(※このページは2022年2月8日に更新されました)
政府は、食品輸出拡大を重要政策としています。
少子高齢化で国内市場の縮小が避けられません。
国民の胃袋の数が減り、胃袋の容積も小さくなりますので、海外に活路を見出すのが狙いです。
具体的には、2019年の食品輸出額の実績1兆円を、2030年に5倍の5兆円にする政策です。
農林水産省を中心に、予算、人員を集中投入して、海外商談サポートを行います。
今後、補助金などの食品の海外輸出予算が大幅に増額されることが見込まれます。
食品事業者にとって大きなチャンスではないでしょうか?
これを機に、今までできなかった海外市場開拓にチャレンジされてはいかがでしょうか?
この記事では、補助金で特に大事な、①海外需要創出事業と、②輸出環境整備事業がわかります。
海外取引と補助金申請に詳しい食品行政書士が、わかりやすくお伝えします。
補助金とは
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補助金とは、国などの政策目的に合致した新しい取り組みを支援するために出すお金です。
返済不要は不要です。
つまり、もらえるお金です。
融資では、担保や保証人が必要だったりしますが、補助金は、担保不要、保証人不要です。
ただし、誰でも簡単にもらえるわけではありません。
申請書を書き、場合によっては面接を受ける必要があります。
審査があり、必ず採択される(合格する)とは限りません。
また、採択されても、すぐにお金がもらえるわけでもありません。
補助金は、「あと払い」が原則です。
採択後、まず、自己資金(または借入金)で、補助金対象の取り組み(事業)を行います。
その後、報告書を作成し、あとから、精算金として補助金をもらう仕組みです。
会社勤務の方でしたら、出張申請と精算をイメージされたら、わかりやすいと思います。
たとえば、販売先に営業で出張するとします。
事前に、①会社に、②期待できる成果(売上高、利益)、概算旅費を書いた申請書を出します。
↓
上司の承認をもらいます。
↓
営業出張します。
↓
出張後に、③成果を記した出張報告書と実費旅費の精算書を提出して、精算金をもらいます。
①が補助金を出す役所、②が申請書、③が補助事業報告書、精算書とイメージできませんか。
食品輸出拡大という政策で民間企業を支援しようとするのが、食品輸出補助金です。
特に大事な補助金対象事業が2つあります。
1.海外需要創出事業
2.輸出環境整備事業 です。
海外需要創出事業とは
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ひらたく言えば、海外に販売先を見つける事業です。
当たり前ですが、輸出するためには、海外に販売先を見つける必要があります。
見つけるのに、いちばん有効で近道なのが、海外の見本市に出展することです。
海外の見本市と言えば、車(モーターショー)や家電が有名です。
食品も、世界各地で、毎年あるいは隔年開催されています。
有名なのは、パリ、ケルン(ドイツ)、バンコク(タイ)、ドバイ(アラブ首長国連邦)です。
ネットの時代ですが、食品の場合、「見て、さわって、食べてもらう」のが、いちばんです。
具体的には、つきのような費用が補助金対象となります。
1.海外見本市出展費用
(展示装飾費、交通宿泊費、見本代金)
2.日本食体験イベント費用
3.商談会、相談会運営費用
4.日本食セミナー費用
輸出環境整備事業とは
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輸出先での輸入基準に合わせるために行う調整、変更のための事業です。
海外の見本市で、商品を知ってもらい、気に入ってもらったとします。
成約するため、次に行う大事なことは、何でしょうか?
それは、輸出先での輸入基準を調査することです。
日本で販売している商品との間に輸入基準で不一致がある場合、輸出先仕様に変更します。
変更対象は使用原材料や製造工程などです。
ところが、輸入基準は、国ごとに異なるくらいに複雑です。
たとえば、クチナシは、黄色の着色料として、日本では多くの食品に使用されています。
しかし、アメリカでは、クチナシは使用禁止です。
このため、アメリカに輸出して、アメリカでの検査でクチナシが検出されると輸入できません。
日本への積戻しまたは、現地で廃棄となります。
つまり、輸出先ごとに、その国の輸入基準に合わせて、仕様、規格を変更する必要があるのです。
また、商品ラベル(表示)は、日本語では通用しません。
輸出先の言語に変えて表示する必要があります。
使用原材料や表示などの製造工程変更を初めとして、次のような費用が補助金対象となります。
1.輸出のための製造工程変更費用
2.輸出時品質検査費用
3.社内研修費用
まとめ
いかがでしたでしょうか?
食品輸出拡大政策は、食品事業者にとって、まさに追い風ではないでしょうか?
ただし、補助金はあくまで手段で、事業拡大が目的です。
補助金が目的とならないように留意して、食品輸出補助金申請を検討されてはいかがでしょうか?
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