をかけて

受注ゼロだとしても、「いい勉強になった」と

覚悟できるかどうかです。

 

費用は概算で100万円以上かかります。

 

社員2人が出張して、5日間の見本市に

出展するとします。

 

出展小間代(2mX2m)、

装飾費用、

航空運賃、

ホテル宿泊費の総計で100万円以上です。

 

海外ビジネスには、「せんみつ」という

「法則」があります。

 

見積書を1000通出して、受注できるのは

たった3つという意味です。

それくらい「打率」は低いのです。

 

 

さて、覚悟を決めたら、

出展する見本市を決めます。

 

コロナがほぼ終息して、見本市は

徐々に増えつつあります。

 

たとえば、、アラブ首長国連邦

ドバイでの中東最大の食品見本市は、

毎年開催されています。

 

中東はクルマ社会で歩かないため、

肥満、糖尿病が大きな社会問題と

なっています。

 

そのため、ヘルシーでおいしい

日本食品に関心が強く、

日本からの出展者数も増えています。

 

  

2.見本市の前に「見込み客リスト」を作る

 

もちろんまだ見本市前ですので、

リアルに見込み客に会えるわけでは

ありません。

 

しかし、事前に見込み客リストを

作成して、メール等で、コンタクトを

重ねます。

 

日本の調査会社が海外の同業者と

提携して、多くの海外会社情報を

持っています。

 

日本の調査会社に申し込んで、

会社データを購入し、来場してほしい

お客様リストを作ります。

 

調査会社に申し込む際には、

検索キーワードが必要です。

 

中東での食品展示会を例にしますと、

たとえば、

 

1.国名

アラブ首長国連邦、クウェート、

カタール、トルコ、サウジアラビア

 

2.業種名

スーパーマケット、日本食レストラン

 

3.取扱商品

食品、サプリメント、

と指定します。

 

すると、ヒットした会社が

リストアップされます。

 

その中から取引したいと思う会社

(=見込み客)をリストアップします。

 

そして、見込み客にメールします。

 

メールには、会社と商品を紹介の上、

現地見本市に参加するので、

お越しいただきたい旨、誘います。

 

1回だけでなく、間隔を空けて

何回かメールします。

 

反応があったら、招待状を送ります。

 

招待状には、出展小間(ブース)の番号、

メールアドレス、携帯電話番号を

明記します。

 

サンプル依頼があったら、「事前に」

送付します。

 

ポイントは、何事も前倒しで

準備することです。

 

見本市会場で、はじめて、ばったり、

「有望な」お客様と出会うことは

期待しないことです。

 

ベストは、事前に、現地見本市での

面談の日時を決めてしまうことです。

 

ここまでできれば、受注の可能性は高いと

思います。

 

 

3.早めに現地出張の準備をする

 

期間中、フライト、ホテルは

混みますので、早めに予約します。

 

ホテルは会場近くか、鉄道でアクセス

できるエリアを予約します。

 

会場付近は渋滞しますので、

車で移動しなくてよいホテルを

予約してください。

 

英語表記した名刺を多く用意します。

 

見本市会場内のビジネスセンターでも

名刺を作れますが、時間がかかる上、

高いです。

 

入手までに半日かかり、名刺100枚で

5,000円かかった苦い経験があります。

 

試食、展示用サンプルは、事前に

会場宛てに送付します。

ただし、主催者側で事前に受け取って

もらえるかを確認する必要があります。

 

生鮮品や冷凍品のサンプルは、

事前送付は難しいので、

見本市への出張時の手荷物とします。

 

 


見本市の期間中


 4.来場者を見極める

 

新規仕入先を探して来ている

ビジネス客か、試食だけの「冷やかし客」か

を見極めます。

 

外見で見極めるのは難しいですが、

まずは服装です。

 

展示会によっては、来場者が首から

かけるIDカードの色を業種別に

分けていることもあります。

 

販売先候補となる業種の人と

話をするようにします。

 

また、ビジネス客でしたら、

相応の身だしなみで来場します。

 

当たり前ですが、ビジネス客との

商談に時間をかけるべきです。

 

冷やかし客には挨拶程度で

かまいません。

 

冷やかし客ほどたくさん試食して、

たくさん話しかけてくる傾向があります。

短時間で切り上げることが大切です。

 

ビジネス客がブースに集中するときが

あります。

 

そのときは、事前に面談日時を決めた

「事前見込み客」を最優先に対応します。

  

 

5.受け取った名刺を頻繁にチェックする

 

できれば、1時間ごとに、受け取った

名刺をチェックします。

 

「事前見込み客」が来場したのに、

他のお客さんへの対応などで

挨拶できないときもあります。

 

そのときは、受け取った名刺宛てに

「Thank you for your coming to our booth ! 

Please come again! 」 程度でいいので、

すぐメールします。

 

また、名刺には、簡単なコメントを

書いておきます。

 

「見込みあり」、「不明」、「冷やかし」で、

○、△、☓の印とか、興味を示した

商品とかを記載します。

 

○△の客には、

「Thank you for your coming to our booth ! 

Please come again! 」 と当日中にメールします。

  

 

6.有力見込み客とは、1回だけでなく、期間中、繰り返し面談して、受注する

 

見本市会場で受注しないと、

見本市後のメールのやりとりで

受注するのは難しいと思います。

 

サンプル程度の少量で良いので、

受注してください。

 

初回特値として、定価の半額でも

よいと思います。

 

少量でも商品が動かないことには、

何も始まらないと思ってください。

 

見込み客も、「目新しい商品」、

「儲かりそうな商品」を探しに

来ています。

 

来場者がサラリーマンでしたら、

勤務時間を使って来場するわけです。

 

勤務先に戻って、目新しい商品、

儲かりそうな商品を、上司に

報告する必要がありますので真剣です。

 

また、現地で新しいビジネスを作る

という意味で、見込み客と仲良く

なれるチャンスです。

 

「せっかくお会いできたので、

商売を一緒にやりませんか?」と

誘ってみてはいかがでしょうか?

 

 


見本市のあと


 7.フォローアップして、成果があれば、次回の見本市を早めに申し込む

 

反応が○△の見込み客宛てに、

お礼のメールを出します。

 

サンプル依頼等あれば送付して、

継続して反応を見ます。

 

特に、有力見込み客の商談を

フォローアップします。

 

現地で直接面談した時は盛り上がる

のですが、帰国後、トーンダウンする

のはよくあることです。

 

会って話をするのにくらべて、

メールはいまひとつだと思います。

 

適時Zoomなどを利用して、顔見せで

商談を行います。

 

そして、1ヶ月をめどに、

商談進捗、成果報告、費用対効果を

まとめます。

 

効果ありと判断できたら、

次回(来年)の出展を決めて

申し込みます。 

 

早く申し込んだほうが、良い場所に

小間を確保できる可能性が高いです。

 

加えて、今回の反省点を含めて、

社内で、じっくり次回出展の準備が

できます。

 

 


まとめ


いかがでしたでしょうか?

 

確実に受注するための

7つのステップは以下のとおりです。

 

1.出展を決める

 

2.見本市の前に

「見込み客リスト」を作る

 

3.早めに現地出張の

準備をする

 

4.来場者を見極める

 

5.見本市会場で受け取った

名刺を頻繁にチェックする

 

6.有力見込み客とは何回も

面談する

 

7.成果があれば、早めに

次回開催を申し込む

 

海外食品見本市出展の

イメージはつかめましたで

しょうか?

 

興味ある展示会が見つかったら、

お早めにご検討される

ことをおすすめします。

 

 

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